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ホルスト セント・ポール組曲 #この曲弾けてよかったシリーズ

さてこの企画も第9弾目です。ホルスト セント・ポール組曲です。
初の室内楽曲からです。昨年の夏にヴィオラで弾く機会がありました。
いやー!正直ホルスト先生ナメてました。ごめんなさい。
惑星の人だとしか思ってませんでした。
以前、ドヴォルザーク交響曲第9番新世界よりの記事で書いたのですが
私は民族性の強い音楽が妙に琴線に触れます。
この曲はセント・ポール女学校の教員時代にホルスト先生が
学校に贈って作曲した曲という事でとても愛を感じる曲なのですが
同時にケルト民族音楽の薫りがします。

第1曲 ジーグ
アップテンポでの中で6/8拍子<>9/8拍子の変拍子が使われて
更に前へ前へ詰めてくる演出で緊張感が高まってきます。
民族舞踊のような素朴さと近代的な洗練さが
同居していてハイセンスとしか言いようがない曲です。

第2曲 オスティナート
私が一番好きな曲です。
少し木星的な始まり方で不思議な空間が創られますが
ハイスピードの3拍子の回転感のなかでヘミオラで打たれるピッチカート。
ポリリズムがとてもオシャレです。コレもハイセンスですねー。

第3曲 間奏曲
ヴァイオリンソロ、ヴィオラソロの悲しげなメロディーが印象的ですが
展開部で民族舞踏的になる2面性を持った曲です。

第4曲 ダーガソン
イングランド民謡のグリーンスリーブスのメロディが引用されており
当然、民族音楽職が強い曲です。
6/8拍子でスキップするような軽やかなビートですが
上に乗っかるメロディーは非常に壮大で
第1曲から第3曲までの全てのドラマを
見事に完結する集大成感があって感動のクライマックスとなります。

実はセント・ポール組曲は私にとって室内楽への関わり方への
大きな転機となった非常に罪な曲でありまして
実は私はアマオケとは別に
コレッリ、ヴィヴァルディ、テレマン、バッハ等を中心に
バロックにこだわった弦楽アンサンブル団体に所属していました。
学生時代もそのあたりの曲ばかりやってきました。
ところがセント・ポール組曲で脳天に稲妻を食らってしまいました。
バロックにこだわった団体に腰を据えていたのでは
一生セント・ポール組曲のような曲に出会えない!と思い詰めてしまい
その団体を辞める事を決意してしまいました。実に罪な曲なのであります。

まあ、とはいえバロックも好きなんですよー。

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