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聞き上手になりたい

話を上手に聴く。

単にふんふん聞くのではなく、相手の話す内容の本質を理解し、共感し、質問し、心にあるものを引き出し、それを使ってお互いの絆を強くしていく。

これが、理想的な会話なのだと思う。
でも、これが難しい。

自分が話すのは得意だ。
苦手だという人もたくさんいるけど、自分は問題なくできる。
ライターを初めて早8年目だし、言葉の選び方や話す順序も洗練されてきている。

「これを話そう」と思った瞬間から、頭の中で導入文・見出し・まとめがほぼ一瞬で構成されて、話し始めてから2,3歩先の文章が構築されていく。
後は、声のトーンや表情などを添えて、相手が魅力的に感じるよう演じながら話していけば、相手を笑顔にできる自信がある。

だが、正しく話を聞いて、相手を笑顔にするのは、自分が話すよりいくらか高レベルのミッションだ。
相手の言葉を聞くまで、話し全体の構成を組み立てる材料がそろわないし、結局相手が何を言いたいのかも読み取りにくい。

「あなたはどんな人ですか?」
結局のところ、相手の話を聞くとはこういうことだ。
何を観て聴いて、どう感じ、何を考えているのか。
これをいかにたくさん引き出すかで、会話の質が決まる。

引き出すためには、共感や質問が欠かせない。
つまり、「あなたのことを知りたい」という気持ちがポイントだ。
「話していて楽しいと感じてもらおう」が優先されてもいけないし、ましてや「自分の魅力を伝えたい」と考えていると、聞き上手にはなれない。

加えて、踏み込んではいけない、あるいは、まだ踏み込むべきではないテリトリーも相手にはあるので、その見極めも必須だ。
これは、相手から出てきた言葉から、踏み込んでもよいテリトリーを把握するしかない。把握力を磨くには、ある程度苦い人生経験が必要かもしれない。

やはり大切なのは「感性」なのだろう。
アウトプットのセンスではなく、インプットの質を高めるといったところ。
本を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いて、自分の吸収率を向上させる。

そうすれば、人の話を聞くときも、同じ言葉を聴いたとしても、今まで気付かなかった隠れた要素にも気づけるようになり、聞き方の幅が広がるはず。

言葉の選択肢も広がり、適切な言葉を返せるようになる。
聞く姿勢にもゆとりができ、相手が安心して話せる雰囲気を作っていける。

「不思議だけど、この人には何でも話したくなる」
そんな人を目指したい。

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