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元ボンボンの地団駄vol23

この辺で少し時間の整理をして、再スタートを切りたいと思う。

2010年 僕は2つの会社の代表、父が経営する会社の資本関係は無いグループ会社となっていた。その時点でグループ企業6社になっていた。

私生活では2009年に長女が誕生し、バカボンなりに一生懸命に働いていたのである。しかし、この2010年ぐらいを境に僕の人生の歯車が狂いだすのである。

この時、僕は頻繁に東京へ出張する。

東京にある会社自体はそれまでの営業所長が切り盛りしていたが、流石に銀行との話に関しては僕が対応していた。特に借入の際は、まずスタッフとミーティングをして借入の必要性、返済計画、その他諸々の話をした後、金融機関と話をする。東京に行く頻度が増えるという事は、同時にあまり会社が順調に回っていない事を意味する。その当時、僕の金融機関との交渉は神がかっていたように思う。。。そんな事に神がかるのはどうかと思うが、それまで1行としかお付き合いが無かったが、最大6行と取引をし、それに比例して借入金も多くなっていた。そして、資金繰りに費やす時間も少しづつ増えていた。

東京に行くと僕のスケジュールはこうだ。

始発の飛行機で東京に行き、9時オフィスに入る。まず、マネージャーと現状とこれからの動き、売上、仕入、経費などの情報を聞く。その後、各スタッフに売上と仕入の状況を聞き、ランチタイム。そこから取引銀行に出向いて今の状況と今後の動きを報告。多くて3行まわる。夕方近くに別会社でお取引している会社とミーティングをしたり、東京にいる経営者の友人と会い、最終便で帰る。というような感じであった。はい。ほぼ日帰り。

借入金が増えれば、勿論、売上も大きくなっていくのですが、勿論仕入も多くなり、そして、在庫も多くなる。。。このあたりでしっかりとした対策を取ればよかったのですが、、、とにかく行くしかない!ぐらいの勢いで会社をまわしていました。

しんどい状況ではあるのだけれど、借入が出来ているので会社には資金がある、僕はその資金を見て 問題なし!と判断していたのである。それは会社のお金ではなく、借入をした返さないといけないお金なのに。。。そういう誤った判断を僕はしていた。また、その資金を使って仕入をするのだけれど、多くの仕入先から仕入をした結果、どの程度が販売できて、どの程度が在庫になっているのかもしっかりと把握できていなかった。

そう、7割売れた!オッケー!!なんて馬鹿げた考えでいたのです。。。

うちの商品の利益率は約20%。7割売れても赤字なのである。。。やっぱりバカボンなのである。。。これはもう、経営の勉強をしたとかいう以前の問題で、単純にバカなのである。

10000円でTシャツを20枚買いました。600円で14枚売りました。8400円入ってきました。

これでオッケーと考えていたのだから。どうなるかは目に見えてます。

A社から仕入れた商品の商品代は基本的にA社の商品を売った売上で支払をすればいいのだけれど、B社の商品を販売した売上でも一部支払ってしまう。そう自転車操業1歩手前まで来ていた。

以前にもまして、東京に行く機会が増える。

金融機関との話の中身も少し変わってくる。

これまでは、新たな商品を仕入れる為の新規の借入であったのが、一旦のこの借入残を返済するので再度借入をさせて欲しいというような話になるのである。要は、当初1000万円借入しました。借入残は700万円、仕入資金が必要なので900万円貸して下さい。その代わり700万円は返します。ということだ。

ただ、こうやってでも借入ー返済ー借入ー返済を繰り返せていればとりあえずは問題なくいけるのだけれど、、、

そして、ある日、僕の携帯にある金融機関から1本の電話が入る。

そう、先日東京に出張した際に、借り換えの打診をした金融機関の担当者ではなく上役からである。

「先日来ていただいた件ですが、ちょっと難しいですね。」

「そこを何とかお願いします。一応、販売計画も提出させて頂いてますし、、、」

こんな感じのやり取りを続けていた。多少、無理のある販売計画ではあったのだけれど、なかなかOKが出ない。で、ラチがあかないと思った僕は、少々切れ気味に

「では、返済の猶予かリスケできますか?」と口走ってしまった。。。

するとその上役は

「それは電話でするような話ではないですよ。社長、まだお若いから、、、」

人にはNGワードというモノがいくつかあると思うが、その当時の僕のNGワード、それは、、、

「若いから」だった。そう上役は僕の地雷を踏んだ。

上役の「社長、お若いから、、、」の後もお話は続けられていたと思うが、僕の耳には一切入っていない。僕は上役の言葉を遮るように。。。

「あの、今のこの話に年齢は関係ありますか?商売に年齢は関係ありますか?」

中身は別として、数字上はそれなりの売上もあり、取引先には上場企業もいつくもあった会社の社長にしては若かったのかもしれないが、そんなもんは関係ないのである。僕の怒りは収まらない。

「年齢が関係するというのであれば、先にその事を伝えておくべきではないですか?そんな事何も聞いていない。では何歳まで若くて、何歳から若くないと判断するんですか?分かりました。年齢が金融機関との取引に関係するのか否か、そこを融資の判断基準にしていのか、金融庁に確認します。」

そういうと、上役は焦った様子で

「とりえあえず、再度検討しますので、次回東京に来る際に再度面談させて頂けますか?」と。

僕はすぐに行くと言って、次の日の始発で東京に飛び立った。

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