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オープンしました!そして9月27日で神楽坂の営業終了決定。

タコファントム、8月30日にグランドオープンした。週1の営業ではあるが、週7でタコスの事を考える日々になっている。
先週のプレオープンでは開店準備が間に合わずアタフタしてスタートするという凡ミスを犯した。この轍は踏むまいと、仕込み時間を長めにとったのだが、やはりアタフタした。ギリ終わる。ではダメなのだ。完璧に終わって、ちょっと飯でも食う余裕が無いとダメだ。
オープン当日、告知はインスタと食べログくらいにも関わらず、逆にどこで聞きつけたんだと思うくらいの方々にお越し頂けた。感謝しかない。お越し頂いた全ての方にありがたこす。そして、全宇宙にスーパーありがたこす。中にはお待ち時間が長すぎてお帰りになられてしまったお客様もいらっしゃった。申し訳ない。次回お越しのタイミングでは、召し上がって頂けることを切に願う。
さて、オープンで浮彫になった課題点を忘れないうちに。

5時オープンから6時くらいまでに客足が集中する

これは予想の範囲内ではあったものの、思った以上にこの傾向が強い。逆に20時を過ぎると客足はパタリと遠のく。17時~20時までの間に如何に効率的に、かつ楽しんで頂けるようにするかが鍵なのである。商売として考えれば、この時間のお客様にがっつり飲み食いして貰いたい。むしろ、飲んで貰いたい。出来れば簡単で利益率が高いものがいい。ショットとか。ワインとか。本来こういう事は言わない方が良いのだろうと思う。だが、あえて言う事が大事だ。なぜなら、利益が増えればその分接客に余裕が出来てくるからだ。飲食業は、つきつめると人であると考えている。気分よく食べれるか否かによって、味への印象も大きく変わるものと思われる。

タコス全種類 的なオーダーが多い

ぼくのタコスは、トルティージャに最もこだわっている。オーダーが来てからプレスして、焼いて、蒸して出す。だが、タコス全種類のオーダーが4テーブルから同時に入るともうダメだ。全く追いつかない。もはやパニック。もう頭が真っ白である。女将かだれかに耳元で頭が真っ白と囁かれているような気分にすらなる。思わず、頭が真っ白で・・・と記者会見を開きそうになった。これは、プレには見られなかった傾向なのだが、オープンではほとんどがタコス全種類のオーダーだった。一つの仮説だが、メニューの一番上にタコスがあるのでとりあえずタコスにオーダーが集中するのでは?と思い始めている。
なので、ここは先ほどの話に繋がるが、出したいオーダーをメニュー上部に表示してみようと思う。恐らくだが、しっかりしたメニュー作成部隊がいるファミレスや居酒屋のメニューはそうなっているはずだ。なので、ぼくのタコス屋のメニューは、まずサラダにしたい。そして、簡単に出せるつまみ系になって、最後タコスである。この仮説があっているかどうかは、実際にメニュー位置をいじって試してみたい。僕の仮説が正しければ、だいぶオペレーションにも余裕が生まれるに違いないし、最初にサラダを食べて胃の準備をして貰う事で、より美味しくタコスを味わって貰えるに違いないのである。

滞在が短い

これもタコスばかり頼まれる事に起因しているように思う。タコスを食べて1,2杯飲んだらもう満足なのである。本来これではダメなのだ。こんなのただの「優男」だ。優しいだけでつまらないヤツは恋愛映画の引き立て役の典型だ。やっぱり主役は、熱い思いがあって、はじめはぶつかるものの、理解していくと離れられなくなるタイプのヤツなのである。飲食店に置き換えると、ちょっとおせっかいなくらい飲み食いを勧め、最終的には「やだ。凄い満足だわ。絶対また来るんだから♡」と言わせるやつである。タコスを食べて1,2杯で終わり(やさお)じゃなくてダーサラ→ルービー→タコス→ルービー→歓談→タコス→ルービー→チップス→歓談・・・eat,drink,laugh,repeatなのである。世界最高のDJの一人である、ファットボーイスリムも同じような事を言っている。それを暗に勧めるメニュー構成にし、まずはサラダをオーダーするような空気感を作り出したい。とは言えぼくは空間作りに関しては素人だ。やはり空気感を作り出す事に関してはプロ中のプロである神社仏閣に頼りたい。つまり、サラダから頼まれるようにお願いして回ろうと思う。時間が無いのだ。なりふりは構っていられない。神社仏閣(らしきものも含め)を見つけたら手あたり次第に賽銭箱に5円玉を投げ入れ、「ダーサラからでよろぴこ」とお願いしよう。赤城神社の絵馬に「サラダのカンケイからはじめたぃ♡」と書いてあればそれは不倫願望メンヘラ女子ではない。タコファントムに間違いない。


20時超えると来ない

これは半沢直樹のせいである可能性が高い。「お前の負けぇ~~!!!」と言われている気がしてならない。さて、これはどうすればいいのだろうか。一つの案としては、お店で半沢直樹を流すのである。そして店名をhang the worldに替える。気付く人であれば、「日曜の夜に「ハン(グ) ザ ワァー(ルド)」・・・だとっ!!!?」と気付くはずだ。しかし、これは比較的ネイティブな発音の方でないと気が付かないかもしれない。かつ、あまりにも謎かけ感が強すぎる。そこで、現実的な方法としてはハッピーアワーを設けるのである。つまり20時以降がハッピーアワーとなるようにするのだ。ただ、出来る限り値下げはしたくない。限られた席数、少ない人員で回しているのだ。それなのに貧乏暇なしって・・・となる。そうなると、20時頃に終わる職業に向けてアプローチするか。遅い時間だけ宅配などに出す事も出来るのであれば、需要があるかも知れない。いずれにしても、ここは色々トライしてみて改善するしか無さそうだ。


と、オープンの気付きはこんなところであった。調理の面で言えば、トルティージャのクオリティーが忙しさによって少しブレるのと、フィリングの温度を最適に保つ事に課題を覚えた。が、この2点は既に解決策をほぼ見いだせているので良しとしよう。

さて、突然ではあるが神楽坂での営業は9月末を持って終了とする。いわゆる大人の事情など小さな理由は色々あるのだが、こういった事は全てユニバースを創造したゴッドによって予め定められていたディスティニーであると考えるのが良いだろう。
10月以降は本業の稼働具合などにもよるが、どこか良い出店場所が見つかればぜひやってみたいと思っている。タコス屋はとても楽しい。

ちなみに、今回間借りをしてみてわかったのは、テーブル席の店では調理とホールはそれぞれ最低1名はほぼ必須であるという事である。こんな事でさえ自分で飲食をやってみる前は想像すら出来なかった。「いやいや、一人で回せるっしょww」くらいに思っていた。今回、ホールスタッフがいかに大切かという事を思い知らされた。ホールスタッフは店の顔であると共に、守護神でもある。どのテーブルのオーダーが遅れているか、どこから出せば良いか、お客様の様子を伺いながら、ドリンクのおかわりを最適なタイミングでお声がけをし、食器を下げ、オーダーされた内容に相違が無いか、ライムの載せ忘れなどミスがないかのチェックも行う。こんな大変な業務を急遽押し付けられたにも関わらず、お客様には笑顔を絶やさず手伝ってくれる妻には感謝しかない。心なしかぼくに対する笑顔は減った気がするが、とにかく、スーパーありがたこすである。9月27日の営業が終わったら、感謝の意味を込めてとびっきり高級な食事にでも誘って、失われた笑顔を取り戻さねば。

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