読後録~教育格差編~
本日は、最近読んだ松岡亮二氏著の『教育格差』の感想を書いてみようと思います。
この本は、主に親が大卒出身かといった出身階層によって生じる教育格差と、出身地域によって生じる教育格差について述べられています。親の学歴によって親の教育への参画度合・意識(意図的教育/放任的教育)が異なり、幼児期からすでに生じる学力差が学歴が上がるにつれて拡大すると提言されています。また学校間、地域間によって格差があり、公教育であっても格差が生じてしまうといった内容でした。
この本を読んで私が思ったことは、教育は“子”よりも“親”に大きく依存するということです。我が国最大のルール、日本国憲法では以下のように書かれています。
「ひとしく教育を受ける権利」
「普通教育を受けさせる義務」
つまり、“子”は「受けられる」に対して“親”は「受けさせなければいけない」ということです。この字面を見て、どちらが重要かといえば私は後者だと思います。
かくいう私も、実は母子家庭で貧困家庭に属していました。親は大卒ではありませんし、また出身地域も、ある都道府県でワーストを記録するような場所に住んでおりました。しかし、私の母親は惜しみなく私に支援をしてくれたので、その期待に応えるように高校は進学校、大学は東京六大学へと進むことができました。
この本によれば私は稀有なパターンのようですが、教育格差のみならず教育を改革していく上で“親”の意識改革は不可欠だと思います。たとえ(私のように)出身階層、出身地域といった環境が良くなくても、“子”と“親”の“つながり”を強め、そのつながりの中で“親”ができるだけ良い教育を「受けさせ」たいと思うことができれば、“子”は少しでも良い教育を「受け」よく吸収し、教育格差は僅かでも是正に向かうのではないのでしょうか。
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