見出し画像

ヴァイオリンで育った人間がチェロに辿り着いた話【前編】

2020年に新型コロナウイルスが我々の生活を激変させました。
予定されていた演奏会のキャンセル。合奏練習の中止。
それどころか楽器ケースを持って外出する事すら憚れる状況でした。
私は毎週末に数本合奏練習、毎月本番が有る様な生活でしたから
突然何も出来なくなった感じでした。

そこで家からは出ずにオンライン合奏をやろう!と思い立ちました。
演奏動画を撮って送ってくれる人を募集して
編集して合奏作品にするというものです。
ここでどうしてもヴィオラが集まらないので
よしそれなら自分で弾こう!と思いヴィオラを始めました。
ちなみにこのオンライン合奏でヴィオラを弾いている4人は
私を含め全員ヴァイオリンから急遽の転向組です。

私自身はヴィオラへの移行が、かなりすんなり行きました。
ト音記号からハ音記号への読み替えにもさほど時間は掛かりませんでした。
まあコレは私がかなり特殊な楽譜の読み方をしているからなのですが・・・

また私は手も体格もかなり小さいのですが
その割にフィジカルがかなり強くヴィオラの適性があったと思います。
C線を鳴らすコツも比較的早く見つけることが出来ました。
ヴァイオリンとヴィオラを弾く時の感覚の切り替えも
非常にうまく行ったんですね。
まあコレは非常に珍しいケースだとは思います。

そうなると欲が出るんです。
「あとチェロが弾ければ1人でカルテットが出来るぞ!」
そう思って私はチェロに辿り着きました。
2台目のチェロにステップアップされた方から
初代チェロをお預かりして、なんとか4時間練習して
モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークの第1楽章を
1人で弾くチャレンジをしました。

ただココで気づいたのです。
ヴィオラはヴァイオリンの延長上に存在していて、そこには境界は無く
地続きで繋がっている世界だけれども
チェロは海を渡った向こうの全く別の世界だったと・・・

【後編に続く】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?