2022年に書いたお話を振り返ってみる

 2019年末からやっている、その年に書いたお話の振り返り記事です。今回は年末じゃなくなっちゃったけどゆるして。
 
※連載・短編、現時点で完結済かどうかなどは関係なく、2022年に書き始めたすべてのお話を取り上げます
※各見出し(小説タイトル)に作品へのリンクを埋め込んであるのでよければ
※執筆を開始したおおよその時期順に並んでいます

2015~2019年編(もう使ってないブログですが)

2020~2021年編

 ではやっていきましょう、の前に。ちょっとしたコーナー×2です。


書いたのは2021年だけど公開が2022年以降になったお話のコーナー

1.こいつの前世(坊っちゃん文学賞応募作)

ジャンル: ミステリー(?)・サスペンス(?)
種別:短編
掲載サイト:『小説家になろう』『カクヨム』
執筆開始時期:2021年8月
文字数:2,484文字
あらすじ
「なあ琴葉ことは。俺さ、前世の記憶あるんだよなー」

恋人の敏樹としきから急に言われて、あたしは戸惑った。でも、前世の正体はその比じゃないくらいヤバくて、恐ろしくて、信じられなかった――若い女性ばかり狙っていた殺人鬼の、生まれ変わりだなんて。
彼の前世が成仏しきってないせいで、敏樹は時たま衝動的な殺意に襲われかけるとか、なんとか。あいつが誰かを襲う前に、殺人衝動が理性で抑えられなくなる前に、守ってやるんだ。大切な恋人を。手がかりが欲しくて、あたしは敏樹の前世が起こした事件について調べ始めた。

――まさか、敏樹自身が襲撃されるなんて知らずに。

 去年坊っちゃん文学賞に出したやつが一次落ちの称号を得て戻ってきました。かなしいね。
 ミステリをやるぞの意気で書き始めたはずがサスペンs……サスペンスですらないのでは……? という仕上がりです。なんかハッピーエンドになったし気軽に読める長さなのでよかったらどうぞ。

2.闘京デスティニーランド(第16回書き出し祭り作品)

ジャンル:ローファンタジー
種別:そういう企画なので冒頭1話のみ
掲載サイト:『小説家になろう』
執筆開始時期:2021年12月
文字数:3,779文字
あらすじ
「今さら戦争の後始末だァ? まったく、オレ様をなんだと思ってんだ!」
裏稼業集団"闘京デルタ"。日本と異世界との全面戦争が終結した後の、焦土と化した世界を生き延びてきた3人組だ。
ある日彼らのもとに舞い込んだのは、先の戦争で日本側が開発した自律型兵器"頂獣"の撃破依頼。"頂獣"は戦後、出撃基地であった海上要塞に閉じこもり、近づく者たちを根こそぎ屠っていた。脳筋大男に長身キザ男に狂信少女シスター、最凶のでこぼこトリオが絶対的脅威に立ち向かう! 
――しかし、
「オレ達も過去の遺物だってのか」
 やがて彼らは、自らの出生の秘密と対峙する。

 書き出し祭りとは、小説家になろう上で定期的に開催されている、ラノベ作家の肥前文俊ひぜんふみとしさん(@Hizen_h)主催の個人企画です。応募に集まった先着100人が『連載の第一話』を想定した3200~4000字の書き出しを執筆し、匿名で一斉に公開する。25作ずつ4つの会場に分けられて、読者は各会場で上位3つまで気に入った作品に投票し、後日結果が発表される。そんな企画です。読み手を引き込むための冒頭づくりが鍛えられます。
 こないだ第17回が終了したところ!

 この時のわたしはリザーバー枠(辞退者や原稿の欠けが出たときの補欠枠)での参戦でした。普段やらないけどわたしもケレン味厨二病的ローファンタジー好きだよ~やりたいよ~!!! ということで書いたお話(の冒頭)でしたが、なんか……小さくまとまっちゃったなって自覚がある! 実際、投票結果も評判もそんな感じというか、空気でしたね。好評も不評も少ない、一番かなしいパターン。
 でもとんがってて外から見て楽しそうでカッコいい主人公たちが書けた気がするので万事おっけーです。情報量多い割には、4,000字でどうにか無理なく捌ききれたしね。
 またこういうの書きたいですね。この作品自体の連載予定は今のところありませんが……。

3.レモンの木の約束(共通タイトルアンソロジー2参加作)

ジャンル:ヒューマンドラマ・青春
種別:短編
執筆開始時期:2021年12月
文字数・話数:19,364文字
あらすじ:絵を描くことと廃線跡が好きな大学生・浩司こうじは、恋人の菜々瀬ななせとともに、穏やかだが幸せな日々を過ごしていた。しかし、10年前に突然よそへ引っ越していった、浩司の幼馴染・優麻ゆまが彼のもとに再び現れる。心身ともに傷ついた姿で――

「……わたしには、こーくんしかいないから」

どうなる、三角関係。

 参加している創作コミュニティのメンバーで作った、共通のタイトルでお話を書くアンソロジー第2弾の収録作です。通販予定は今のところないかな……もし気になる方がおられましたら、今後の文学フリマで。(上のリンクはすでに終了した即売会のものです)
 参加メンバーの原稿自体は1年以上前に集まっていたのですが、いろいろあって頒布開始がつい4日前(note公開時点)になりました。やっと世に出せた! うれしい!

 拙作の内容ですが、大学生の主人公(彼女がいる)が生まれたときから住む町に、10年前急に引っ越していった彼の幼馴染が戻ってきて始まる青春ものです。間違っても恋愛ではない。さっきのあらすじの「どうなる、三角関係」は嘘です。ごめんなさい。
 読んだあと前向きで温かい気持ちになれるかと思います。

 ところで、当アンソロジーに寄せたあとがきをそのまま掲載するのでみてください。

 とある大好きなweb小説の、大好きなサブヒロイン。けなげで、かわいそうな境遇で、最後まで報われない。(主人公はできる限り誠実な対応をしていますが)
 主人公とメインヒロインが最初から結ばれているがゆえに、一部の感想で「出しゃばるな」「こいついらない」などと言われてしまう。そんな不遇で賛否両論のサブヒロインに、今も心を奪われています。その作品はもう完結しているので、きっとifエンドはない。どうか幸せでいてほしいのに。
 ――じゃあ、自分の筆で幸せにすればいいじゃん。それが出発点でした。もちろんキャラクターも設定も作品全体としても完全な別物にしていますが。
 ここまで強い感情でお話を書くのは初めてだったかもしれません。魂の19,384文字、どうかよろしくお願いいたします。

共通タイトルアンソロジー2『レモンの木の約束』あとがき(田面類コメント)より

 そういうことです。
 補足すると、そのweb小説の作者さんにはご許可をいただきました。改めて感謝の意を表します。
 ちゃんと一次創作にしていますが、それでも似た立ち位置・境遇のヒロインを書いたのは事実です。原作への敬意を込めつつ、そのヒロインがいろんな意味で幸せにあってほしかったという気持ちもぶつけました。いつか、当アンソロジー以外でも読める機会を作れればと思っています。
(なお、該当作品がどれかは秘密といたします)

2021年以前から引き続き書いてるお話のコーナー

1.わだつみさまの花嫁 ~家族と村の人に疎まれて海の神様への生贄にされたけど、海底生活は地上より幸せです~

ジャンル:異世界恋愛・ハイファンタジー・異類婚姻譚
種別:連載(現在連載中)
掲載サイト:『小説家になろう』『カクヨム』『エブリスタ』
執筆開始時期:2021年3月
文字数・話数:67,235文字・計21話(現時点)
あらすじ
 わたし、レナータは、海の幸と織物だけが名物の小さな村に住んでます。でも、不器用で機織りが苦手だから、家族にも村の人にも冷たい目で見られてる。だけどわたしも十五歳。成人したから、結婚話だってくるんだよ。お相手は――村と契約している、海の神様!?
でも、知ってる。二十年に一度、村から選ばれる『海神さまの花嫁』。あれは嫁入りなんかじゃない、生贄だって。わたしは花嫁衣装で海に沈められてしまうのでした……あれ、生きてるよ?
「ここでの暮らしに耐えうる器か、見定めさせてもらおう」
 気がついたら海底にいたわたしの前に、威厳たっぷりなコワモテの海神さま。さっそく夫婦の契りを結ばされて、やっていけるかなあ――って、土下座された!?
「余はもはや、姿を保つことすら危うい。どうか力を貸してはくれまいか」
 海神さまが力を取り戻すには"清らかな愛の力"が必要らしくて。見た目も立場も違うわたしたち、本当の夫婦になれるかな。わからないけど――意外とへたれかわいい海神さまとの生活は、村暮らしよりずっと楽しいです! あの人たちが今のわたしを見たら、どんな反応するかなあ。 

 進捗のろのろ&半年更新してなくて本当にすみません……。4月までお待ちいただくことになるかと思います。その更新で2章を終えたいです。
やっと海神さまとの交流・恋模様が本格的に進んでいきそうな感じがしています。ここに至るまで7万字もかかっている……。恋愛以外の物語の軸と、ファンタジー設定が多すぎるんですよね。
 今後もできるだけ明るく、ふわふわ温かいお話にしていく予定です。(シリアスさんも多少いるけど)
 読んでくださっている皆さま、恐れ入りますが今しばらく更新再開をお待ちください。

 
 それでは本編、2022年に書いたお話の振り返りです。

2022年に書いた(書き始めた)お話のコーナー

1.ヒーローは手遅れでやってくる

ジャンル:アクション・コメディ
種別:短編
掲載サイト:『小説家になろう』『カクヨム』
執筆開始時期:2022年1月
文字数:15,709文字
あらすじ
 日本一の平均日照時間を誇る町、澄ヶ丘すみがおか。その豊富な光エネルギー資源をしばしば狙われている。ここ最近も悪の組織が町を侵略しつつあった。そこへ立ちはだかるは正義のヒーロー、『秘密戦士Xエクスパラディン』! 
 ……しかし、その日は違った。敵幹部が現れたというのにXパラディンが出動しないのだ。そのせいで、ヒーローの後方支援を担当する三人組が前線へ出るはめに!?

 ヒーローの幼馴染な女子高生、司令塔担当・あい!
 見た目は大人、事実はチャラ男、メカニック担当・398サクヤ
 ただの酒飲みじいさん、しかし正体は……? 予備戦力担当・塚じい! 

 町は荒らされ、三人組はひとり、またひとりと倒れていく。果たして、ヒーローが現れるまで持ちこたえられるのか? そもそも、遅れまくって登場したヒーローが敵を倒しておしまいと、本当になるのか!? どったんばったんヒーローコメディ!

 電撃小説大賞に出したけど原稿にページ番号を振り忘れており、一次落ちの原因が規定違反か純粋に中身が足りなかったのか謎に包まれているお話です。何やってるんですか? 
 わたし史上初めて、純粋なコメディをやりました。テーマ性とか熱さとか真面目なシーンもなくはないけど、本当にちょこっとです。勢いだけでブッ飛ばしたエンタメをくらえ!!!
 余談:油断してると『仮面ライダーW』になりそうになるので困りました。舞台になる街の設定とか(風の街⇔太陽の街)。風都イレギュラーズみたいな、ヒーローのサポート集団が出てきたりとか。
 好きなんですよね、『W』。

2.武蔵ゆかりの地に住んでるはずだった話

ジャンル:エッセイ
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2,022年3月
文字数:1,154文字
あらすじ
『宮本武蔵ゆかりの場所』とされる寺院が立つ、とある街に住んでいたわたしの嘆きです。ゆかりがあったのは事実らしいけどかなりの事実誤謬があって、寺にある立派な石碑すら記述が間違っているとか。かなしいね

 謎の短いエッセイです。出身地にある宮本武蔵ゆかりの寺、事実ではあるし資料も存在するみたいだけど、だいぶ誇張とか誤謬があるみたいでかなしいね……夏休みの宿題で絵を描いたこともあるのにね……というだけの話をしています。
 いやでもかなしいじゃん!!!

3.長月、あの子の日記帳

ジャンル:ホラー
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2022年4月
文字数・話数:2,993文字
あらすじ
その教師には、今も心に引っかかる記憶がある。教育実習の際に読んだ、ある児童の奇妙な日記のこと。応えてやれなかった小さな叫びのこと。

 ショートショートホラーです。ホラー部分以外はそこそこ実体験。実は教員免許を持ってるんですよ、今のところ宝の持ち腐れだけど……。
 やっぱりわたし、ホラーであっても、恐怖を前面に押し出したものより、やりきれなさとか悲しさの滲むしっとりした作風のほうが向いてるのかもしれません。ちゃんとわたしなりのホラーになっている気がして、怖さは控えめですがお気に入りです。なおホラーはあまり読んだり観たりしないほうです。面白いのはわかってるけどこわいのも残酷描写も苦手なので……。

4.こーひーぶれいく

ジャンル:恋愛・歳の差
種別:短編
掲載サイト:『カクヨム』
執筆開始時期:2022年6月
文字数:5,993文字
あらすじ
中学校はあと1年あるから、大好きな先生ともあと1年過ごせると思ってた。 春から別の学校に移る理科の先生と彼を慕う女子生徒の、修了式の日の話。まっとうに恋が破れる話。

(この記事タイトルですが、中間選考の結果も載っています)
 web小説投稿サイト『カクヨム』上で開催された、『「5分で読書」短編小説コンテスト』中間選考通過作品です。受賞はできなかったけど、66/2412作品に残れただけでもだいぶうれしいですね。悔しいのは悔しい。
 
(浮気とか不倫とかじゃない)禁断の恋と、少女×成人男性の歳の差ものが好きです。でも成人男性側はちゃんと倫理観しっかりしててほしいな~~~!!と謎のこだわりを発揮した結果、こんなお話ができました。
 コンテストの字数規定が6,000文字以内のところ初稿で8,317文字をたたき出しまして、必死こいて削ったおかげでいい感じに物語が引き締まりました。本当にいる部分だけ見極めてそれ以外は思い切って削る作業、重要ですね。
 自信作で長さも手頃なので、名刺代わりの一作はどれ?と訊かれたらこれを推します。よかったらぜひ。

余談:このお話を書くため、コーヒー苦手なのにコメダ珈琲にこもり、思い切って注文したところ、なんとコーヒーが飲めるようになりました。コメダのプレミアムアイスコーヒー『sophia(ソフィア)』、めちゃウマなのでおすすめです。断じて回し者ではない。

5.きみのお嫁さんがよかった ~家同士のいざこざで"元"許嫁になった僕らが過ごす、最初で最後の熱い夜~

ジャンル:官能小説・ファンタジー・恋愛
種別:連載(完結済)
掲載サイト:『ノクターンノベルズ』
執筆開始時期:2022年6月
文字数・話数:27,236文字・全5話
あらすじ
男爵家の息子・アベルと公爵家の娘・ナタリー。本来なら釣り合わない身分のふたりは、それぞれの家が同じ魔術系統を研究している縁から許嫁となっていた。政略結婚(予定)にしては珍しいほどに仲は良好。しかしある時、家同士のいざこざから婚約を解消させられてしまう。
"元"許嫁となった彼らは、「決して燃え上がるな」という条件つきで、最後に一度だけ会うことを許された。あまりの理不尽にやりきれない気持ちを抱えながら、それでも気丈にナタリーの待つ宿へ向かうアベル。普段は明るく快活なナタリーが張り巡らせる、いくつもの甘い罠に気づかぬまま――

※リンク先R18につき注意!

 わたしのR18用名義、濡羽色葉ぬればいろはさんが爆誕しました。この名前めさめさお気に入りです。R18名義です!って感じと気品が両立している、気がする。
 前から一度はR18挑戦してみたいな、って思ってたんですよね。作風の引き出しは積極的に開けていきたい派です。ハードル高いなと思ってましたが、いざ書いてみたら楽しかったというか、明確に展開を盛り上げるべきシーンがあるわけじゃないですか。そこへ向かって文章でムードを高めていくの、やってて面白い工程だった。

 ヒロインのナタリー、初めて書くタイプの子で、こういうキャラクターになるとは自分でも思わなくてびっくりしてます。やたらお姉さんぶってて気に入った相手をからかいがちな明るい子だけど、実は一途でMっ気があって○○で……と、これ以上はネタバレいくない(死語)のでお口チャックです。
 ネタバレいくないとか言った口でなんですけど、終わり方本当にこれでよかったのか今でも確信が持てません。ダメな人もいるだろうなと思います。ただ、ふだん太陽のように明るい女の子が密かに抱える重たい愛情がすき、の気持ちで書いたものなのでゆるしてほしい。ごめんね。

6.離れ離れに育った妹となら背徳感も少しは薄れるかと思ったがそうでもないらしい。

ジャンル:官能小説・青春・恋愛
種別:短編
掲載サイト:『ノクターンノベルズ』
執筆開始時期:2022年8月
文字数:11,333文字
あらすじ
高校生の兄と、中学生の妹。ろくに記憶もないような時期に親が離婚したせいで別々に育ち、10年後にようやく再会したふたりは――致命的に距離の詰め方を間違えた。
わざわざ他県から兄の住む家を訪ねてくる、内気でちっちゃくて病弱な妹の身体を気遣いながら、静かにらぶらぶえっちするだけの話。

※リンク先R18につき注意!
 
 濡羽色葉さん第2弾です。
 前回ががっつりファンタジーだったので今回は現代もの。実妹ヒロインなのに強みであるはずの『関係性の近さ』とか『背徳感』をあんまり生かさない謎のひねり方をしています。
 意識して避けていたわけではないんですけど、お話の中で『家族』を描いたことがほぼゼロに近くて。さすがに一回は向き合っておきたいなと思ったのにこの設定だと実質他人なので、お話の中で『家族』と向き合うのは次以降の課題にしようと思います。

 内容についてですが、かなりしっとりしていると思います。ヒロインの湖雪、魅力的なキャラクター作るの苦手なわたしにしては可愛くていじらしいキャラクターになっている気がするので、なにとぞよろしくお願いします。
 あと、官能小説としては落第だと思います。だってふたりの関係性と心情描写に偏りすぎて全然エッチじゃない! お前R18でもこうなんか。感想でも『心理描写を丁寧に重ねてあって、エッチな話というより、兄妹愛の話のよう』という声をいただいたので、そうだよねと思いました、まる。お褒めの感想だったことは付記しておきます。

余談:『小説家になろう』とその男性向けR18版サイト『ノクターンノベルズ』、読者層やポイントの伸び傾向が違うので一概にはくくれないんですけど、現状この作品がわたし史上最多の評価ptを獲得しています。
『単なるポイントの伸びもありがたいけど、呼んでくださった方からの生の感想のほうがうれしい』というスタンスでいる人間ですが、今回ばかりはうれしいですね。人気ジャンルの皮被っただけの黒歴史が5年以上も自己最高ptの座に着いてたので……(その作品にも愛着はあります)

7.あいぞめ(境界アンソロジー『/(スラッシュ)』寄稿作)

ジャンル:ヒューマンドラマ・歳の差
種別:短編
執筆開始時期:2022年9月
文字数:15,324文字
あらすじ(アンソロジー主催者様の紹介ツイートより一部引用)
離水先生の元で俳句を教わっているゆず。新人賞に応募し奨励賞を賜ったが、貰った講評を読んで彼女は涙する。先生も同様に怒りを隠せない。それは、講評の中にある『とある名前』にあって……?

 百百百百ささもも(@Forbidden_100x4)さん主催の、『境界』をテーマにしたアンソロジーへの寄稿作です。通販はこちら↓から!


 自分たちで企画した以外のアンソロジーに参加するの初めてだったので、楽しくて貴重な経験になりました。ご一緒する皆さまも中身も強すぎてずーっと恐縮してるけど……。
 俳句がすきで歳の差がすき! じゃあ師弟もの書こう! という単純な成立経緯です。なんの境界を書いたかは読んでいただいてのお楽しみですが、とにかくまっすぐでじんわり暖かいお話になっていると思います。あと、俳句と日本語の楽しさも伝わっているといいなあ。俳句の技法とか説明はそればかりになってしまうとただの講座なので、単なる知識の羅列にならないようにいろいろ気を配りました。
 あとわたし、『強面でいかにも気難しそうだけど、実際は優しくて温かい、いまだに亡き妻のことを引きずっているやもめのイケオジ』がすきらしいです……これ書いてて自覚しました……。あと、ひょろ長い長身で角ぶち眼鏡をかけていて、不器用な性格だとなおよいです。皆さまからの情報提供お待ちしています。

余談:作中に出てくる新人賞の審査員講評、実際の新人賞のそれを参考にしたら妙なリアリティが出ました。妙な、としか言いようがない。

8.さよならの儀式(青春アンソロジー5『青の祝福』寄稿作)

ジャンル:ヒューマンドラマ・青春
種別:短編
執筆開始時期:2022年12月
文字数:8,419文字
あらすじ(アンソロジー主催者様の作品紹介ツイートより引用)
歌のテストで一緒になった千里さん。彼女の歌に魅せられて話をするようになった僕。今日で最後という日に千里さんは「さよならの儀式」をし……

 千羽稲穂せんばいなほ(@inaho_rice)さん主催の、『青春』をテーマにしたアンソロジー第5弾への寄稿作です。頒布ほやほやだよ!(2023/1/15文学フリマ京都) 通販は……未確認ですがいずれある、はず。
 青春アンソロは3で知ってから一読者として楽しんでいたので、今回でいったん最後というこの第5弾で末席に座れてとてもうれしいです。イラストも装丁も中身も、毎回テイストや参加者様が違うのにどこか一貫したものがあっておすすめです、青春アンソロ。

 寄稿作ですが、男女の友情と、わたし自身大好きな合唱曲『この地球のどこかで』と、旅立ちのための別れのお話です。『きみの背中を見せないで』(振り返り2020~2021編参照)といい、旅立つ日としての卒業を書くの好きかもしれない。
 ネタバレにならない範囲でオチの話をしますが、そこで終わっときなさいよ! ってところから一段ひっくり返しが入って終わります。ひっくり返しのびっくりに加えて、切実な感情がにじみ出たオチになっている気がします。最後にひと展開入れずに途中で終わることも容易だったはずなんですけど、そうしなくて正解だったのか。ぜひ読んでご判断いただければと思います。

余談:5%くらい実体験です。音楽の歌のテストで、出席番号の関係で好きな人とふたりで合唱することになり、その人のめさめさきれいな歌声を邪魔しないように必死で歌ったという青い経験がわたしにもある。

まとめ

 2022年の目標は「物書きにおいて『これは得意だ』って言えることやジャンルをひとつ作る」でした。結局優しさのある話しか書けないなって自覚は薄々してきたけど、それは得意とは違うので。正直、目標を達成できた気はしない!引き続きがんばります。

 それとは別に、2023年の目標をいくつか立てましょう。その1は「強い魅せ技に頼らなくても面白い話を作れるようになる」にします。
 強い魅せ技ってなに? 『対比』『タイトル回収』『伏線回収』『裏切り・どんでん返し』『ダブルミーニング』などを個人的にこう呼んでます。簡単に使いこなせるわけじゃないけど、決まるとめちゃめちゃ物語の盛り上げに効果を発揮するし、しっかりした構成にもなるタイプの技法。最近のわたしはこの辺に頼りすぎている気がしています。言葉遊びとかダブルミーニングとかどんでん返しから物語を考え始めることすらあるし。
『それぞれの物語に合わせて、強い魅せ技をある程度効果的に使える』ようにはなってきたけど、反面お話が小さくまとまってしまっているのが今のわたし。物語構成はきれいにできていて目立つ欠点もないけど、読んだ人に突き抜けて届くだけのものがない。
 上で挙げた強い魅せ技=小説技法それ自体はいいものであって、悪いのは強い魅せ技とメッセージ性でしか勝負できてないわたしなんです。

 それに関連して、2023年の目標その2は「読んだ人のうちたったひとりにでも、深く刺さるものを書けるようになる」です。誰かの宝物になりたい。
 
 と、理想をぶち上げたはいいんですけど、重要なのはどうやって実現させるかです。なので2023年の目標その3は「インプットとアウトプット・分析の量を増やす」です。いくらなんでも筆が遅すぎるし、読み物やニュース・楽しそうな趣味などのインプットも全然足りない。あと、書き上げた作品の振り返り・分析もちゃんとやりたい。PDCAサイクルをいっぱい回そう! 試行錯誤しよう! の心意気です。

 お話を書くのは楽しいです。だけどもっと楽しくしたいので、今年のわたしはいっそうがんばります。いろんな作風・環境に身を置いて、どんどん磨いていきます。
 今年もなにとぞ、わたしとわたしのお話をよろしくお願い申し上げます。

宣伝のお時間です

 すまんな!!!!!(大声)

  1. シナリオで関わっている同人ノベルゲーム『不可視議研究部』の体験版(~1章)が配信開始されました!

 体験版範囲ではシナリオ監修および校正のみですが、2章以降は執筆にも関わっています。というか2章以降のシナリオのほとんどを書いています。
幼馴染に誘われて『不可思議研究部』なる部活に入ることになった主人公が、個性豊かな部のメンバーとともに学校の七不思議の謎を解き明かしていく、学園×コメディ×微ホラーなノベルゲームになっています。
 申し訳ないことに完成版の配信はしばらく先になりそうですが、まずは体験版でいろいろ感じ取っていただければ幸いです。よろしくお願いします!


2. わたし個人の小説集を、今年中に同人誌として出します!

 今までに書いてきた短編のうち、比較的世に出せそうなもの(の加筆修正版)+書き下ろし数作で構成される予定です。

○コンセプト

一貫した「優しさ」を軸に、短編作品を光と影に分けて6作ずつ収録。
光=『前向きなラストで、読んだあとにじんわりとした暖かさが沁みる』作品
影=『誰も悪くない(あるいは、明確に悪いけど少しでもよくあろうとしている)のに後味悪かったり、切なかったりする』作品

 コンセプトはこんな感じです。優しさのあるお話しか書けないので。

○収録予定作(変更の可能性あり)

・光 
あいぞめ(境界アンソロジー『/』(スラッシュ)寄稿作)
ジャンル:ヒューマンドラマ×歳の差×俳句

またレモンの咲く駅で。(共通タイトルアンソロジー2『レモンの色の約束』寄稿作改題)
ジャンル:ヒューマンドラマ×青春

ヒーローは手遅れでやってくる(第29回電撃小説大賞応募作→なろう・カクヨムにて公開中)
ジャンル:アクション×コメディ

まだきみと話していたいじゃん。(仮題)(書き下ろし作品)
ジャンル:青春恋愛(?)

海優みゆちゃんの割烹着(仮題)(書き下ろし作品)
ジャンル:ヒューマンドラマ×飯もの×歳の差

・影 
ハンディ・ビースト(執筆中作品・第5回百合文芸小説コンテスト短編部門応募予定)
ジャンル:ヒューマンドラマ×ルームシェア×百合

長月、あの子の日記帳(カクヨムにて公開中)
ジャンル:ホラー

こーひーぶれいく(カクヨムにて公開中)
ジャンル:恋愛×歳の差

さよならの儀式(青春アンソロジー5『青の祝福』寄稿作)
ジャンル:青春恋愛(?)

利かない(仮題)(書き下ろし作品)
ジャンル:青春×スポーツ×先輩後輩

 今のところこんな感じ。2023/9/10(日)開催の、第十一回文学フリマ大阪という同人即売会で出すのが目標です。今のわたしの集大成であり、自己紹介。そんな作品集にしたいと思っています。お楽しみに!


 以上、田面類たづらるいでした! ここまでお付き合いいただきありがとうございました。