企画のお知らせ。
「場末(ばすえ)」
どうも、こんにちばんわ。
突然だが、
あなたは「場末(ばすえ)」という言葉からどんな連想をするだろうか。
いきなりで申し訳ないが、
ちょっと頭をひねってみてほしい。
僕はね。
場末という言葉がすごく好きで、
いつもこんなことを思い浮かべるんだ。
……人の行き交う煌びやかな飲み屋街。
誰ひとりとして見向きもしない脇道へ。
何かに誘われるように、つま先を向ける。
薄暗い路地裏。
通り沿いの中華料理屋の換気扇から漂う、
ぬるくて油っこいにおい。
細い路地をずんずん進み、
ふたつ曲がってたどり着くのは、
苔むした雑居ビルにはさまれた小さなあの店だ。
チカチカと切れかかった灯り。
虫がこびりついた、
黄ばんだプラスチックカバー。
古臭い店の名前が印刷された電飾看板。
バブルの気配をまとった重厚な扉を開けて、
店の中に足を踏み入れる。
ガランガラン。
誰もいない。安っぽい香水みたいな香りがする。
「すいませーん」
「すいまっせーん!!」
「……いらっしゃい。お飲み物は?」
競馬新聞を片手に、
奥から気だるそうに出てきた店のヌシ。
小腹が空いたのでナポリタンを頼む。
こういう店は、意外にも飯が美味い。
そんな幻想をぶち破る、取りたてて感想のないナポリタン。
スナックか、定食屋かさえも定かじゃない謎のコンセプト。
奥の居住スペースから聞こえる、野球中継。
もちろん他に客はおらず、
店の奥のテーブル席は椅子が上がっている。
ぱっと見、どう考えても余裕のある経営じゃない。
なのに、異常なほど頑張っていない店のヌシ。
世間はインスタ映えだのなんだのと、
極彩色の食物にキャッキャしているのに。
ネットで調べれば、
一流シェフの料理の秘訣だっていくらでも出てくるのに。
……こいつは何も頑張ってない。
こらこら、
客の前で競馬新聞を読むな!
……こんな、ほんの1ミリの共感すら湧かないイカれポンチ。
こんな奴が当たり前に存在するのが、
僕にとっての「場末」のイメージ。
ここまでの話は僕の想像だけれど、
大体の飲み屋街のはずれに、
似たような店は必ずと言っていいほど存在している。
意外かもしれないが、
僕はこんなイカれポンチが大好きなんだ。
ということで。
そんなお店を開こうと思ってね。
僕が何を言いたいかはわからなくていいんだ。
ただ僕はこのnoteで、
Kindle作家さんとか、
デザイナーさんとか、
音楽をやってる人とか、
面白そうな人の話を聞いて、記事を書く。
作品を読んで、紹介したいと思ったら記事を書く。
そういう企画をこっそり始めるだけ。
それだけなんだ。
面白そうだな、と思ったら。
是非とも遊びに来ていただければ幸いだ。
お酒と、音楽。
そしてクリエイティブ。
もしかしたら、動画を作るかもね。
例のイカれポンチみたいに、ゆるーくね。
やっていきたい。
もしかしたらあなたへ、
「記事を書いてもいいですか?」
なんて、連絡をするかもしれませんよ。
よろしくおなしゃす。
TACK
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