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心理学の知見:リーダーのオープンさがメンバーの意見を引き出す

変革型リーダーシップのいち要素として、「メンバーの特性を踏まえて、やる気を引き出す」というのがあります。

マネジャーがこのように鼓舞すれば、メンバーはもっと意見を出すようになるでしょうか?

ところが、そうでもなさそうなのです。

むしろ、リーダーがオープンになること、つまり、聞く姿勢を持つことの方が大切という調査結果があります。

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コーネル大学のディタートとテキサス大学のブリスは、あるチェーンレストランのマネジャー223人と従業員3,149人を調査した。

#発見1

メンバーの特性を踏まえて、やる気を引き出すようにしていたマネジャーのもとで働いていたメンバーが、より意見を出していたかは疑わしかった。

詳しくみると、このタイプのマネジャーのもとでは、優秀なメンバーはより意見を出すようになっていたが、優秀でないメンバーは、より意見を言わなくなっていた。#相殺されて効果がでない

#発見2

オープンで聞く姿勢をもっていたマネジャーのもとで働いていたメンバーは、一貫してより意見を出す傾向が見られた。

このようなマネジャーのもとでは、メンバーは心理的安全性を感じ、その結果、より意見を出していたことが分かった。

#結論

従業員に声を出してもらうには、変革型リーダーシップよりもオープンであることの方が有効と示唆された。

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メンバーの意見を引き出したいすると、いわゆる「変革型のリーダーシップ」という鼓舞するリーダーシップだけでは不十分であるといえそうです。

優秀なメンバーはこのリーダーシップスタイルについていける一方、そうでない人は脱落しやすいのかもしれませんね。

この論文では、「上司が聞いてくれそう」、「自分の意見に興味をもってくれそう」、「自分の意見を検討してくれそう」、と思ってもらえるオープンさが大事と指摘しています。

Detert, J. R., & Burris, E. R. (2007). Leadership behavior and employee voice: Is the door really open?. Academy of management journal, 50(4), 869-884.

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