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トップのお仕事

オーケストラの弦セクションの各パートには
首席と呼ばれる所謂トップと言う役割が居ます。
それとは別にパートリーダーという役割を置く事もあります。
大抵のアマオケでは一人で兼任ですが大所帯の団体だと
トップとパートリーダーが協力してパートをまとめていたりします。
私は一人で兼務している団体の出入りが多いですし
私自身も一人で兼務してやっていますので今回はまとめて説明しますが
トップのお仕事は最前列で弾く事だけでは有りません。
まあ最前列で弾くだけでも結構大変なのですが他にもお仕事が有ります。

・ボウイングをつける
この作業が結構大変なのです。自分のパートだけ考えて
弾きやすいように付けるのであればそれほど大変ではないのですが
他のパートとの交差が起きないよう調整して付けないといけないので
かなり大変なのです。

・ザッツを出す
パート内の全員が同じタイミングで発音出来るように
弾き出す手前から合図を出します。
私はかなり大きめに出す様にしていますし
タイミングだけだけではなく次の発音がどの様な音色なのかも
ジェスチャーとして示します。
強いアクセントで強い音で出すのであれば大きく振り被り
弓元から弦に着地するよう合図しますし
弱く入るのであれば弓先あたりに弓を一旦そっと置いた状態で
ブレスで合図を出します。
音を出してはいけない場所では明示的に楽器を降ろします。

・エキストラさんを確保する
実はコレがいちばん大変な作業です。
頼りになる奏者と常に人脈を確保する事も大事ですし
上手いだけでなく人間性や団との相性も考慮して決めます。
また声を掛ける方の普段の合奏スケジュールも把握しておき
スケジュールがバッティングしない方を探します。
どんなに上手でも連絡レスポンスが遅い方は声を掛けない様にしています。
出られるのか出られないのかわからない状態で判断を1ヶ月を遅らせると
ダメだった時にリカバリープランが打てないからです。

・楽譜の手配
エキストラさんには楽譜を印刷、製本しボウイングや注意事項を記入し
楽譜の発送をしなくてはなりません。

・合奏練習での注意事項の伝達
合奏練習はトップは休むことが出来ません。基本皆出席です。
パートの全員が休んでも一人で出席し一人で弾きます。
そして合奏練習で注意事項があった内容を欠席者や
今後参加されるエキストラさんに伝達します。
私の場合は注意事項を書き込みした楽譜をスキャンしたPDFデータを配布し
変更点を連絡しています。

・とにかく間違えられない
トップが間違えると他のメンバーは迷います。
つられて周りも間違えてしまうので兎にも角にも
トップはノーミスで弾ききらねばなりません。
コレが何より大変なのです。

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