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経営学の知見:ビジョンはなぜ分かりづらいのか?

リーダーは、チームや組織の将来像、つまりビジョンを示すことで、メンバーをわくわくさせることができます。そして、将来の様子がクリアにイメージできるビジョンがいいとされています。

でも、どうして、多くのビジョンはわかりづらいのでしょうか。

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ペンシルバニア大学のCarton教授とコーネル大学のLucas教授は、英国政府から166人、金融機関などの社員652人、そして、エグゼクティブ123人に対して、以下のいずれかの方法で組織のビジョンを文章で作成してもらった。

①言葉重視:言葉を慎重に選んで、ビジョンを作成してください。
②タイムトラベル:タイムマシンにのって未来をみることを想像し、それをもとにビジョンを作成してください。

第三者が作成したビジョンを評価したところ、②タイムトラベルで作成したビジョンの方が、イメージが湧きやすい良質なものだった。

タイムトラベルは、イメージが湧くビジョンを作成するのに有効な方法であることがわかった。

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ビジョン作成の文献を180個ほどレビューすると、そのほとんどが、言葉を慎重に選ぶことをすすめているそうです。

勉強しているリーダーであればあるほど、言葉選びをがんばり、皮肉なことにも、わかりにくいビジョンが作られているのかもしれません。

目を閉じましょう。あなたの会社のビジョンが達成されました。何が見えて、何が聞こえて、何を感じますか?顧客は、あなたのサービスや商品によって、どんな体験をしていますか?どんな顔をしていますか?

リーダーは、時空を越えられる #メンタル・トラベラー ですね。

Carton, A. M., & Lucas, B. J. (2018). How can leaders overcome the blurry vision bias? Identifying an antidote to the paradox of vision communication. Academy of Management Journal, 61(6), 2106-2129.

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