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第19回:その音、「事業を通じて社会課題」を解決していますか?

筆者はその昔、金融機関にお勤めをしていたことがありました。いわゆる「機関投資家」と呼ばれる会社でしたので、「責任ある投資家としてのスチュワードシップ責任」があり(注¹)、「ESG(環境・社会・ガバナンス)部門の責任者」の方がいらっしゃいました。

きっと顔をしかめられると思いますけど、その方のことを仮に、「先生」とお呼びしましょう。夏目漱石の「心」の「先生」と同じ意味合いでの匿名性の担保だと思えばきっとお許し下さるでしょう・・・。

先生は、ESG、SDGs、金融機関としてのスチュワードシップなどの促進を投資先の企業や官公庁へ働きかけるに留まらず社内でもそれらを醸成するため大変熱心に活動をされており、社内寺子屋みたいなものを開催されておられました。そして筆者は寺子屋の末席の生徒として先生のお話をいつも楽しくお聞きしたものです。

それで、どうも最近、シナプスがつながったんです。

「ねえ、先生、これってアレと同じ・・?」

尊敬する先生はいつもこうおっしゃった。

「いいかい 筆者さん。ESG っていうのは、名詞じゃなくて形容詞で考えるんだよ。ESGは『Environment, Society, Governance』じゃないんだよ。Environmental、Socialっていう風に形容詞で考えないといけない。形容詞で考えると、<環境にとりくみます>っていう漠然とした概念ではなくて、Environmental risk, Environmental issue, Environmental opportunity、という風に、その会社にとって「環境の何を何するのか」がより明確になるでしょう?環境と一言で言っても、それが環境の課題なのか、環境のリスクなのか、あるいは環境の機会や可能性なのか、環境分野における何の話をしているのか明確にしなければいけない。そして、自社の環境の課題やリスクを機会に変えて、事業を通じて社会課題を解決する企業に投資をしていくのが投資家の役目なんだよ。もちろん、社員みんなで週末に集まって木の植樹のボランティアをすることは良い事だよ。でも、それはコストだから、会社が赤字になったらやめちゃうかもしれないじゃない?ボランティアやCSRはおおいに促進すべきことだけど、結局それは企業の持ち出しのコストだよね?だから、社会貢献はもうからなくなったらやめる、という風にならないためには企業は自社の事業を通じて、社会課題の解決をして、自社の利益と社会的価値を両立させなければいけないんだよ。」

いや、こんな優しい言い方だった・・・っ・・け・・か・な?・・違う・・。気もする・・。

でも、いい。

過ぎたことはいつだってボッサのリズムで「思い出は美しすぎて」、です。そんな事を申し上げてわかる世代の読者ばかりとは限らないかもしれませんが、名曲は歌い継がねばならない。

さて。

ここからが今日の本題です。

わたしたちはソニック・アーキテクト。「音の総合建築家」です。

そして、「生まれも育ちも葛飾柴又帝釈天で生湯を使い」方式で、毎回同じことを申し上げますが、<「音やサウンド」=周波数はヒトの「感情」を引き出し、動かし、「記憶」を呼び起こし、「行動」を喚起します。>

そしてSonicも名詞ではなく形容詞じゃないか!!

そうなのです。

次号より、企業にとって、環境や社会問題と同じように、音も機会となり可能性にもなるが、同時にリスクにも課題にもなるということをお伝えしたいと考えています。

(注¹)「責任ある機関投資家」の諸原則
  ≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~


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