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ジャンク品を撮影したバズり画像から推理してみた

マルヒゲヤさん(@maruhigeya61)が投稿されたツイートが軽くバズっていて、いいねから目に留まった。画像は、いにしえのPS1。しかも、カップルらしきサインと落書きが残されている55円の品。いろいろと想像が捗るので、noteにまとめてみた(長くなるので)

画像から読み取れる確かな情報は2つ

「悲しきジャンク品」と添えてツイートされているこの画像。単純に見れば、昔付き合っていた2人の「遺品」といったところだろう。おそらくもうこの2人は付き合っていないだろうと予想されるので、「悲しき」という感想も出る。

ただ、この2人がどういうカップルだったのか。なぜこのハデな落書きが描かれ、なぜジャンク品として売られているのか。その経緯や当時の様子を想像するとワクワクする。

さて、この画像から読み取れる「確かな」情報は以下のふたつ

・付き合っていたであろうふたりの名前
・これを書いた日付(H9.6.16)

PS1が発売されたのは1994年12月3日(平成6年)だから、PS1の発売から2年半後(1997年)に書かれたということ。ソフトも充実してきて、まさにPS1全盛期といってもいいのではないだろうか。

一見ラブラブが過ぎてこんな落書きをしたとも見えるが、ふたりが楽しく一緒にゲームをしていたのは断定できない。また、この落書き(おそらく彼女が書いた)が、彼氏に同意のものだったかも不明。

PS2の発売は2000年3月4日で、このサインの4年後。決して安くないゲーム機に、これだけハデに落書きをされてOKな彼氏は心がかなり広い。

もちろん、彼の所有物だったという仮定だが、彼女の所有物だったの可能性もあるし、この「なおと」が架空の存在である可能性も捨てきれないが、それだと面白くないので除外しよう。

文字や落書きから世代を予想してみる

さて、数字や名前といった確かな情報は上記のふたつのみだが、この画像にはまだまだ手がかりがありそうだ。

一番気になるのは、この2人がおいくつだったのか?ということ。パッとみた印象では、お花の落書きや脈絡のないキティちゃんのシールからして、小学生高学年くらいの印象を受けるが、あくまで「印象」である。

平成9年(1997年)で小学5年生だとすれば、昭和61年(1986年)生まれ。筆者と同い年である。私はプレステより任天堂派で、プレステは親友の家にあったのを覚えている。

だからこそ、なんとなくこの落書きに「同世代感」を感じるのかもしれない。

全体的に、サササっと書いたもので、丁寧さは感じられないし、ハートマークも歪んでいるし、そもそもゲームにマジック(白い部分は修正液?)で落書きをするという発想自体、「自分で働いて物を買うありがたみ」が分かっていない感もプンプンする。

お年玉で買った思春期の子どもが浮かぶ理由

プレイステーション発売当時の価格は39,800円。最も、1996年6月22日には19800円まで値下がりしているため、そこまで高い買い物ではなかったかもしれないが、今、自分が買った2万円近いものに落書きされたなら、たいていの人は怒るだろう。やはり、この持ち主は心が広い。(これが原因で別れた可能性もあるが)

ただ、19800円なら、お年玉でソフトと一緒に買うならかなりジャストな金額な気がする。もちろん、お年玉は人によって貧富の格差が如実に表れてしまうのが辛いところだが、たいてい総額2~5万円くらいが妥当ではないだろうか。

私もおじいちゃん・おばあちゃんから1万円、叔父や叔母から5000円などで、だいたい4万円前後がアベレージだった。

1996年6月22日に値下がりしたプレイステーション(19800円)を、1997年のお正月にもらったお年玉4万円前後でソフトと一緒に買った小学校高学年~中学生くらいなら、なにかしっくりいく気がする。

おマセ度にもよるが、「付き合う」だの「カップル」だのと浮足立つのも小学校高学年~中学生くらい。それほど恋愛経験もないので、盛り上がった彼女ちゃんが、彼氏くんの持っていたプレイステーションに落書きしてしまったのなら、「まぁあるかな」と思える。

相合傘や文字から読み取れる彼女の心境

少し数字的な情報からはそれてしまうが、じっくりひとつひとつの落書きを見ると、彼女がどんなつもりでこの落書きを描いたのかも見えてくる。

まず、描いた順番だ。落書きの「雑度」から見て、周りの花は最後だろう。相合傘を最初に真ん中に描いて、LOVELOVEを描いて、日付を丁寧に書いて、花で飾った。というのが自然ではないだろうか。

LOVE LOVEの文字はかなり適当に描いているようにも見えるが、これは単純に「英語を書きなれていない」と、筆者は感じ取る。特に、「e」の歪み具合と、なぜ大文字の「E」ではないかという点など。(この辺の慣れてない感も小学生っぽい気がするのだ)

ジャンク品シールで正確にはわからないが、相合傘は正しく描けているようには見える。相合傘は三角の部分に縦棒を通してはNG。今の世代が相合傘を描くのはわからないのだが、少なくとも筆者が小学生の頃はそれなりに見た記憶がある。

日付から考えられる可能性

まず、なんといっても目に留まるのは、「日付」である。「H9.6.16」とは何の日付なのか。記念日的な理由なら、単純に「付き合った日」を想像するが……。日付はゲーム機に描かれている。

付き合った日にいきなり彼氏のプレステにこんな落書きをするのだとしたら、彼女の図太さは横綱級だし、それを許すNEW彼氏の心も太平洋のように広い。

ただ、ここで一つの可能性も浮かび上がる。この日付が、「書いたその日ではない」という可能性だ。これを書いたのが6月16日ではなく、もう少し後に「付き合い始めた日付(6月16日)」を書いた可能性もある。

それならば、何でも許してくれる優しい彼氏だと信頼しきって、プレステに落書きした辻褄は通るだろう。真実は確かめようがないものの、付き合ったその日に彼氏の私物に落書きするよりは”アリ”だと思う。

落書きの中でも、この日付(♡H9・6・16♡)だけはやたら丁寧に描かれているので、彼女の中ではこの日付がメインだったのだろう。そう考えると、描いたその日の日付よりも、「付き合った日♡」のほうがしっくりくる。

ちなみに、キティちゃんの下は皆ご存じプレステのマークだ。四隅やリセットボタンに貼られているダイヤやハート、お花のシールも、もしかするとサンリオ系のシールなのかもしれない。

名前の世代別から予想できる年齢

子どもにつける名前には、毎年ランキングがある。芸能人の影響か、インスピレーションなのか、そのへんの専門家ではないのでわからないが、この「なおと」「かおり」について少し調べてみた。

「なおと」という名前がランキングにあまり乗ることはないが、「なおき」なら、昭和50(1975年)~昭和62年(1987年)まで、12年間は必ずTOP10にある。筆者の予想する1986年生まれ前後の「なおと」という男性(男の子)は決して少なくないはずだ。

一方の「かおり」も昭和50(1975年)からTOP10入りし、昭和63年(1988年)まで、10位以内だが、それ以降はあまり登場しない。(ちなみに1979年を境に、「○子」という女の子名前がほとんど見なくなる。)

名前の流行りから考えれば、あの落書きが1997年のものだったと仮定し、1975年生まれ~1987年生まれ=22歳~10歳のカップルのものだという予想は妥当だと思われる。

ただ、ハートマークの描き方は、その流行りが世代によって違い、画像を見る限り、1975年生まれよりも少し後な気はする。(1970年代生まれのハートマークは、輪郭が丸く、右下にチョンチョンが付く)ハートマークの描き方を見ると、どちらかというと80年代生まれという気がする。

まとめ

長くなってしまったが、まとめると、筆者の予想はこうだ。

・当時小学校高学年~中学生(12歳~15歳)くらいのカップル

・お年玉で値下がりしたプレステを買った

・恋愛経験が少なく、ラブラブ感に浮かれた彼女がプレステに付き合った日付を書いた

・今はおそらく30代後半~40代前半のアラフォーになっている

と、こんな感じ。

久々に心を惹かれる一品を目にしたので興奮してしまった。さてはて、「なおと」さんと「かおり」さんは元気なのだろうか。元気でいて、素敵な恋や結婚をしていてほしいものだ。

そして、彼(プレステ)は、どのような経緯でジャンク品として売り場に並んだのか。人にも物にも歴史がある。

そういえば、筆者が初めて「彼女」として付き合った子は「かおる」と言う名前だった。当時小学3年生。彼女は元気にしているのか……、と思い出したりもした。

なぜかこの一品は、世代的に縁遠い気がしないのだ(笑)

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