心理学の知見:現状を変える提案をすると評価が下がるかもしれないリスク
なぜ、みんな、現状を変える提案をしないのか?
それは、やる気がないからではなく、そうすると自分の評価が下がると知っているから、かもしれません。
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テキサス大学のブリスは、あるレストランチェーンの店長281人と、その上司にあたるエリアマネジャーを調査をした。
上司に現状を変える提案をしている店長のパフォーマンス評価は低く、現状を支持する提案する店長のパファーマンスは高くなりやすかった。
次に、なぜこうなるのかを明らかにするために、45人のMBA学生やビジネスプロフェッショナル、またシミュレーションゲームに参加した大学生204人を調査をした。
上司に現状を支持する提案をすると、上司は会社にロイヤルティがあると思い、メンバーの評価が高くなりやすかった。
上司に現状を変える提案をすると、上司はそれを脅威に感じ、メンバーの提案に賛同しない傾向があった。
以上より、現状を変えることを訴えるメンバーの評価は低くなりやすく、現状維持を主張するメンバーは高く評価される傾向があると分かった。
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会社や業界によっても違いがあると思いますが、もしこういう傾向を察知したとすると、メンバーは現状を変えようという提案はしなくなりますよね。
一方で、上司の立場に立てば、いろんな声が上がってきても、うまく対応できず困っているわけです。
上司がメンバーから提案をうけたときに、それをどう受け止め、どう取り扱っていくか?
僕らはこういうシナリオの練習をすることはあまりないですよね。多くの人にとって苦手科目なのかもしれないと思うのです。
Burris, E. R. (2012). The risks and rewards of speaking up: Managerial responses to employee voice. Academy of management journal, 55(4), 851-875.
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