自分にたまっている何かがあると気づき、何だか苦しいです(ご相談への回答)
こんにちは!
心理カウンセラー/ボタニカルジュエリー作家の橘奈緒美です。
辛い感情を感じないために、ずっと心を閉じて来たのに、何かのきっかけで溢れてしまいそうなとき。
辛い感情を安全に出していくためには、これまで必要があって身につけて来た
「私は平気、大丈夫です」
という仮面を一つずつ取っていく作業が必要かもしれません。
今回は【ココロノマルシェ】に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。
今回のご相談はこちら。
もぐさんは、ご自身で感情を抑えているのを自覚されているんですね。
>感情が平らであるのが自分で分かっていて、いけないなと、思っています
自分が感情を抑えていることに気づいているのは、とても大きなことです。
もぐさんは、小さな頃から家族のことを守るために必死で感情を抑えこみました。
そして結婚後も、感情を平らにしなければいけないほどの強い苦しみや辛さを抱えたまま本当に頑張ってこられたんだな、と思いました。
「いけない」と思うようなことではないので、安心してくださいね。
家族三人分の辛い感情をもぐさんが一人で受け止めて、どうにか守ろうとしていたわけですから、自分のことはずっと後回しにして来たのではないでしょうか?
こんがらがっている原因のヒントが知りたいとのことですが、もぐさんはもう感情を抑え込むことができる限界を迎えたからご相談頂いたんだと思います。
でも今も感情を感じるのって、多分怖いですよね。
今まで悲しい思いをたくさんしてきたし、感情が感じられるようになったら、その悲しみをまた追体験してしまうかもしれない。
もし喜びや幸せを大きく感じてしまったら、次に辛いことがあったとき、耐えられないくらい落ち込んだり傷ついてしまうかもしれない。
過去のあんな苦しみをもう一度味わうくらいなら、喜びも悲しみも感じないほうがマシなんじゃないか?
心を閉じて生きていく方が楽なんじゃないか?
という思いもあるのではないでしょうか。
私がご相談文を読んで感じたのは、すべての感情を抑えている「怒り」。
そしてその下にある「愛してほしかった」「味方でいてほしかった」「苦しいときは助けてほしかった」という悲しみや寂しさです。
そしてその他にもたくさんの辛い感情がたまりすぎて、大きすぎて、「もうここに閉じ込めないで!」という心の深い場所からの声にもぐさんが気づき始めているということです。
今回、お父様の余命宣告と職場での大きなミスということが続いて、一生懸命に抑えて来た「苦しさ」「寂しさ」といった感情が限界まできてしまった。
それがきっかけとなって、感情のダムがもう決壊寸前になっているのではないでしょうか。
そしてもぐさんが自覚されているのはお仕事でのミスについての後悔と罪悪感とのことですが、おそらくお父様に対しても罪悪感を感じられているのではないかと思いました。
どこかに「お父さんが愛してくれなかったから私も愛さなかった」「愛さないうちに病気になってしまった」という思いがあるように感じました。
たくさん可愛がってもらったという気持ちがあるからこそ余計に、その罪悪感を感じてしまっているように思います。
もし違っていたら申し訳ないのですが、私が父の余命宣告を受けたときにこの思いを感じていたので、もしかしたら同じ感情で苦しまれているのではないかと思ったんです。
でも、実際のもぐさんは、そのときにできる精一杯のやり方で愛していたんです。
「私が家族を守りたかった」という思いが強いもぐさんですから、どんなにひどいことを言われてもされても、お父様のことをとても愛していたんですよね。
私達は、それだけ大好きな人に対して無理やり愛することを止めたり、悲しみや寂しさを感じないようにするためには、相当な力技で抑えこまなければなりませんし、痛みを伴います。
心理学では感じたくない感情を感じないようにするために使うのが「怒り」だと言われていますが、怒りさえも表に出さないようにしようとすると、だんだんと麻痺してきて、感情そのものが感じられなくなっていくんですね。
心が安定したニュートラルな状態ではなく、本当はとても悲しいのに、苦しいのに、無理をして冷静な状態を装ってしまう。
そうやって「私は平気です」「私はあなたの愛が無くても生きていけます」という仮面をつけたまま生活するのが、最初は辛くてもだんだんと当たり前になっていくんです。
そうすると、ずっとその仮面をつけたまま周りの人と接するので、家族でも友達でも職場でも、誰にも素顔の自分を見せないことになります。
自分のことをわかってもらえない、助けてもらえないと思うときは、自分が素顔で接していないから、相手も本当の自分のことが見えていないということが多いのだと思います。
この状態で友達や同僚と接すると、どうなるでしょうか。
自分は本音を言えないし、相手も実は本音じゃないんじゃないか?という気がしませんか?
そうなってくると、相手と心でつながる関係を作ること自体が難しいので、愚痴や噂話、悪口を言っているだけだ、という状況にもなっていきます。
それはパートナーに関しても同じかもしれません。
穏やかな暮らしがしたくて穏やかな人と結婚したけれど、実際に感じられる感情は穏やかさではなかった。
それは、自分が本来の姿を見せた状態で向き合い、本当に望む関係を作ろうと思えていないから、ということも考えられます。
これからご両親を助けたい、パートナーと親密感を感じながら生きて生きたいと思われる状況では、今までのようにたった一人で感情を抑え込んだまま突き進むのはちょっと辛そうですよね。
まずは今にも決壊しそうな心のダムを持っている、自分を助けてあげてください。その次にだけ、周りの人を助けることができます。
人を助けたいと思うなら、まずは自分に少しでも余裕を作っていきましょう。
カウンセラーや信頼できる人の手を借りて、感情を感じながら他の人と向き合っていくことも重要だと思います。
そしてまずもぐさんに意識していただきたいのは、自分を責めるのをやめることです。
>すべて私が原因で私が引き起こしている事なんだと思います
確かに起こることは自作自演とは言いますが、「全部自分のせい」というのとは違うんです。
「ロボットのようにこなしている仕事」とおっしゃっている状況でのミスとなると、「自分がやりたい仕事じゃないと思っているからミスをしてしまったのかも」とか「信頼を失ってしまったかも」という思考が働いてしまうかもしれません。
でも、家族の問題でも仕事のことでも、自分のせいでも相手のせいでもなく、ただそのときはそうするしかなかった自分を「しょうがないよね」「大丈夫だよ」と受け入れてあげてください。
とにかく自分を責めないでください。
>決断力はありますが、ずる賢い面もあり、相手の裏をかく事もします
誰にでもどこかしら、ずるくなってしまうときってあると思います。
だから気にしなくていいよ、というわけではなくて「確かにずるいかもしれない、でもそうならざるを得なかったんだよね」と受け入れてみてください。
といっても責めちゃうんだよ!というのもすごくよくわかります。
そのときはカウンセリングで「私は自分のこういうところを責めている、否定している、後悔している」と思いつく限り話してみてください。
話していくうちに、そう考えているのは自分で、実際「そうである」かどうかは別、という一歩引いた視点が得られるようになると思います。
そして、もっと自分を楽にしてあげられるにはどうしたら良いのだろう?というのも一緒に考えていきます。
それは今までの苦しさを書き出してスッキリさせたり、誰かに感謝を伝える事かもしれません。
自分より辛そうに見えて気になる、助けたい人たちのその人たちなりに幸せだった出来事を探して、自分が救わなくても大丈夫なんだ、と感じることかもしれません。
もしかしたらやりたい仕事の方にベクトルを向けていったら収入も付いてきた、ということも十分にあり得ます。
もしくは身体が楽になるように、まずはマッサージや温泉で緩むこと、考える時間を減らすために開けた景色を見に行くこと、思いっきり身体を動かすことかもしれません。
そうしていくうちに、自分の感情にも敏感になっていきますし、安全な感情の出し方もわかってきます。
もぐさんが溢れそうになったダムから少しずつでも感情を開放していくと、握りしめている苦しみも手放せます。
そうやって、ずっとつけてきた「平気なフリの仮面」を一つずつ外していくと、素直な自分のあたたかい感情でもう一度周りの人と繋がることができます。
その可能性を感じられているからこそ、今回ご相談を書き込んで頂いたのだと思います。
ご自身の本音を見つけられたら、きっとすでに持っている輝くような強さや愛情が感じられるはずですし、平らな感情に起伏と喜びを取り戻せるはずです!
「一人では向き合うのが辛い、難しい」というときは、いつでもカウンセリングにお越し下さいね。
橘奈緒美のカウンセリング申し込みページ
読んでいただき、ありがとうございました。
橘奈緒美でした。
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