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「兆し」のマネジメント

こんにちは。本島です。

組織を変化させていく時には「スモールウィン・アーリーウィン」が必要だと言われます。新しい事を始めた時には「これで本当に大丈夫なのか?」という”不安や疑念”が渦巻き、いつのまにか取り組みがやりきれずに雲散霧消してしまうからです。
逆に「スモールウィン・アーリーウィン」が実現できれば、不安や疑念は、”期待と信頼”に変わり、大きなうねりに繋げていく事が出来ます。

この概念をもとにしつつ、今回は「兆し」について書きたいと思います。
「スモールウィン・アーリーウィン」ではなく「兆し」という言葉を使っているのは、明確な”勝ちや成果”の前に、メンバーを勇気づけられる出来事が継続的に必要だと考えているからです。

”兆し”は能動的に発見するもの。
イメージを持って仕込んでおくもの。

”兆し”はマネージャーが能動的に発見しなければなりません。”兆し”として発見されないものは、メンバーには”ただの出来事”としてしか認識されません。
”兆し”を漏れなく発見する為には、変化のプロセスをイメージしておくと良いと思います。最終的な成果に繋がるまでに、誰からどんな風に動き始め、どんな風にそれが組織全体に波及し、お客様に伝わっていくのかのイメージを持っておきましょう。そのイメージのステップごとに必ず”兆し”は発見できるはずですし、仕込む事も出来るでしょう。

”兆し”はステップごとに生まれている。

成果が実現されるまでのステップ(例)
①行動を始める→②行動を続ける→③お客様からのフィードバックが得られる→④お客様に採用される(売上が立つ)→⑤採用頂くお客様が増える(業績が向上する)

”お客様に採用される”事を「アーリーウィン」に置きがちですが、ステップごとに生まれる全ての出来事を”兆し”としてポジティブに組織に伝達していく事が、取り組みの継続性を維持する為に必要な事だと考えています。

①行動を始める
恐らくこの段階においては、全員が一斉に行動を始めているという事はないでしょう。動き始めている人とのんびりしている人がいます。ここで重要な事は、のんびりしている人を急かすのではなく、動き始めている人を”兆し”として認識し称賛する事です。
動き始めている人を1人でも見つけたら、みんなが聞こえるところで話しかけに行き、「ありがとう!」を言いましょう。

②行動を続ける
行動を開始してすぐに結果が出る事はまずないので、継続が必要です。もしセールスなど行動量が測れる業務内容の場合には、「アプローチ数○件まで到達した」等を最初から目標設定しておき、その目標を達成する度にそれを”兆し”として喜び共有しましょう
この①②のステップにおいて重要な事は、自組織内の努力だけで可能な事(=目に見える成果に繋がってはいない)でも、それを”兆し”として認識しメンバーに共有するべきだという事です。
取り組み初期は、自組織内の努力だけで実現できる事を”兆し”として最初から仕込んでおくことをイメージしておきましょう

③お客様からのフィードバックが得られる
行動を継続していると、同時にお客様からのフィードバックが得られ始めると思います。当然ポジティブなフィードバックばかりではないと思いますが、「フィードバックが得られたことそのもの」を”兆し”として喜び、共有し合いましょう。
当然ながら、頂いたフィードバックは改善点として取り組む必要があります。改善した取り組みをまた継続し、そこで得られたフィードバックをまた”兆し”として喜び合う事が重要です。

④お客様に採用される(売上が立つ)
ここでやっと分かりやすい成果が生まれました。大いに喜びましょう。これを実現したメンバーを褒め称える事はもちろんですが、1人だけの成果として共有するのではなく、全員が取り組んだからこそ生まれた最初の”兆し”であると共有する事がポイントです。まだ分かりやすい成果に結びつけられていないメンバーも勇気づける事になるからです。
もう一つ、この出来事を貴重なナレッジとして出来る限り詳細に共有をしましょう。例えば、いつからアプローチしていつどのように提案をして、どのような反応をお客様から頂き、お客様は何を期待して採用頂いたのか、等です。これをシェアする事で他メンバーが成果にぐっと近づき、⑤に繋がっていくでしょう。

プロセスを楽しめる組織になるために。

成果が出る事はもちろん嬉しい事だと思いますが、そのプロセスも出来るだけ楽しみながら続けたい。私はそう思っています。我慢しながらいやいや進むよりも、前進した事を共有し喜び合いながら進んだ方が、良い結果に繋がる可能性も高いでしょう。
仮に成果に繋がらなかったとしても、新しい取り組みのプロセスを楽しめた組織は、別の新しい取り組みにも前向きに取り組める組織に変わっていくはずです。
そんな組織を創っていく為にも「”兆し”のマネジメント」を意識して頂くと良いかなと思っています。

・明確な”勝ちや成果”の前に、メンバーを勇気づけられる出来事が必要。
・”兆し”は能動的に発見するもの。イメージを持って仕込んでおくもの。
・”兆し”として発見されないものは、メンバーには”ただの出来事”としてしか認識されません。
・”兆し”はステップごとに生まれているはずです。
・のんびりしている人を急かすのではなく、動き始めている人を”兆し”として認識し称賛しましょう。
・自組織内努力だけで実現できる事を”兆し”として最初から仕込んでおくことをイメージしておきましょう。
・「フィードバックが得られたことそのもの」を”兆し”として喜び、共有し合いましょう。
・成果が出たら、全員が取り組んだからこそ生まれた最初の”兆し”であると共有する事がポイントです。
・成果に繋がらなかったとしても、新しい取り組みのプロセスを楽しめた組織は、別の新しい取り組みにも前向きに取り組める組織に変わっていくはずです。

今日もお疲れ様でした!

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