心理学の知見:年齢の多様性がチームを安定させる
ハイパフォーマーを集めてしまると、じつはチームとしてはパフォーマンスが落ちることが知られています。
簡単に言えば、ハイパフォーマー同士でいがみ合ってしまうわけです。
でも、若いハイパフォーマーも、シニアなハイパフォーマーもいると、このいがみ合いが減り、パフォーマンスにもいい影響が出るようです。
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アムステルダム大学のジャトマリは、2008年~2018年(10年間)のバスケットボールのNBA30チームのパフォーマンスを調べた。
#発見
チームのハイパフォーマーの割合が増えると、チームのパフォーマンスは上がったが、ハイパフォーマーの割合が45%あたりを超えると、逆にチームのパフォーマンスが落ちていた。
ところが、ハイパフォーマーの年齢の多様性が高いと(つまり、若いパフォーマーもシニアなハイパフォーマーもいると)、ハイパフォーマーの割合が高くても、チームのパフォーマンスは落ちず、どんどん向上した。
#分析
若いハイパフォーマーは、シニアなハイパフォーマーをメンターとしてみることができた。
「私はとても幸運でした。私の周りにはベテランがたくさんいました。とても影響力がありました。プロになるにはどうしたらいいか、正しいやり方を学ぶことができます。彼らはNBAで何年もプレーしています。」
また、シニアなハイパフォーマーは、経験からくる自信があり、若いハイパフォーマーを脅威と感じることが少ないようであった。
「新入生や若手に言えることは、もし助けが必要なら、私はここにいますよ、ということです。私もあなたのような立場だったことがありますから。どんなことでも、あなたの道を切り開くために、お手伝いしますよ、と」
年齢の多様性がある場合、ハイパフォーマー同士のいがみ合いが減るようであった。
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ビジネスにも示唆深いですね。
とくに、同期のハイパフォーマー同士はいろいろと衝突してしまうかもしれません。
でも、若いメンバーもシニアのメンバーがいるチームは、いがみ合いが減り、安定しそうです。
多様性の重要性が指摘されていますが、この研究は、#年齢の多様性 の具体的なメリットを提示してくれています。
Szatmari, B. (2021). Young stars and red giants: The moderating effect of age diversity on the relationship between the proportion of high performers and team performance. Journal of Applied Psychology.
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