なぜバジガクは、今年のオータムセールで売れ残った1歳馬を「救わない」のか?

前書き

あくまでこのnoteは、筆者であるYu-Jiの私見であり、関係者各位を非難するものではありません。また、関係者各位から明らかに事実と異なる内容が、このnoteに記載されているという意見があるならば、内容の訂正に応じますので、まずはコメントをよろしくお願いいたします。

1.過去の取り組み

まず、馬事学院が2018年から昨年に至るまでの3年間、オータムセールにて買い手がいない馬を購買していたということに触れる。
2018年 セリで他に買い手がない1歳馬を購入し、学生たちと競走馬デビューへ
2019年 他に買い手がない馬を購入。学生が育成し、競走馬デビューへ
2020年 セリで買い手がいない馬を1頭でも多く救い、競走馬デビューへ!
という取り組みを行い、購買するための資金をクラウドファンディングで集めていた。

2018年の取り組みでは、512万円が集まり、5頭を購買。(バジガクモミジ(54万円)・バジガクハート(129万6000円)・バジガクミラージュ(75万6000円)・バジガクサラベル(86万4000円)・バジガクレオーネ(129万6000円))
この他に、重度のクラブフットで、無償譲渡となったバジガクチュラがいる(競走馬デビュー出来ず)

2019年の取り組みでは、811万5200円が集まり、11頭を購買。(バジガクアオイヒメ(110万円)・バジガクアロマ(77万円)・バジガクエブリン(88万円)・バジガクギフト(55万円)・バジガクゴレアーダ(55万円)・バジガクプルーヴ(88万円)・バジガクシャルム(55万円)・バジガクシェリール(66万円)・バジガクリステージ(55万円)・バジガクマハロ(88万円)・バジガクマイヒメ(77万円))この他に、ヴェルサイユファームから寄贈されたバジガクティアラがいる。(バジガクアロマ・バジガクティアラは競走馬デビュー出来ず)

2020年の取り組みでは、1140万7500円が集まり、12頭を購買。なお1頭(バジガククラヴィス(88万円))は馬事学院で放牧中の事故でこの世を去った。(バジガクアムール(88万円)・バジガクエーゼル(88万円)・バジガクフローレス(77万円)・バジガクフレンズ(88万円)・バジガクルッチョラ(88万円)・バジガクユキカゼ(88万円)・バジガクマナムスメ(55万円)・バジガクカグラ(88万円)・バジガクトレニア(88万円)・バジガクシャーンス(99万円)・バジガクデニム(88万円))

3回行ったこの取り組みで、総額2464万2700円をクラウドファンディングで集め、2312万2000円を使い、28頭を購買したのは事実である。
そして、学生たちが順致を行い、人が乗れるようにして、走るように調教を行う。そして競走馬デビューを目指すというのが取り組み内容だ。なぜ、それをやるのか?それは「処分」を強いられる可能性がある馬を、1頭でも多く「救いたい」からだと、2020年のプロジェクトページには記載されている。
そして、そのプロジェクトページには
「活動を続けていくことで、こうした馬たちがいるということを多くの人に知ってもらい、競走馬の「命」「馬生」を多くの皆様と一緒に考えていきたい」とも記載されているが、それならば何故、今年のオータムセールには参加しなかったのか?あくまで自分なりに考えてみた。

2.そもそも処分されるのか?

馬事学院の言い分にある、「オータムセールで売れ残ったら処分を検討」というところにまずは触れてみたい。そもそも本当に処分となるのか?2020年のオータムセールで言えば、100頭近くの馬が主取り(購買者不在)だった。じゃあその馬たちが即処分に繋がるか?と言えば、その答えはNoである。
まず、販売者はオータムセールで売れ残った後でも、まだ翌年の2歳トレーニングセールに出すという選択肢がある。もちろん経費と手間はかかるが、この競りへ出品するケースがひとつ。
また、このトレーニングセールで売れなかった場合でも、販売者自身の所有馬として競馬に使うという選択肢がある。
預託料(月々の管理費)が高い、中央競馬で元を取るのは馬の能力的に厳しいかもしれないが、地方競馬であれば、馬主の資格もJRAよりは基準が緩く、そして各地の競馬場や馬主会が行う2歳馬入厩促進事業のお陰で、競馬に使えるという馬であればデビューした後、大きなマイナスになるということは考えにくい。

もちろん、楽天主催の現役馬インターネット競りである、サラブレッドオークションで売るという選択肢も残されている。
また、オータムセール後に庭先取引で売れるケースも存在する。競馬界には馬喰(ばくろう)と呼ばれる家畜商が存在し、売れ残った馬に馬喰が声をかけて仲介するケースが存在する。

ちなみに、netkeiba,Twitter等で珍馬名として話題になったオニクダイスキマンも2020年のオータムセールで主取りだった馬だ。

また、オータムセールで売れず、主取りとなった馬のなかには、サウジダービーを勝ったピンクカメハメハがいる。よって、オータムセールで売れ残ったから。といって即、処分に繋がるか?と言えば、答えはNoであるということを分かって頂ければと思います。

3.取り組みの問題点

そして、ここに触れなければ始まらないので触れますが、「2歳馬入厩促進事業」について。
馬事学院がクラウドファンディングで購入した馬は、基本的に地方競馬・大井競馬場でのデビューを目指しています。そして、その大井競馬場が行っている2歳馬入厩促進事業について。これは地方競馬共有馬主クラブの、ビックダディオーナーズクラブが詳細を公開しています。

「2歳12月末日までに大井競馬場主催者の行う能力試験に合格し、大井競馬場で初出走を迎える予定の競走馬で、その後3歳10月31日まで大井競馬場に在厩すること」などが条件となっていますが、能力試験に合格すれば、育成馬補助金として、1頭につき100万円補助金が交付されます。頭数制限はありません

また、他にも早期2歳入厩制度や着外馬補助金などの制度があります。(詳しくは、こちらのホームページをご覧になっていただければと思います。)
また、購買した馬を船橋競馬場でデビューさせるケースもありますが、千葉県馬主会2歳馬確保対策事業もあります。(こちらは1会員につき2頭までの制限・120頭の上限を超えた場合抽選等を行うと記載)
そして川崎競馬場でデビューさせるケースでも同じく、神奈川県馬主協会奨励金があり、1頭につき100万円(助成頭数110頭・先着順・1会員につき3頭まで)が奨励金として交付されます。

馬事学院の場合、購入代金の原資はクラウドファンディングですし、順致・育成なども生徒が授業の一環として行いますから、育成にかかる費用は実質タダです。1学年あたり40人ほどの生徒達から学費を徴収しているので、プラスとなっているでしょう。
そして、能力検査に合格すれば馬主会が行う事業で、補助金が交付されます。
(ちなみに、昨年の段階では大井競馬場の場合、90万円の補助金交付だったということも記載しておきます)

要するに能力検査に合格すれば、クラウドファンディングで集めたカネはそっくりそのまま返ってくるということになります。
この補助金があるという仕組みを馬事学院側はクラウドファンディングページで公開していません。出走手当などについても同じです。

要するに補助金・出走手当等については、バジガクにとって「隠したい事実」ということになります。
売れ残った馬を救いたい」と言っても、競走馬デビュー出来れば得、デビュー出来なくても生徒たちの学習材料として使用しますから損をしないという取り組みであるということ。
そもそも売れ残ったからといって、即処分されるという訳でもありませんので、なぜ、ここまで嘘をついてカネを集めたいのか。そして現在進行中の「Retouch」においても、なぜ殺処分から救うという真っ赤な嘘をついてカネを集めるのか。
僕個人の考えでは、彼等の企みがさっぱり分かりません。是非とも有識者や関係者の方々からご意見をお伺いしたいところです。

4.何故、今年は参加しないのか?

そして、僕なりに考えてみた「馬事学院が今年のオータムセールに参加しなかった理由」です。
1つは、馬事学院が所有する馬が増えすぎたこと。ご丁寧にも「バジガク」という冠名を使って馬名登録を行っていますから、それが馬の健康手帳にも残ります。そして馬事学院は乗馬クラブ等へ所有馬の売却も行いますから、売れた先で使えなくなった場合、その馬が出され、肥育場へ行くケースも想像されます。それを防ぐために馬事学院は健康手帳の裏側にシールを貼っている事実がありますが、本当のところどうなるか?というのは、分からないものです。

僕がなぜそう思うか?というと、馬事学院から馬を買った所も商売をやっている訳であり、自分のところで必要じゃなくなった馬を出す際に「タダで引き取るところ」と「カネを貰えて引き取るところ」があれば、どちらに出すのか?ということです。この場合、タダで引き取るところが馬事学院で、カネを出して引き取るところが肥育等の業者ということになります。

そして実際、乗馬クラブ等にバジガク○○という名前がついた所有馬を売る訳で、全国にバジガク冠名の乗用馬が溢れると、それこそ肥育場へ行く可能性が高まる。そういった馬を再度バジガクに戻すべく、肥育場から救うというプロジェクトを発案。林由真氏を担ぎ上げ、定期的に肥育場から救うと謳う「Retouchというオンラインサロン」を立ち上げたのでは無いだろうか?という仮説が成り立ちます。
そして、TCC代表の山本高之氏がTCCのオンラインサロンで発表している通り、「肥育場から救った馬が再度、肥育場へ行くことがあるのか?」という質問に、Retouchの代表・林由真氏は明確な否定をしていないという事実。(TCC・馬の未来会議内における、山本高之代表の投稿を抜粋)

そして、クラウドファンディングRetouchで肥育場から買った馬は健康手帳を再発行しますから、馬名は分からないようになっている。そしてこの馬たちが肥育場へ行くことになったとしても、バジガクの名前は一切出ないはずだ。シールを貼っている以上、居たという証拠にはなるが。という仮説がひとつ。

もう1つは、昨年行ったクラウドファンディングの際にTwitterで、炎上した過去を踏まえて、参加しなかったとするケース。

その矛先を交わす為に今年のオータムセールには不参加なのか。だとすると、クラウドファンディングのプロジェクトページにおける「活動を続けていくことで」という文言が、「大嘘に変わる」訳だが、どうなのか。
このことについては、馬事学院の代表・野口佳槻氏に電話で取材を申し込んでも答えて頂けないので、あくまでこれは仮説です。

3つ目の仮説は、地方競馬に預託する馬主が増えた影響で、調教師が馬を選べるようになったとするケースです。各地の馬主会が行う2歳馬確保対策事業が影響し、いい馬が地方競馬に入るようになりました。

地方競馬所属馬でも交流Jpn1を取れる馬(カジノフォンテン・イグナイターなど)が地方競馬へ入ってくる今の状況で、慢性的に馬房数が少なく、空きがなかなか出ないことから能力が足りないだろう。と判断される馬は、調教師に預託を断られるケースがあります。
そして補助金を貰いたい馬事学院としては各調教師に預託のお願いに行くはずですが、その調教師たちもバジガクが購入する馬は走らない(出走手当狙い)ということは、分かっていますから預託を断ります。今までの人付き合い等もありますが。
そして、昨年までは競馬場における馬房の確保がなんとかなったとしても今年(来年)は確保出来なかったのでオータムセールに参加しなかったとするケースが3つ目の仮説です。

他にも様々なパターンが想像出来ますが、果たして本当の思いは何か。何がしたいのか。気になるところです。

5.結論

今回のオータムセールに参加しても、しなくても、馬事学院にとって良いことはひとつも無いというのが、僕なりの結論です。
肥育場から引き取るということについても同じで、良いことはありません。嘘八百の取り組みであると思っています。そんな問題点ばかりを抱える馬事学院は、未来の馬業界を支えていくであろう生徒たちに授業を行っている。そこで間違ったことを知識として蓄え、馬業界に入るのであれば、それは大きなマイナスであると僕は思います。あくまでこれは私見なので、実際に授業や研修を受けている方を否定するわけではありませんが。あくまで僕自身はそういう目で彼等のことを見ているということをお伝えしておきます。
そしていつの間にか触れなくなった「セリでの売れ残り馬たちが若手人材たちにより、競走馬としてデビューし、獲得した賞金の4割を引退した競走馬たちの支援につなげていきたい」という馬事学院のクラウドファンディングページに記載されているこの内容。もう忘れられましたか?という話です。

だって、クオカード作ってフォロワーに配るんだもの。ただの売名行為って言うんですよ。それ。もっと言えば、第1回の寄付額は出していますが、2回目の寄付額を出せない理由は何か。ここも良く分からないポイントの1つです。

6.最後に

拙い文章の記事であったと思いますが、最後までご覧いただき、ありがとうございます。
このnoteは、僕の私見なので読まれた方がどう思うのかは自由です。ただ、1つだけ僕から言っておきたいのは、「誹謗・中傷を行っている」のではなく「批判」をしているということ。それだけを分かって頂ければと思います。

10月19日(火) Yu-Ji

11月16日 追記
馬事学院は、庭先でオータムセールで売れ残ったとする1歳馬を購入したと11月12日にTwitterで公表した。今年はクラウドファンディングを行っていないが、その状態で買えるなら最初からクラウドファンディングを行わずに買えるはずだ。デビュー出来ればプラス、デビューさせるためにかかる費用は学生が負担するので実質ゼロという仕組みは散々説明した通り。あとは皆さんがどう判断されるかです。


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