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休符の譜読み

オーケストラ曲の譜読みって実は弾いていない時間の方が難しいなー・・・
と思うこと有りませんか?
例えば25小節休みと書かれた時に26小節目で自信を持って入れますか?
弦楽器の場合はあまり長い休みは無いですが
管楽器の場合は当たり前に出てきます。
長い休みを集中力を切らさずにキチンとカウントし
的確なタイミングで自分のアクセルをキッチリ踏む事は意外に難しいです。

また休みがそれほど長くない場合でも
音が詰まっている時よりも細かく休符が入っているフレーズは
意外に譜読みが難しいです。
8分音符がスタッカート付きで8個入っているフレーズと
18分音符がスタッカート無しで16分休符と交互に入っているフレーズ
狙った効果は同じだったとします。読みやすいのは8分音符ですよね。
休符部分というのは意外にフレーズの彩りを創るので
テキトーに流してはいけない部分です。

ベートーヴェンの交響曲第5番運命の有名な運命のモチーフ
タタタターンの部分。アタマに休符が入ってますよね。
アタマの休符を感じずにタタタターンのタをアタマと感じて聴いている人は
意外に多いのではないでしょうか。
そう感じて弾いている人も案外多いかもしれません。
あの休符は意外に罠だと思いますし
運命のモチーフは2ndヴァイオリン → ヴィオラ → 1stヴァイオリンと
リレーしてバトンを渡していく事で
この曲のアンサンブルの難易度を上げていると感じます。
運命のモチーフは音域的にも1つのパートで全部弾く事は出来ますし
その方が演奏は容易です。
受け渡しを待つ休符があるからこそ演奏が難しくなっていると思います。
休む事は弾く事よりも意外に難しいのです。

ベートーヴェン 交響曲第5番運命 運命のモチーフのバトンリレー

なんでこの記事を書いたかと言いますと
今取り組んでいるサン=サーンス交響曲第3番オルガン付きが
休符のトリックでアンサンブルが非常に難しくなっているんですよね。

この曲冒頭はアタマの音が小節のアタマではなく
6拍子の5拍目なので実は4拍休符が有るのです。
この休符を感じる事はとても難しいのです。

サン=サーンス交響曲第3番オルガン付き

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