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【第4回】 12月1日開催『第2回 名曲チャリティコンサート』 出演者コメント 〜指揮・小林雄太さん〜

 12月1日、浜離宮朝日ホールにて『難病 筋痛性脳脊髄炎 患者応援 - 第2回 タクティカートオーケストラ 名曲チャリティコンサート』を開催いたします!
 全国に多数患者の方が居られるものの、認知が進まないことで「指定難病」に届かない難病があります。その一つが『筋痛性脳脊髄炎』。その難病と、それと闘う患者の方々のことを、少しでも理解し寄り添えるように。すべての人が少しでも明るい未来を信じて生きていけるように。難病への認知拡大を、音楽の力で行っていきたい、難病と向き合う人たちを支援したい、という気持ちを込めてチャリティコンサートを開催いたします。
 第2回となる今回公演では若手奏者3名がソリストとして出演。ヴァイオリン・堀内優里さん、チェロ・菅井瑛斗さん、ピアノ・佐川和冴さんと、別々の楽器の演奏者が1曲ずつ協奏曲を演奏。各楽器の魅力も存分にお楽しみいただくことができる公演です。
 今回の公演開催にあたって、ソリスト3名、そして当日の指揮を務めます小林雄太さんよりコメントを頂戴しました!
 みなさんが思う「音楽の力」とは。そして公演で今回演奏していただく曲についてお聞きしました。

 最終回は、今回オーケストラの指揮を務めます、小林雄太さんです。

小林雄太(指揮)

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—— ご自身の現在の活動について教えてください。

 現在は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団で副指揮者として活動しております。定期演奏会等でのアシスタント業務の他、音楽鑑賞教室やジュニアオーケストラ等の指揮も務めさせて頂いております。

—— 本公演は、「音楽の力」を届ける公演として開催するチャリティコンサートですが、小林さんは「音楽の力」を感じた経験はありますか?またどんな時でしたか?

 私は学生時代から「音楽療法」という分野に非常に興味がありました。特に印象に残っている事が、「認知症患者の方々に向けて音楽を聴かせる」という体験です。過去の記憶を思い出せない方でも、当時流行っていた歌謡曲や、学生時代の校歌などを聴くと、当時の事を鮮明に思い出し、涙する方が多くいらっしゃいました。音楽には、忘れてしまっている記憶を呼び起こさせる力がある、と「音楽の力」を目の当たりにした瞬間でした。

—— 今回演奏される楽曲について教えてください。

 今回はモーツァルト、ベートーヴェン、ドヴォルザークと異なった作曲家の協奏曲を演奏致します。

 モーツァルト作曲のヴァイオリン協奏曲第5番は彼の最後のヴァイオリン協奏曲として人気が高い作品であり、またコンクールやオーディション等、頻繁に課題曲として取り上げられる、ヴァイオリニストにとって避けては通れないレパートリーの一つとしても知られています。当時流行していたトルコ趣味を作品の中に取り入れたりと、全曲を通して非常に聴きやすく華やかな曲想であり、ご存知ない方でもお楽しみ頂けるのではないでしょうか。

 ベートーヴェン作曲のピアノ協奏曲第4番は中期の作品であり、「傑作の森」と呼ばれる時期に書かれました。この作品では、第1楽章の冒頭から独奏ピアノが登場することや、オーケストラが伴奏のみならず、独奏ピアノと対話する様に演奏するなど、ベートーヴェンの画期的な手法が様々な場面で施されている事も特徴の一つとして挙げられます。今回は弦楽合奏版を使用するという事で、弦楽合奏ならではの、濃密で瑞々しい演奏をお届け出来るのではないかと期待しております。

 ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、ドヴォルザークの代表作の一つであると同時に、チェリストにとって避けては通れない、レパートリーの一つです。楽章の中間で独奏チェロが奏でる哀愁漂う旋律は、自作歌曲の〈わたしにかまわないで〉が原曲です。ドヴォルザークが自作歌曲を引用したのには理由があり、かつて恋をしていたヨセフィーナ・カウニッツ伯爵夫人が危篤であるという知らせを聞いたからでした。その後、プラハへと帰国。その後すぐに彼女は亡くなってしまい、ドヴォルザークは第3楽章のコーダ(終結部)の部分を、第1楽章の回想と再び自作歌曲の旋律を用い大幅に拡大しました。依頼者のヴィハーンによる楽曲修正の提案を一切受けなかったという書簡を拝読すると、ドヴォルザークのこの作品に対する想いが窺えます。
 今回は小編成版を使用するという事で、小編成オーケストラの、より洗練された演奏をお楽しみ頂けると思います。

—— タクティカートオーケストラの印象はいかがですか?

 タクティカートオーケストラの皆様とは、今回で3回目の共演となります。毎公演、既に多方面でご活躍されている演奏家の方々と共に、音楽創りに集中する事ができる環境があります。また、様々なジャンルの楽曲を柔軟に対応する能力があり、毎公演、演奏クオリティが高く、目を見張るものがあります。

—— 最後に、本公演への意気込みをお願いします!

 ヴァイオリニストの堀内優里さん、チェリストの菅井瑛斗さんは今回初共演です。お二人とも既に各方面で素晴らしいご活躍をされている音楽家ですので、ご一緒させて頂ける事が大変楽しみです。

 ピアニストの佐川和冴さんとは東京音楽大学の同級生で、これまで2回、協奏曲で共演する機会に恵まれました。互いに切磋琢磨した大切な仲間の一人です。今回、数年ぶりに共演した際にどの様な演奏になるのか、今から非常に楽しみです。

 一夜で異なる作曲者、楽器の協奏曲を3曲味わえるという演奏会は稀有なものだと思います。
 この機会に是非、多くの方にご来場頂きたいです。ご期待ください。

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 音楽療法へのご経験を通して、音楽の力を感じられた小林さん。
 各所で活躍を続けられる小林さんと、若手ソリスト3名が生み出すコンチェルトの世界、ぜひお楽しみいただきたく思います!

 本日でリレー企画は最後となります!
 公演は12月1日、東京・浜離宮朝日ホールにて開催です!ぜひお見逃しなく!

チケットはこちらから
https://eplus.jp/charity_tactiorch/

小林雄太 プロフィール
1997年新潟県長岡市生まれ。
第58回ブザンソン国際指揮者コンクール本選出場。中越高等学校を経て、給費奨学生として東京音楽大学指揮科に入学。これまでに指揮を広上淳一、田代俊文、増井信貴ら各氏に師事。ボリス・ベルキン、汐澤安彦、徳永二男の各氏による指揮公開マスタークラスを受講。鍵盤楽器奏者として別府アルゲリッチ音楽祭、東京音楽大学シンフォニーオーケストラ定期演奏会等に出演。
東京音楽大学創立111周年記念演奏会「指揮クラブ フレンドシップコンサート」にて、東京音楽大学特別編成オーケストラを指揮。
大学卒業と同時に公益財団法人日本製鉄文化財団 2021年度若手指揮者育成支援制度に合格。紀尾井ホール室内管弦楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団で研鑽を積み、広上淳一、高関健、下野竜也の各氏に指導を受ける。2021年4月より京都市ジュニアオーケストラ副指揮者。2022年10月、神奈川フィルハーモニー管弦楽団副指揮者に就任。


-難病 筋痛性脳脊髄炎 患者応援-
第2回 タクティカートオーケストラ 名曲チャリティコンサート

〈開催日時・場所〉
2023年12月1日(金) 
 開場:18:15 開演:19:00
 会場:浜離宮朝日ホール

〈チケット・プレイガイド〉
 全席指定 一般: 5,000円 学生: 3,000円 ※3歳以下は入場不可
 イープラスにて販売中 :https://eplus.jp/charity_tactiorch/

〈曲目〉
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(室内編成版) 
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(室内編成版)

〈出演者〉
 堀内優里(ヴァイオリン)、菅井瑛斗(チェロ)、佐川和冴(ピアノ)
 小林雄太(指揮) タクティカートオーケストラ

〈クレジット〉
主催:株式会社タクティカート
後援:株式会社Gravity、株式会社basil

〈お問い合わせ先〉
Mail: concert@tacticart.co.jp
TEL: 03-5579-6704

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