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GenConの紹介

GenConはアメリカ・インディアナポリスで行われる米州最大、世界的に見てもSPIEL Essenに匹敵するアナログゲームの祭典です。Gen Con 2023 の参加者数は重複なしで約7万人。ちなみに会期は4日間です。参考までにSPIEL Essen 2023のの参加者数はのべ人数で19.3万人(こちらは重複あり)。イベントの性格が違いから単純比較はできませんが、規模感でSPIELと大きな差はないイベントだと分かります。

昨年の Gen Con 2023 に参加をしてきた体験記を兼ねつつ、Gen Con の紹介をしていきたいと思います。

ホール全体図

インディアナポリスについて

日本でかろうじて知名度があるのはインディ500の舞台としてでしょうか。基本的には中西部の田舎都市で、一般的な観光目的で面白いものがある場所ではありません。昨年訪問時の入国審査では、インディアナポリスに行くと審査官に告げたところ「インディアナポリス?何しに行くの?」と聞かれました。市街地の中心部にビッグサイト3個分くらいの超巨大コンベンションセンターがある、という事実の一点だけでも他に何もないんだなということが察せると思います。

何もない街だということは、しかし一方でGenConの会期中は街全体がGenCon一色になるということでもあります。地方都市一つを貸し切り状態で開催されるアナログゲームの祭典、それがGenConというイベントです。

GenConの会場について

GenConの会場は、主要部だけでも以下のようになっています。

  • 本会場:コンベンションセンター

  • コンベンションセンター連結ホテル群

    • Marriott

    • Hyatt Rgency

  • Lucas Oil Stadium (アイスホッケードーム)

本会場単体でビッグサイトの東西館を合わせたくらいの敷地面積(2F部分があるため延べ床面積はさらに大きくなる)があるのですが、それに加えて隣接する高級ホテルやスタジアムが地下道や空中回廊で一体化しています。一度も外の空気を吸うことなくホテル~会場間を往復できるわけです。

コンベンションセンターとホテルが合わさりコンプレックス化している様子は、ぜひGoogle Mapsなどで確認して欲しいです。Google Mapsの衛星写真モードで見るとコンベンションセンターとホテルをつなぐ連絡橋が見えますし、PCの3Dモードにも対応しているのでコンベンションセンターとホテルの関係を立体感を持って把握できます。
https://maps.app.goo.gl/LXWs5peD3bwBCbwC8

メインホール

ハコ自体は一般的な即売会会場のものです。とは言えこれ単体でもビッグサイト全館くらいの規模感があり大きい。Gen Con 独特な点として、広大なプレイスペース併設のホールが全体の半分くらいを占めていること。ビッグサイトで例えるなら、東館は展示販売スペースになっていて、西館全体がプレイスペースになっている感じ。

そんな巨大なプレイスペースで何をするかと言えば、これまた巨大なリッチコンポーネントで机を何脚も専有するような豪華コンポーネントゲームが遊ばれていました。全てがアメリカンサイズです。

展示販売会場の方は一般的な即売会と同様でしたが、ブースの構成はやや Gen Con カラーが出てはいました。ダイス、D&D系コスプレ用具、筆記用具などのRPG成分が多かったのはD&Dコンベンションから育ってきた Gen Con らしいところかなと思います。またウォーゲームの多さもアメリカらしさというか、SPIELでは控えめにされていた成分が大々的に展開されていました。

狭義のボードゲームに関しては、SPIELの6割くらいの規模感という感じ。十分に大きいしSPIELより先にGenConで発売されるタイトルもあったりはしますが、ボードゲームに限るとやはりSPIELが世界最大の祭典ということになりそうです。

超巨大プレイスペース兼用展示ホール

廊下・会議室部分

アメリカらしくゆとりのある建物構成なので、廊下の一部も中小サークル向けの出展スペースとして利用されています。大学のサークルでの出展もあり、コミュニティベースであることを感じさせます。

会議室(と言っても数百人入れる大部屋も多い)は各種イベントに供用されていました。Gen Con ではユーザー企画のイベントが山盛りで、会期中合計1万件以上が登録されています。イベント参加はGen Con 入場料とは別に有償のものが大半で、TRPGのコンベンションなどを会期中にやったり、ボードゲームの大会があったりするようです。

イベントに関しては、事前にオンラインで調べていた時に「こんなに数があるってどういうこと??」となりノープランで参加したため、この年はあまり見て回ることはできませんでした。

会議場の中で珍しいものとして、中古販売&オークション会場をやっているところがありました。私はこれを勝手にヨークシンと呼んでいます。中古販売コーナーではガラクタからちょっとした希少アイテムまで売られており、「Thu: $20, Fri: $15, Sat-Sun: $10」という感じでダッチオークション形式になっています。ここでテラフォーミング・マーズの限定立体コンポーネントを一日目に発見、ちょっと気になったものの様子を見ていたら2日目に無くなっていて「なるほどな~」となったりしました。またオークションも同じ部屋というかホール内で行われているので、隣でオークションが盛り上がっている中でガラクタ漁りをする楽しみもあります。

スタジアム

あくまでサブ会場なためか、ゆったりとした使われ方をしていました。ボードゲームのレンタル&プレイスペースがあったり、Diplomacyのチャンピオンシップをやっていたり。会場の広さの割には人は少なく、休憩して一息入れるのにちょうどいいくらいでした。

日本だとスタジアム一個借り上げるからには使用率100%を目指しそうなものですが、USAなためか贅沢な使い方をしているという印象です。

スタジアム会場風景

ホテル

併設の高級ホテルも会場の一部ということで、フロントなどに隣接している会議室などが会場内のものと同様イベントに供用されていました。そのため見るからにオタク!という人たちが高級ホテルを占拠している絵面が見れます。

雰囲気

Gen Con はRPGをやるコミュニティベースで発展してきた経緯があり、今もって運営体制にそれが色濃く出ているようです。日本で言えばコミケ準備会を想像しておけば、当たらずとも遠からずなんだろうなと思っています。Gen Con の歴史を調べると、20年ほど前にインディアナポリスに落ち着くまではあちこちを移動しては追い出されを繰り返しており、これもコミケを彷彿とさせます。

イベントの出自のせいか、Gen Con はかなりオタクっぽい雰囲気が強いです。日本系ポップカルチャーの浸透度合いも高く、オタクカルチャーの親和性を感じられます。

カップリングを始めるのはオタクの常

そして GenCon 2024

なぜ今ごろこんな記事を投稿しているかというと、2024年の Gen Con は8/1-8/4の4日間、つまりもうすぐ始まります。そして私は今年も参加してきます!二度目の参加ということで、昨年の参加体験を踏まえたレポートのお届けも予定しています。乞うご期待!


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