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2023年に書いたお話を振り返ってみる

 2019年末からやっている、その年に書いたお話の振り返り記事です。年末とっくに過ぎてるどころじゃないけどゆるして。
 
※連載・短編、現時点で完結済かどうかなどは関係なく、2023年に書き始めたすべてのお話を取り上げます
※web上に投稿したものは各見出し(小説タイトル)に作品へのリンクを埋め込んであるのでよければ
※執筆を開始したおおよその時期順に並んでいます

2015~2019年編(もう使ってないブログですが)

https://ohanashinoodle.hatenablog.com/entry/2019/10/08/215007

2020~2021年編

2022年編

  ではやっていきましょう、の前に、まずは2022年以前から書いているお話についてです。


2022年以前から引き続き書いてるお話のコーナー

1.わだつみさまの花嫁 ~家族と村の人に疎まれて海の神様への生贄にされたけど、海底生活は地上より幸せです~

ジャンル:異世界恋愛・ハイファンタジー・異類婚姻譚
種別:連載(現在連載中)
掲載サイト:『小説家になろう』『カクヨム』『エブリスタ』
執筆開始時期:2021年3月
文字数・話数:70,785文字・計22話(2024年2月時点)
あらすじ
 わたし、レナータは、海の幸と織物だけが名物の小さな村に住んでます。でも、不器用で機織りが苦手だから、家族にも村の人にも冷たい目で見られてる。だけどわたしも十五歳。成人したから、結婚話だってくるんだよ。お相手は――村と契約している、海の神様!?
でも、知ってる。二十年に一度、村から選ばれる『海神さまの花嫁』。あれは嫁入りなんかじゃない、生贄だって。わたしは花嫁衣装で海に沈められてしまうのでした……あれ、生きてるよ?
「ここでの暮らしに耐えうる器か、見定めさせてもらおう」
 気がついたら海底にいたわたしの前に、威厳たっぷりなコワモテの海神さま。さっそく夫婦の契りを結ばされて、やっていけるかなあ――って、土下座された!?
「余はもはや、姿を保つことすら危うい。どうか力を貸してはくれまいか」
 海神さまが力を取り戻すには"清らかな愛の力"が必要らしくて。見た目も立場も違うわたしたち、本当の夫婦になれるかな。わからないけど――意外とへたれかわいい海神さまとの生活は、村暮らしよりずっと楽しいです! あの人たちが今のわたしを見たら、どんな反応するかなあ。 

 2023年に投稿した話数、なんと1話
 いつになったらまともに更新するんでしょうか、わたしは……。続き書く予定はあります。ほんとに。
 5月から第11回ネット小説大賞が始まるので、募集期間に合わせて2章の終わりまで書けたらなと思っています。全4章予定なので道は長い。
 だいぶ思いつきで書いてしまったところがあって、本筋から離れすぎているシーンとか物語の雰囲気から浮いているシーン・描写がかなり目につくので、更新再開に合わせてわりと大胆に削る予定です。具体的には今7万字なのが5.5万字くらいになりそう。ゆるしてください、ヒロインと海神さまの関係性がどう変わっていくかを書きたい話なのに22話中4話しか海神さまが直接登場してないのはさすがに問題だと思うので……。
 読んでくださっている皆さま、恐れ入りますが今しばらく更新再開をお待ちください。

2.同人ノベルゲーム『不可視議研究部』シナリオ

 こっちもだいぶのろのろ運転で、一緒につくっている人たちなどに申し訳ね~~~となりながら少しずつ書いています。やっと最終章まできたのであとはゴールするだけ……って言いたいんですけど最終章+エピローグが余裕で5万字超えそうな現状。全体では17万字程度になりそうです。先は長いけどがんばります。
 順調にいけば今年の7月に完成版がお披露目できるかも。それまでは体験版をお楽しみください!

 前任の方からシナリオを引き継いで途中参加しているわけですが、すでにわたしのヘキで大部分塗りつぶされています。好きに書くと恋愛要素強くなっちゃうね。
 理性でいい感じに調整してはいるはずです。たぶん。

 
 それでは本編、2023年に書いたお話の振り返りです。

2023年に書いた(書き始めた)お話のコーナー


1.第6回 #ぷちヘキ 参加作(お題:『移動しているシーン』)

 ぷちヘキとは、湖上比恋乃様主催の、twitterのアンケート機能を利用した覆面小説企画です。『○○しているシーン(○○はお題ごとに変わる)』という共通のお題のもと、各参加者が36文字×15行(最大540文字)の掌編を書きます。画像1枚に収まるサイズですね。
その後、1つのブロックごとに4人の参加者が割り当てられ、名前を伏せた状態で作品が公開されます。4択の中から、twitterのアンケート機能で自分の作品を予想してもらおう! 自分のヘキがにじみ出ていれば正しく投票してもらえるはず! と、そんなたのしい企画です。
 次は2024年5月ごろの開催を考えておられるとか……?

 公式HPの企画概要と、実際に参加した際のツイートを載せておきます。よければこの先に進む前に、上の4作から私の作品を予想してみてください!




――――↓以下ネタバレ――――





 というわけでわたしの作品は『A-3』、せんぱいと後輩のお話でした。
 初参加をキメたわたしでしたが、参考作品(公式サイトの参加者一覧に作品URL貼ってもらえる)として提出した『こーひーぶれいく』と作風が同じすぎてボーナス問題と化しました。ほとんどの方に当てられております。大やらかしです。
 参加作と全然違う作風のものを参考作品にしてもよかったんですけど、さすがに意地悪すぎると思ってある程度参考になりそうなお話を提出したら参考になりすぎました。投票期間が始まってから『これ大ヒントすぎたんじゃ……?』となったけどもう遅い。登場人物(の配置)が似ていたというコメントを複数いただきました。あと単純に作品がいつもの手癖すぎる。企画を通して自覚しましたが、年下女子が年上男子(or男性)を追いかける展開がすきです。

 作品自体のお話をします。このふたりの能力とシチュエーションは前からぼんやり温めてはいて、わたしの腕次第で面白くできそうな予感はしてたんです。だけどどうやればひとつのお話として形になるかわかんなかった。もっと言えば、この関係性とシチュエーションを乗せるにふさわしいストーリーラインが思いつかなかった。
 なのでしばらく脳内倉庫で門番をしていたところを、ぷちヘキの開催に伴って引っ張り出した感じです。お話として形にできそうな手応えは相変わらずないけど、この企画ならいちばんおいしいところだけでも書いてあげられるなと思って。しかもたくさんの方とわいわい楽しめる場でお披露目できる! ワンシーンの切り取りにはなりますが、日の目を当てられてよかったなと思いました。

 ――と思ったら2024年、ひょっこり短編として形になりました。タイトルを『せんぱいはただの人。』といいます。一部文章をそのまま使ったりもしていますが、自分でも考えてなかった展開とか心情の移り変わりとかが飛び出してきてたのしかったです。
 詳しくはまた、2024年末の振り返り記事に譲るとして。取り急ぎURLを貼っておきます。ぷちヘキで読んでくださった方もそうでない方も、なにとぞよろしくおねがいします!



KAC2023で書いたお話

 KACとはカクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップの略で、小説投稿サイト『カクヨム』が周年記念として毎年3月に開催する、お題ありの短編わんこそば企画です。短編わんこそば企画、パッと思いついた表現を使ったけどたぶん全然伝わらない。

 とりあえず、KAC2023の企画概要が読めるページを貼っておきます。 
 KACについてちゃんと解説すると、数日ごとに計5~10個出るお題をもとに短編を投稿しよう! 
・1回でも参加する
・すべての回に参加する(皆勤賞)
・1回でも指定の文字数きっかりの作品で参加する
・各回でランキング上位5位以内に入る
・一部回にあるお題募集で採用される
 などを満たした作者には抽選(皆勤賞・お題採用のみ確定で手に入る)で景品やギフトカードなどが当たるよ! という企画です。
 2023年のKAC、わたしはお祭り感覚で楽しみつつ、数日ごとに〆切がくる企画なので〆切守り力を鍛えるために参加しましたけど……しんどかった!!! 数日の間にお話を仕上げて投稿するのを7回繰り返すこと、想像以上に体力がいる。あとお題に一部劇物が混ざっていて、どういうお話の可能性を想定して出したんですか? ピンポイントすぎません? などと問い詰めたくなりながら必死に書くときもありました。
 お題は公式が出す回とユーザーから募集したものを出す回が半分半分でして、一見ユーザー募集のほうがハチャメチャそうじゃないですか。でも公式くんのお題もたまに様子がおかしくてェ……。
 楽しかったのは楽しかった。お題に振り回されるのも適度なら(ここ重要)むしろ楽しいかも? 

2.おかしなひと(第1回:お題『本屋』)

ジャンル:青春恋愛
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:3,279文字

キャッチコピー(カクヨム投稿作品のみこの欄があります)
Q.本を読まない彼女が、本屋に通う理由は?

あらすじ
1.店主のおにーさん
2.大好きなお菓子(近くではここにしか置いてない)
3.その他

A.本文の中にあります。

 1回目が書きやすいお題でよかった! 完全なる手癖歳の差青春恋愛でスタートを決めました。主人公がちょっと今どきの子っぽいとこだけ今まであんまり書いたことない感じにしたけど、基本的なところが本当にいつもの。本屋にきてお菓子だけ買っていくのは本に失礼じゃん、とか考える主人公なあたり、わたしのヘキがわかりますね。
 とはいえまっすぐで誠実で純情な女の子はいくら書いてもいいので!!!

 ……ところであらすじ(とキャッチコピー)はもう少しなんとかならなかったんですか?

3.サラとゆきのよる(第2回:お題『ぬいぐるみ』)

ジャンル:童話
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:2,111文字

キャッチコピー
だいじょうぶだよ、サラ。ちゃんと見まもっているからね

あらすじ
しんしんとふりつもるゆき。空にはまあるいお月さま。
かぜをひいたサラは、くるしくてねむれないよるをすごしていました。すると、サラがだきしめていた、クマのぬいぐるみがうごき出して……?

 はじめての童話です。自分に合ってそうだしいつか書いてみたいとはずっと思っていて、この度ついに時がきました。このお題で童話書かなくていつ書くんだ!
 2023年に書いたお話の中でもかなりお気に入りの部類です。なんにも奇をてらわずストレートにあったかいものを書いたのがよかったんだと思います。あと、大学の授業で絵本に触れる機会がそこそこあったのも生きてる。

余談:小学1年生が読むのを想定した言葉遣いや漢字表記をしていますが、実際何歳くらいの子に向いてるお話なのかは自分でもあんまりわかってないかも。子ども園の年長さん……?

4.ロックバンド『春芝居』より、大切なお知らせ(第3回:お題『ぐちゃぐちゃ』)

ジャンル:現代ドラマ
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:4,079文字

キャッチコピー
大切なお知らせがございます。詳しくはオフィシャルサイトをご確認ください

あらすじ
『えっ』
『嘘やろ』
『そんな、、、昨日も仲良し写真あげてたのに』
『一番キテる時期じゃん、今』

(某SNS上の反応より抜粋)

※『春芝居』は架空のバンドです。この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・出来事とは一切関係ございません

 一方、奇をてらいすぎなのがこちらです。
 
架空のバンドの解散報告文(スタッフ一同+各メンバーからのコメント)は物語と呼んでいいのか、審議の時が待たれる。
 キャッチコピーもあらすじもサブタイトルもぜんぶ活用して雰囲気づくりしたし、各バンドメンバーの性格や抱えている『致命的な欠点』も、それぞれのコメントから滲み出すように書いたつもりではいます。ただ、行間までしっかり読み解いてもらう前提の作りになっているのがちょっとね……。さらっと読んでも面白い、ができたらいちばんなんですけど。そもそもこのお話に地の文もなんもないせいで心情描写とか一切できないのはある。
 とはいえやりたいことはやれたし、ふだんあんまり書かない後味の悪いお話が書けたのもよい経験になったと思います!

余談:一部非常に読みづらいパートがありますが仕様です。たぶん彼はこういう不慣れな文章を書くと思う。

5.星団散歩(第4回:お題『深夜の散歩で起きた出来事』)

ジャンル:純文学(のつもりだったけどなんか違う気がする)
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:777文字

キャッチコピー
宇宙とはこんなだったのだ。

あらすじ
大学生活の一歩目で転倒した。
ひとりぼっちのわたしが、もやを振り切るための深夜の散歩。歩道橋を踏みしめて上る。

そうしたら、わたしは宇宙に昇っていた。

 上述の通り、全7回のうち1回でも777文字でお話を書くと○○賞のチャンスがあるので777文字純文学(?)を書きました。深夜の散歩中に宇宙へ飛ばされるお話。
 短すぎてコメントのしようがない気もしますが、宇宙舞台のお話らしくふわっとつかみどころのない不思議な雰囲気のお話になったと思います。わたしはお話の中で起こるすべての現象や言動に理屈をつけてしまう悪癖があるんですけど、今回は非日常を非日常のままお出しできた感があります。
 個人的には最後の段落がお気に入り。

6.魔王軍を討った老英雄、残党に筋肉痛の隙を狙われる。(第5回:お題『筋肉』)

ジャンル:ハイファンタジー・コメディ
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:3,025文字

キャッチコピー
これしきの痛みで臥せっていては英雄の名折れよ……ぐはッ!

あらすじ
突如人間界へ侵攻してきた魔王の軍勢。その討伐に大きく貢献した英雄こそ、カレイノ・セイデ(七十八歳)である。
しかし、討伐から三日後――遅れてやってきた全身筋肉痛に苦しむ老英雄に、魔王軍唯一の生き残りが襲いかかる!

 このあたりから明らかに力尽き始めてるんですよね、わたし。KACは20mシャトルランっぽい繰り返しのしんどさがあります。
 久しぶりにコメディを書きましたが、『ヒーローは手遅れでやってくる』(2022年編参照)と味が同じすぎて笑っちゃいますね。ナレーション風の三人称と勢いでごまかす以外のコメディは書けんのか。
 いつかまた書きます。違う方向のコメディを。

 このお話自体に関しては、『バトル描写をがんばろうとした形跡はある』『オチが相変わらずすぎるけどこれがわたしだ(開き直り)』あたりを挙げておきます。あと横文字キャラクターの名前が安直な日本語すぎるやつ、いつかやってみたかった。女中のマトモはけっこうお気に入りネーミングです。


7.夏休みのつづき(第6回:お題『アンラッキー7』)

ジャンル:ホラー
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:777文字

キャッチコピー
夏休みがおわらなかったらいいな、って思った。それだけなんだ。

あらすじ
家のちかくの神社には、『ソコナシさま』がいて、なんでもねがいをかなえてくれるんだって。ぼくは『ソコナシさま』に、「夏休みがもっともっとつづきますように」っておねがいした。

8月最後の7日間、とある幸運で不運な男の子について。

 なにこのお題?
 
……失礼しました、愚痴が出てしまいました。いやマジでこればかりは激おこ(死語)。だって『ラッキー7』という概念・言い伝えはあっても『アンラッキー7』という概念はないじゃないですか。たくさんの人たちが数日で0から書かなきゃいけない企画のお題募集にない概念を提出しないでほしいし、公式はそれを採用しないでほしい……かも! 
 なので本当に困ったわたしは『夏休み最後の不幸な1週間』という形でお題を消化して日記風ホラーをやりましたが、せっかく7のつくお題だしもう一回777文字で書こうとした結果、文字数がかつかつになって展開が急。日を追って状況が悪くなっていくタイプのお話を書くならもう少しじっくり書いた方がいいので、題材が文字数に合ってないという完全なわたしのミスです。お話としてまったくダメではないと思うけど、もう少しやりようはあったかも。

 無邪気な小学生の男の子の一人称でお話書くのは楽しかったです。性に合ってる。

8.手のひら泥棒

ジャンル:青春恋愛・ミステリー
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2023年3月
文字数:13,017文字

キャッチコピー
なんできみが隣にいないの。

あらすじ 
中学校の文化祭。2年3組の出し物は、白雪姫をもとにした劇。
根津愛美(ねづまなみ)は、大好きな幼馴染の高木実(たかぎみのる)と、カーテンコールの挨拶で隣どうしになるはずだった。お辞儀するとき、自分だけが実と手をつなげるはずだった。普段は勇気が出なくてつなげないその手を。
けれど本番のカーテンコール、愛美の隣に実はいなくて。彼はなぜか、本来の立ち位置と違う場所で、白雪姫役と手をつないでいた――
「どうしてそうなったか、わかんないんだ」
実自身もそう言う、謎でいっぱいの状況で。愛美は今日だけ探偵になる。

実の隣を。きっとあったかいその手を。
誰がどうやって、なんのために奪ったの? 

青春恋愛ミステリです。KAC2023第7回(お題「いいわけ」)に出し損ねました。

 KAC完走できなかったのはこれが間に合わなかったせいです!!!!!!! 
 2,3日で書く企画に出すようなお話の規模ではなかった。反省はしている。

 はじめてまともにミステリーを書きました。『ひな鳥探偵は謎を解かない』(~2019年編参照)はガワだけだし『こいつの前世』(2022年編参照)は最初ミステリーを書こうとしたってだけで全然そうなってないし。
 トリックと推理のロジックはそこそこがんばったけど、日常の謎ミステリーにしても事件が地味すぎるという問題はあるかも。
 ただもっと大きな問題として、ミステリー要素といつものふわふわ青春恋愛要素があんまりかみ合ってない気がするんですよね。ミステリー部分が解決してからの女の子同士の火花散らし合いが長いし。とはいえ恋心に全力な女の子はだいすきなので! 
 あと、中学生どうしの恋愛もの書くのはじめてでした。高校生どうしのかわいさと中学生どうしのかわいさはちょっと質が違うと思うんですよね。どちらも別々のよさがあって最高! と改めてなりました。ピュアでもどかしい中学生の幼馴染男女のよさが出せてたらいいなと思います。

 青春恋愛要素もミステリー要素ももう少し伸びしろがありそうな感触を得ているので、改稿して第2回創元ミステリ短編賞に応募予定です。

余談:『サイボーグ白雪姫』、中学生が普通に童話をそのまま劇としてやることあんまりないだろうなと思って魔改造しました。無駄にインパクトはありますね。あまりにも浮きすぎなので改稿したら削るだろうけど、愛着はある。

9.お兄の糸(第1回あたらよ文学賞応募作)

 まだweb上に出してないお話ですが、反省文を書かないとわたしの気が済まないので取り上げます。

 あたらよ文学賞とは、以前寄稿させていただいた『境界アンソロジー /(スラッシュ)』の主催である百百百百 様が立ち上げた出版社、株式会社EYEDEARの運営する文学賞です。縁のある方が携わっているうえに、今回のテーマは『夜』。掘り下げ甲斐のあるお題だ! 参加するっきゃないっしょ!
 ……そんなテンションで参加を決めたはいいんですけど。田面類さん、〆切数分前にようやく書き上げて一切手直しできてないままの粗すぎ原稿を出すはめになり、当然のごとく一次選考で落ちました。あほすぎるし自分のふがいなさが悔しかった。みんなはちゃんと余裕をもって書いた上で完成度高めてから応募しようね……。
 ところであたらよ文学賞は今第2回の募集中でして、わたしも応募予定です。テーマは『青』。今度こそは前みたいな過ちをしないぞ! 

 まだ広く目に触れる場所に出してないお話なので内容の話をしても伝わらないのはありますが、一応。
 わたしは今まで、お話の中で『家族』の話をするのを無意識に避けていたみたいです。最近ようやく自覚しました。別に家族との関係が悪いわけではないんですけど、ちょっと思うところはあって。家族って、近いからこそむずかしい。そう感じる機会がいくつかありました。
 それだけが理由ではないだろうけど、わたしのお話はどれも、キャラクターの家族についての言及がびっくりするほど少ない。主人公の家族が直接登場するお話、たぶん片手で数えられる。
 気づいた私は、はじめて『家族』に向き合ったお話を書くことにしました。
『自分にとって、家族とはどんな存在なんだろう?』
 いっぱい考える中で出したのは、綺麗なだけじゃない、ひとつの答え。それを閉じ込めて形にしようとしたのが、たったひとりの家族である兄が闇バイトに手を出しかけているのをどうにか止めに動く妹の話、『お兄の糸』です。

 いつかこのお話を丁寧に磨いて、インターネットの海に送り出せたらと思っています。

10.潔白のセイレーン(第19回書き出し祭り参加作)

ジャンル:ハイファンタジー・ジュブナイル
種別:そういう企画なので冒頭1話のみ
掲載サイト:『小説家になろう』
執筆再開時期:2023年9月(冒頭2,000字前後は2021年9月)
文字数:3,855文字
あらすじ
なし(執筆がギリギリすぎて企画までに用意できなかった)

 書き出し祭りとは、小説家になろう上で定期的に開催されている、ライトノベル作家の肥前文俊(ひぜんふみとし)様主催の個人企画です。応募に集まった先着100人が『連載の第一話』を想定した3200~4000字の書き出しを執筆し、匿名で一斉に公開する。25作ずつ4つの会場に分けられて、読者は各会場で上位3つまで気に入った作品に投票し、後日結果が発表される。そんな企画です。読み手を引き込むための冒頭づくりが鍛えられます。
 次は4月~5月にかけて第21回が開催されます!

 これで6回目の参加になりますが、また滑り込み投稿になっちゃったせいで書き出しとしていろいろと粗いです。そもそもの経緯が別のお話を出すつもりだったのが間に合いそうになくて、数年前に2,000文字程度書いただけで凍結していたこのお話を急遽引っ張り出して続き書いたって感じなので……。

『舞台・キャラクターの背景やヒロインが種族:セイレーンとしてどう特異なのか、今後のストーリーで壁・対立勢力になりうる存在などの情報量が足りない(あるいはまったくない)』
『引きで出てくるキャラクターが、それまでの描写なさすぎて引きとして機能していない』
『インパクトのあるシーンがなく、物語の動き出しも遅いため地味』

 この3点がね……痛いね……って感じです。とにかく情報量が足りない。

『灯台守の少年と、同族から異分子扱いされているセイレーンの、ピュアで素朴なファンタジーボーイミーツガール』という、お話の方向性や雰囲気はある程度伝えられていたみたいで、そこはよかったです。一糸まとわぬ状態のヒロインに傷薬を塗って治療するシーンを、なんの含みもなく真面目に描写したのがよいほうに向いたのかも。あれでだいぶ雰囲気が伝わった感じある。
 中の下くらいの戦績(会場内15位タイ/25位)でしたけど、ちょくちょく投票もいただけていてうれしかったです。いただいた感想から今後の展開を考え直したりできたし。

 いずれ公募に出し、その後同人誌として頒布できたらと思っています。

余談:タイトルで言葉遊びするのが好きで、このお話でも『清廉潔白』のもじりをやってるんですけど、「ダジャレみたいなタイトルからは想像できない実直なファンタジーだった」という感想をいただいて衝撃を受けました。言われてみたらダジャレじゃん……!
 別にダジャレタイトルでもいいんだろうけど、軽めのお話だと受け取られる可能性があるからお話の雰囲気次第では避ける選択肢もあるのかも。気づきを得た。
 

データで振り返る田面類さんの2023年


執筆文字数

 2023年は、計140,477文字ぶんのお話を書きました。内訳は以下です。

・2022年以前から書いていたお話(2023年執筆ぶんのみ計算)

わだつみさまの花嫁(サブタイトル略):3,613文字(計1話)
ノベルゲーム『不可視議研究部』シナリオ:92,559文字
潔白のセイレーン:1,363文字

・2023年に新しく書いたお話

第6回 #ぷちヘキ 参加作:951文字(初稿の文字数)
おかしなひと:3,279文字
サラとゆきのよる:2,111文字
ロックバンド『春芝居』より、大切なお知らせ:4,079文字
星団散歩:777文字
魔王軍を討った老英雄、残党に筋肉痛の隙を狙われる。:3,025文字
夏休みのつづき:777文字
手のひら泥棒:13,017文字
お兄の糸:9,791文字

その他ボツ作品:計5,125文字

 だいたい、ちょっと厚めの文庫本1冊ぶんくらい。2022年よりはがんばったけど、その内9.2万字程度が制作中のノベルゲームのシナリオ、1.5万字程度がweb未公開もしくはボツにしたお話なので、表に出せたのはたったの3.3万字くらいなんですよね。もっとがんばりたい! 成果を見せたい!!!
 相変わらず執筆速度にムラがありすぎるし1年かけてやっと文庫本1冊分なのは単純にかなしいし、2024年はもっと息をするようにお話を書けるようになって、面白いお話をこつこつたくさん生み出したいですね。いまだにコーヒーと〆切設定で気合入れないとテキストエディタに向き合えないの、よくない。

公募戦績

 2023年に応募したものを取り上げます。わたしは公募という戦場で生き残れたのか、それとも……?
 さっそく結果をどん!

Excelで公募戦績をまとめるタイプの麺類。日付は応募した日です

 た、大賞受賞がある~~~!?
 
 
詳しくは後述しますが、うれしすぎる。

 その他の戦績がかなしいことになってるのはうん、見なかったことにしようね。しないけど。
 『きみのお嫁さんがよかった』『おかしなガール』あたりが顕著なんですけど、その公募が求めているものやレーベルカラー(≒想定読者層)にある程度合ったものじゃないと、お話自体は自信作であっても戦えないですね。カテゴリーエラーでさえなければヨシ! ではない。
 お話と応募先をちゃんとマッチさせようね、という話でした。

まとめ


 2023年の目標は以下の3つでした。

強い魅せ技に頼らなくても面白い話を作れるようになる
読んだ人のうちたったひとりにでも、深く刺さるものを書けるようになる
インプットとアウトプット・分析の量を増やす

 しっかり達成できたのは……ゼロ! だめすぎる。
 どれも△くらいかなって感じです。

強い魅せ技に頼らなくても面白い話を作れるようになる
→『サラとゆきのよる』ではできたと思う。あとはあんまり自信ない

読んだ人のうちたったひとりにでも、深く刺さるものを書けるようになる
→2022年の作品になるけど『あいぞめ』はおかげさまでご好評と大賞をいただきました

インプットとアウトプット・分析の量を増やす
→アウトプットは少し増えたし分析もやり始めた。インプットは12月になってようやく、って感じで1年通してみるとさっぱり。

 どれもまだまだです。2024年も引き続き目標にはしていきます。
 ただ、それとは別に2024年の大目標を建てることにします。メインクエストですね。
 その大目標とは……『1年間コンスタントに活動する』です!

 もしかしたらうすうすお気づきの方がおられるかもですが、2023年に新しく書いたお話の大半が春までに集中してるんですよね。というかぶっちゃけほとんどが3月のKAC。わだつみさまの更新も4月だしノベルゲームのシナリオも大半は7月までに書いたものだし、下半期ほとんどなんもしてない。
 怒涛の執筆とはいかないと思います。そもそものタイピング速度遅すぎだし、2023年の12月から社会人になってなかなか時間が取れなくなったので。それでも1年間息切れせずにこつこつ積み重ねたいです。
 そして創ったものはできるだけ世に出して、反応とフィードバックを受け取れたらなおよいなと思います。反応をいただけるかはもちろんわたしの物書き力にかかってくる。

 というわけで、ふわっとした2024年の物書き予定を置いておきます。

~2月末 個人短編集(既存作改稿・書き下ろし)

3月初頭~3月下旬 KAC2024

3月下旬 句集作業

4月初頭~4月末 ノベルゲーム『不可視議研究部』シナリオ(脱稿まで持っていく)

5月上旬~6月末 第12回ネット小説大賞(〆切7/31)
応募予定作:既存作×1(『わだつみさまの花嫁』第2章完結まで書く)

5月 文学フリマ東京38(抽選通れば)
頒布予定物:新刊×2(短編集&句集)、名刺

7月初頭~8月末 角川つばさ文庫小説賞or青い鳥文庫小説賞
応募予定作:新作×1(学園幽霊もの予定)

9月初頭~11月下旬 第17回GA文庫大賞後期(〆切11/29)
応募予定作:新作×1(怪盗ファンタジー予定)

(どこかでR18のお話をひとつ書きたい)


 こんな感じです。詰め詰めすぎない? とは思うし実際理想がこれというだけで全部できるわけではないかもだけど、とにかく2024年もがんばります。今年もなにとぞ、わたしとわたしのお話をよろしくお願い申し上げます。

宣伝と報告のお時間です

 ここまでお付き合いいただいた方なら飛ばさずに読んでくれますよね!!!!!(威圧)

  1. 自作『あいぞめ』(2022年編参照)が、第1回ひらづみ文学賞(エンタメ部門)で大賞をいただきました

 先ほどちょこっと触れました通り、本当にありがたいことになりました。
 
 珍しく強気なことを言いますがゆるしてください。
『あいぞめ』は会心の一撃です。いろいろが重なった結果、自分の実力以上のものが出たお話です。もう一度書けと言われても、今のわたしにはできません。これを超えるにはまだまだ精進がいると思います。
 それができたのは、自分の『大好き』をこれでもかと詰め込んだうえで、抱えた熱を最後まで保ったままうわーっと走りきったから。
 後者は〆切に追われたせいなので、走りきり方の参考にしたらダメなんですけど、前者はやっぱり大事ですね。題材にした『俳句』、歳の差師弟のあたたかい関係性、自分がふだんから『こうありたい』と考えていること。『あいぞめ』につぎ込んだものはすべて、わたしを構成する大事なパーツです。
 自分の『大好き』を、いちばん熱く、輝いて見える形で出せたこと。今回賞をいただけたのは、ひとえにそれが理由だと思います。

 ひらづみ文学賞の運営元『ブックバーひらづみ』様の以下のnote記事から『あいぞめ』が全文読めますので、まだの方はよければぜひ、150%のわたしを見てやってください!

 応募要項に『受賞作は公式サイト等で公開します』という旨が書いてあったのをすっかり忘れてしまっており、結果発表の際にnote見たらわたしのが全文公開されててびっくりしたことは秘密。運営さんはなんも悪くない


2. わたし個人の短編集を、2024年5月の文学フリマ東京39で同人誌として出します!

 って2022年の振り返りnoteでも言ってたのに出せなかったんですけど()
2024年こそは!!!
 今までに書いてきた短編のうち比較的お気に入りのもの(の改稿版)7作+書き下ろし3作で構成予定です。短編集および書き下ろし作のタイトルと、並び順ももう決めてあります。今から既存作の改稿と書き下ろしをがんばるわよ!
 淡くてやわらかくて、たまにしんみり。そんな一冊にできたらと思っています。
 まず抽選に通るかの問題がありますが、もし通りましたら5月はなにとぞよろしくお願いいたします! 俳句はじめてから今までの2年間で詠んだものをまとめたひよっこ句集も同時頒布できたらの気持ちなので、そちらも合わせてよろしくね!


 以上、田面類(たづらるい)でした! ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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