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ストラディバリウスの秘密

ストラディバリウスって名前はよく聞きますよね。
何億円もすると言われるオールドバイオリンです。
写真のヴァイオリンは本物のストラディヴァリウス
所有されている先生にご指導していただいた時のものです。
ところでストラディバリウスが高価なのは300年前に作られた物なので
当然ですがかなりの希少価値があります。
でもなぜ300年後の現在の最新科学技術力をもってしても
ストラディバリウスを超える事が出来ないのでしょう。
というか実際にストラディバリウスは凄いのか?
私は実際に弾いた事はありませんし、楽器製作をした事も有りません。
至近距離で聴いた事が有るだけです。
本当に良いのか悪いのかはわかりませんが
300年前と現在の違いは何なのか科学的に考えてみたいと思います。

・300年経過した事で木材の乾燥が進み結晶化し硬度を増したから
コレはよく言われる話です。木材の含水率が減れば減る程
強度が上がるという説です。また温度や湿度による伸縮も止まり
形状も安定して楽器のコンディションも安定して維持されるという説です。
現在は熱風等で強制的に乾燥を進めることが技術的には可能ですが
コレをやってしまうと急激な木材の伸縮変形が起きて
木材が劣化してしまうので、300年掛けたゆっくりとした
自然乾燥には叶わないというものです。それなりに説得力ありますよね。

・300年生き延びたサバイバーな楽器だから
これは300年間の間にヨーロッパは2回の世界大戦を経ていますし
大変な数の戦争を経験しています。そんな戦火の中を消失せず大切に
され逃げ回ってきたのは、それだけの価値がある名器だったから
という説です。つまり良いものだけが生き残り、悪いものは消失したから
コレもそれなりに説得力があります。

・300年前はミニ氷河期だったから
300年前は太陽活動が弱まり、日照が減って
地球の平均気温が1.5℃程低かったという事です。
木の年輪は日照の当たる南側は幅が広くなり
日照の当たらない北側は幅が狭くなります。
切り株の年輪を見ればで東西南北が判別できるというサバイバル術を
聞いた事が有る方も居るのではないでしょうか。
つまり300年前は木の年輪幅が狭かった、つまり木の密度が詰まっていて
強度が高かった、強度が高い木材ほど薄く削ることも出来て
軽く振動しやすい表板と裏板が作れたというものです。
コレもかなり説得力がありますね。
現在は地球温暖化傾向にあるので良い木材の確保が
難しい事になりますね。

まあ楽器の良さは定義化されておらず感性によるものなので
正解は何なのかわかりません。
ただ新しい楽器でも長くゆっくり付き合ってあげれば
良い楽器に成長していくと思いませんか?

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