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【2022年最新版】KindleUnlimitedで読者に1ページ読まれるあたりのページ単価はいくら?『5年間の単価変動グラフ・ロイヤリティの計算法・KDPで誤解しがちな基本用語(KENPなど)の解説付き』

◆このコラムの概要

【この記事の内容】
・kindle unlimitedで1ページ既読されるあたりの著者に入る金額とは?
・KUのページ単価の推移表&グラフのご紹介(2016年8月~2021年12月分)
・電子書籍出版に関する基本用語の解説(イメージ図つき)
・KENPロイヤリティの計算方法の紹介(誰でも簡単に計算できます)

【こんな方におすすめです】
①unlimitedで1ページ読まれたあたりの最新のページ単価収益を知りたい!
②Amazonから電子書籍を出版しunlimited登録したけど、どうやって分配金が計算されているのかよく分からない!
③「KENP」だ「KOL」だ「ロイヤリティ」だ「グローバル基金」だの単語が整理できてない!
③KDPの収益に関するルールを理解して、効率的&確実にkindle出版でお金を稼ぎたい!

上記の内容を、kindle電子書籍を4冊出版した著者がまとめました。


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1.KENPのロイヤリティ単価/ページはいくら?

Amazonから電子書籍を出してそれがKindle Unlimited(読み放題)で読者に読まれると、1ページ読まれるごとに一体いくらが著者の手元に入るのでしょうか?

このロイヤリティ単価は毎月変動するにも関わらず、意外としっかり把握していない方も多いようなんですよね。

まず結論から言うと、Kindle Unlimitedを通して読まれたページ数の1ページ当たりの著者に入る利益は約0.5円です。

つまり、Kindle Unlimitedに登録している読者Aさんが書籍を1ページ読んでくれたらその書籍の著者は0.5円ゲットできるということです。

単純計算なので、このAさんが10ページ読んでくれたら0.5円×10ページ=5円ですね。

したがって、もしAさんが100ページの書籍を最後まで読破してくれたとすると、0.5円×100ページ=50円が著者の収益として入ります。

逆に、途中の50ページで読むのをやめてしまったとしたら、0.5円×50ページ=25円に減ってしまいます。

もしくは、たとえば100ページの書籍を読破してくれる読者が100人いれば、0.5円×100ページ(50円)×100人=5,000円の収益となるわけですね。


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しかし、ここで一つ注意点が…。

それは、冒頭でも触れたように、この「1ページ既読されるごとの単価」は変動するということです。

もちろん実情としては、その数値はここ数年間はほぼ0.5円前後で落ち着いているものの、今後いくらになるのかは誰にもわかりません。

言うまでもなく、もしこの単価が落ちれば、当然ながら収益は減りますよね(実際に後でグラフでお見せしますが、この2020~2021年の2年間は若干ですが右肩下がりに落ちています…)。

なので、つまるところ『知らないうちに何故か電子書籍による収益がどんどん減っていた(泣)』という話もあり得えるよね、ということです。

そして、もしそうなったときに自分でページ単価を計算できないと、Unlimited経由での収益が落ちても、なぜ減益したのか解明できず対策がうてないなんて事になるかもしれません(ちなみに、Amazonはこの単価をイチイチ教えてくれなませんし、ネット上にも正しい情報があるとは限らないので)。

したがって、僕個人的としては、電子書籍の著者は自分でこの単価を計算できておいた方がいいのではないかな~と思っています。

また、その前提である基礎知識として、「KENP」「KUO」「ロイヤリティ」「グローバル基金」といった、そもそもの基本用語の意味をしっかり理解しておく必要もあります。

ということで、この後は「読者にUnlimited経由で書籍が読まれた際の1ページあたりの単価の計算方法」と「実際のここまでの単価推移」、またそれと併せてしっかりと整理しておきたい「kindle出版に関する基本用語の解説」をサクッとまとめました。

このタイミングで基本用語を整理しつつkindleUnlimitedの収益ルールを正しく理解することで、電子書籍出版がもっと楽しくなり、理想の収入額に向けてスッキリした気持ちで進めますよ!


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2.KindleUnlimitedに関する基本的ワードの解説

まずは、言葉の正しい意味を誤解してしまっている方も結構多い、kindleでの電子書籍出版において必ず理解しておくべき基本ワードを整理しましょう。

かくいう僕自身も、はじめてkindleで出版した直後は、「KENP」だ「KOL」だ「KU」だ「ロイヤリティ」だ「グローバル基金」だ、実はちゃんと理解できていない&正しい意味を把握してない単語が多すぎて、頭がこんがらがっていました(笑)

そんな、kindle特有のややこしい基本単語を、サラっとおさらいしましょう。


0.「KDP」とは?

まず大前提としての確認ですが、「KDP」とは、Kindle Direct Publishing(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)のことで、AmazonのKindleストアで電子書籍を出版し販売するためのサービスのことですね。

KDPに登録し電子書籍を出版した方は下記のような電子書籍の管理ページにログインしたことがあると思いますが、電子書籍を出版した側の人間である僕にとっては「KDP」=「この管理ページ」みたいなイメージがあります。

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1.「KENP」「KU」「KOL」とは?

続いて、電子書籍の著者に向けたAmazonからのアルファベット頭文字攻撃の最前線にいる「KENP」「KU」「KOL」の三つをおさらいしましょう。

電子書籍を出版された方は、KDP管理画面の「レポート」ページで下記のようなグラフを見たことがあると思います。


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ここでも説明されていますが、「KENP」とは、「Kindle Edition Normalized Pages」の頭文字を取ったもので、KU および KOL を通じて読まれたページ数のことです。

なお、KUとは、「Kindle Unlimited」の略で、読み放題サービスを通して読者が読んだページ数のことになります。

また、KOLとは、「Kindle オーナーライブラリー」のことで、これは特定の条件に当てはまるAmazonユーザーが電子書籍を月に1冊無料で読めるサービスのことです。

要は、「KENP」=「KU」+「KOL」ということですね。

なので、たとえば「KENP」が10ページだとすると、それはイコール「KUとKOLを通して合計で10ページが読者に読まれたよ」ということです。


しかし、実を言うと、「KOL」で電子書籍が読まれることはほぼないんですよね。

したがって、僕自身は「KENP」=「KU」と捉えています。

要するに、「KENP」=「Kindle Unlimitedで読まれたページ数」と考えて問題ないということです。

なので、「10KENP」=「Kindle Unlimitedで10ページ読まれたよ」ということになりますね。


ちなみに、先ほどのグラフでも出てくる「既読KENP」とは、ほぼイコール「KENP」と捉えて大丈夫です。

つまり、グラフ上で「既読KENP:10」という表示がされるとすると、それはすなわち「Unlimitedで10ページ読まれたよ」であり、「既読KENP:10」=「10KENP」=「Unlimitedで10ページ読まれたよ」と考えて問題ないということです。


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また、これは意外と知られていないかもしれませんが、Unlimitedの読者は同じ電子書籍を何回でも読むことができますが、読者が初めて読んだページ数のみがKENPにカウントされます

つまり、たとえば一人の読者がAという書籍の100ページ目を二回読んでも、一回目のみ既読と捉えられ、二回目は収益になりません。

なお、読者は数日~数か月など長期にわたって一冊の本を読むこともあるので、たとえばUnlimitedで書籍をダウンロードしたその日に50ページまで読んでそれから一か月後に読書を再開することもありますが、その場合は未読のページが読まれることではじめて未読ページが既読KENPとしてカウントされ収益が発生します。

要するに、同じページを繰り返し何度読まれても1ページ分以上の収益にはならず逆に期間があいたとしても読まれていないページを読んでもらうことでUnlimited経由の収益に繋がるということですね。


2.「ロイヤリティ」とは?

次に、KDP管理ページの「レポート」でもよく目にする「ロイヤリティ」という単語ですが、これは「収益」のことです。

あるいは、「収益」という言葉ではなく「利益」でも「収入額」でも「売り上げ」でもいいのかもしれませんが、要するにいわゆる「印税」ですね。

つまり、「ロイヤリティ」=「収益」=「印税」と考えていただければと思います。

したがって、おさらいになりますが、下図のKDPレポートページで言えば、
・「獲得したロイヤリティ」=「あなたの収入になる印税」
・「電子書籍のロイヤリティ」=電子書籍を購入されたことによる印税額
・「KENPロイヤリティ」=Unlimited経由で読まれたことによる印税額
・「ロイヤリティ合計」=印税額の合計
という意味です。


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そして、通貨の単位はJPY(日本円)なので、上の図で言えば、「電子書籍のロイヤリティ」の「42,311.00」とは、「この電子書籍を購入されたことによる印税額が42,311円ですよ」ということになりますね。


なお、KDPのヘルプページにも記載がありますが、Unlimitedを使っている1人の読者に対して1冊の書籍からもらえるロイヤリティは最大で3,000ページまでです。

つまり、仮に1ページ単価が0.5円だとすると、0.5円×3,000ページ=1,500円が1人の読者経由でMAXで得られる収益だということになります。

言い換えれば、3,000ページ以上書いても、3,001ページ目からは読まれたとしても収益になりません。

たしかに、このような上限を設けないといくらでも不正にUnlimited経由の収益を増やすことができちゃいますからね。

とはいえ、まっとうな理由で書籍を書いているのであれば、1冊の書籍で3,000ページなんて絶対にいかないとは思いますが(笑)


3.「グローバル基金」とは?

Amazonで電子書籍を出版すると(KDPセレクトに登録すると)、下記のようなメールが毎月送られてきますよね。


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最初に送られてきたときに、『なんじゃこりゃ?』と思った方も多いはず。

グローバル基金とは何かを一言で言えば、「世界中のUnlimited経由で得た収益の合計」のことです。

言い換えれば、アメリカ・イギリスなど日本以外のUnlimitedサービスを展開しているあらゆる国々の合計収益額とも言えると思います。

なので、「基金」というと募金のようなイメージを抱きがちですが、あくまで収益です(ややこしい名前つけないでほしいですね…笑)。

そして、Amazonはこのグローバル基金をもとに各国に分配するロイヤリティを決めており、Unlimitedで読まれる1ページ当たりの単価もこのグローバル基金と連動しています

なお、先ほどの引用先と同じヘルプページに記載されている通り、グローバル基金の金額は毎月見直しを行っているとのことですが、分配金の計算の仕方やその内訳は明示されてはいません。

したがって、グローバル基金の金額が上がったからといって、1ページ当たりの単価が上がるという単純な話ではないようです。(実際、のちほど紹介するグローバル基金の推移グラフとページ単価のグラフを見ると一目瞭然です)

ということで、kindle著者に意外とスルーされがちなグローバル基金ですが、このようにUnlimitedページ単価と深い関りがある重要なワードなのです。

だからこそ、Amazonも毎月メールで報告してきてくれているのですね。


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3.グローバル基金の推移

Unlimited経由での収益を上げたい人にとっては、毎月しっかりと確認しておきたいグローバル基金の金額ですが、その推移を日本でUnlimitedサービス開始された2016年8月から2021年12月分までを表にまとめ、それをグラフ化してみました。

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2016年8月開始当初は16億1,797万円でしたが、2017年1月にはじめて20億円を超え、2020年1月には30億円、2021年6月には40億円を突破しました。

ご覧いただいて分かるように、小さい上下を繰り返しながらも全体としては右肩上がりになっており、Unlimitedの利用者は順調に増えているといった感じでしょうか。


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4.Unlimitedでの既読による1ページ当たりのロイヤリティ単価の推移


次に、読者にUnlimited経由で書籍が読まれた際の、1ページ当たりのロイヤリティ単価の変動推移を、同様の期間でまとめてみました。

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表とグラフが示すように、数値はたしかに0.5円前後で落ち着ているものの、全体としてはやや右肩下がりとなっており、2020年4月には0.5円を下回っていて、なおかつそれ以降の2021年10月までの19か月間は0.4円台と低い水準でキープされていました

また、2021年11~12月の直近2ヶ月に来てようやく0.5円台に上方修正されましたが、2017~2019年に比べると低くなっているのもポイントだと思います。

つまり、「Unlimitedで1ページ既読」=「1KENP」の単価は、2018年11月の0.625円以降はおおむね減少傾向にあり、2021年12月現時点では平均値の0.5円台に戻りつつあるもの、今後どのような変動がなされるのかは、何とも言えない…ということです。

また下がるかもしれないし、このまま上がっていってくれるかもしれません。

とは言え、もっともこの変動は微々たる数値内の話なので、この変化によってUnlimited経由での大きく収益が減ることはないですが、今後この数値がどのように変わっていくのかはしっかりチェックしていきたい気もします。

だからこそ、このような実情を考えると、Unlimitedで収益化をしている書籍の著者は自分自身でロイヤリティ単価を計算できたほうがいいのではないでしょうか


ということで、この記事の最後に、kindle著者は知っておいて損はない「Unlimitedでの既読1ページ当たりのロイヤリティ単価の計算方法」をご紹介したいと思います。

と言っても、小学生で習う算数レベルのすごく簡単な内容なので、ご安心くださいね。

なお、グローバル基金とロイヤリティ単価の推移の数値がExcelデータで欲しい方は下記よりダウンロードしていただければと思います。

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5.Unlimited経由で既読された際の1ページ当たりのロイヤリティ単価の計算法


ロイヤリティ単価の計算法は単純で、下記のとおりです。

「ロイヤリティ単価(円)」=
「KENP ロイヤリティ(円)」÷「既読KENP数(ページ)」

この数式に、著者の方はご自身の一か月分の「KENPロイヤリティ」と「既読KENP数」を当てはめれば、該当月のロイヤリティ単価を出すことができます。

なお、月別の「KENP ロイヤリティ」と「既読KENP数」ともに自身のKDP管理ページで調べられます。

それぞれの数値を具体的にKDP管理ページのどこの値から引っ張ってくればいいのかも、実際の管理ページの画像とともに触れておきますね。


ひとつ目のKENP ロイヤリティは、「月別のロイヤリティ」タブの「KENP」の値です。

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ふたつ目の既読KENP数は、「履歴」タブの「既読 KENP (Kindle Edition Normalized Pages) 」で調べるのが一番てっとり早いかと思います。

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それぞれの画像の水色部分の2つの数値を、先ほどの公式に下記のようにあてはめれば、

「ロイヤリティ単価(円)」=
「KENP ロイヤリティ(1つ目の水色)」÷「既読KENP数(2つ目の水色)」

というかたちで、簡単に知りたい月のロイヤリティ単価が分かっちゃいます。


では最後に、参考までに実際の例で計算してみましょう。

2021年2月のKENPロイヤリティが10,000円だったとします。

そして、その月の既読 KENPは20,701ページです。

これを先程の数式に当てはめると、

10,000円÷20,701=0.483円となり、先ほどの表と同じ数値になりますね。

kindle著者の方で2021年2月にUnlimited経由で1円でも売り上げがある方は、自分の数字をあてはめればきっとこれと同じ数字(0.483円)になるハズです。


【おわりに】

さて、ここまでお読みくださりありがとうございました。

電子書籍の出版は、人によっては何かと自分だけで問題を抱え込みやすく誰にも相談できずに悩ましい気持ちになることも多いと思いますが、この記事がそんな方々の参考になれば幸いです。

だからこそ、kindle著者はみんなで協力して可能な範囲で情報をシェアしあうことで、お互いに質の良い書籍の出版をし続けていきたいものですね!

Unlimited経由で電子書籍をリリースしている方は、せっかくなので是非この機会にご自身の数値を当てはめて練習してみると、どうやれば今よりもっと効率よく確実に収益化ができるのかのヒントが見えてくるかもしれませんよ!


ここで最後に2つお言伝を。

本記事とは直接は関係ありませんが、金額に関係なくKindle出版で収入を得ている方は、下記書籍をお読みいただくとこの記事とはまた別の視点でより望ましい電子書籍への取り組み方が見つけられると思いますので、よろしければお手に取ってみてくださいね。

「こんな電子書籍があるんだ~」という、ご参考にもなるかと思います。



また、この記事に「スキ」をしてくれると僕が嬉しいのはもちろん、この記事が一人でも多くの孤独なkindle作家に届くことになるので、ちょっとでもこの記事から得るものがあった方はボタンをポチっとしていただけるとスゴク嬉しいです。

ではでは、最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。


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