違いを理解して寄り添う。異文化の環境で働く上で大切にしている二つのこと
マネーフォワードではサービス開発・提供に加えて、非連続的な成長のために国内外の企業への出資を行っています。特に、インドネシアで法人向けのSaaSを展開する「Mekari」へは2018年の以降複数回出資をしており、マネーフォワードからメンバーが出向するなど、関係性が深い会社です。
今回は、マネーフォワードから2021年8月にMekariへ出向して、インドネシアで活躍している田中さんへ、Mekariの事業や、異なる文化の中で働くうえで大切にしていることを聞いてきました。
田中さんの出向の経緯についてはこちらのnoteもご覧ください!
プロフィール
「事業戦略」という新たなチャレンジ
ー まず初めに、Mekariの紹介と田中さんが取り組んでいることを教えてください!
田中:Mekariは「to empower the progress of business and its people(訳:全ての企業と働くプロフェッショナルをエンパワーメントする)」というミッションのもと、インドネシアの企業向けに、人事労務、会計財務などバックオフィスを効率化するSaaSのサービスを開発・提供しています。マネーフォワードでいうとバックオフィスSaaSの『マネーフォワード クラウド』シリーズがMekariのサービスに近いです。
インドネシアの商習慣、法規制への対応が充実していることや、オンラインバンキング、POS、eコマースといった他サービスとの連携の多さが評価されていて、現在は3万5千社を超える企業に使っていただいています。
ー田中さんはMekariの中でどんな役割を担っているんですか?
田中:僕がMekariで担当しているのは「経営企画」と「事業戦略」の二つです。経営企画の部分では、予算策定や管理、資金調達、M&Aの検討を主に行っていて、事業戦略では、価格戦略など全社横断的なプロジェクトを担当しています。経営企画業務は出向前にマネーフォワードでも一部関わっていたのですが、事業戦略はこれまで経験したことが無い新たなチャレンジで、しかも国が変わるので、本当にできるか出向当初はかなり不安を抱えていました。
1年半経った今でも、何か壁にぶつかった時は、マネーフォワードのメンバーに相談するようにしています。マネーフォワードの事例を詳細にヒアリングしたり、壁打ちをしてもらっています。ただ、日本とインドネシアではビジネス環境が異なるので、マネーフォワードの事例をそのままインドネシアで適用できる訳ではありません。もらったアドバイスを、インドネシア流にローカライズするという点はいつも気をつけています。
大切なのは異文化への「Respect」と「伝え方」
ー異文化の環境で働く中で大切にしていることはありますか?
田中:マネーフォワードのMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)にもある、「Respect」の精神はとても大事にしています。異なる文化の中、自分の価値観を押し付けずに、まずは理解するようにしていますね。ただ、理解しすぎると今度は意見をまとめるのが難しくなる。時には正解が分かりにくい、難しい決断もあるのですが、そういう場合は全員が納得できるように、自分の考えを丁寧に伝えることを意識しています。時には対面でのコミュニケーションの場を設ける、資料やメモに定量的な情報を落とし込むなど、どうやったら伝わるか日々考えながら工夫しています。
ー田中さんは過去にも海外で働いていた経験がありますが、「Respect」と「丁寧に伝える」という2点は昔から大事にしていたことですか?
田中:「Respect」は昔からずっと意識していたことです。ただ、「丁寧に伝える」という部分についてはインドネシアに来てからスタイルを変える必要がありました。特に大きなターニングポイントがあった訳ではないのですが、自分の発言の粒度が粗くて、それによってメンバーが業務を前に進めることができなくなったり、ボールが落ちがちになったりする場面を何度か目の当たりにしたんです。多様な文化が混ざる環境の中では細かいところまで言語化して伝える方が良いと思います。
インドネシアに住むことで生じた二つの変化
ー田中さんは出向開始から半年はコロナの影響でリモートでの勤務でした。実際にインドネシアに引っ越して変化はありましたか?
田中:良い変化が二つあります。一つは、現地マーケットへの理解がしやすくなったことです。インドネシアと日本では企業が抱えている課題やSaaSに対する考え方は異なるので、違いの理解が必要です。例えば、SaaSに使う予算額、利用料金の支払方法など、日本とインドネシアでは感覚・習慣が異なる点があります。インドネシアの企業の方がどういう所に不満を持っているのか、どういう所に良い反応を示すのか、実際に現地で企業の方と会って直接反応を知るのは僕にとって必要な体験でした。
二つ目は、社内コミュニケーションが取りやすくなった点です。Mekariはリモートでも働けるので、仕事自体はオンラインツールを使えばできます。ただ、Zoomだけのコミュニケーションだと余白が無いので、雑談などはどうしても難しくなってしまいますよね。インドネシアにきてから、対面でのコミュニケーションができるようになったことで一気に距離が縮まりました。一緒にランチを食べたり、休憩中に雑談をしたり、出社している時はなるべくメンバーと話すように心がけています。
Mekariもマネーフォワードも熱い!
ー Mekari社内の雰囲気はどうですか?
田中:Mekariはマネーフォワードと雰囲気が似ていると思います。マネーフォワードもMekariも企業のバックオフィス向けサービスを提供していますよね。To Cのサービスに比べてバックオフィス向けのものは普段生活する分には目に触れる機会もほとんど無いし、どちらかというと目立ちにくい存在だと思うんです。それでも、会社のミッション・ビジョンに共感し、情熱を持って日々の業務に取り組んでいるメンバーがいます。そういう部分がマネーフォワードの雰囲気と似ていますね。
また、Mekariにもマネーフォワードと同じく会社として掲げているカルチャーがあるのですが、カルチャーもマネーフォワードのMVVCと共通しているものがあります。例えば、両社とも「Respect」や「Teamwork」というワードが入っていますし、Mekariの「Customer First」はマネーフォワードの「User focus」と共通しています。カルチャーが似ていることも両社のメンバーの雰囲気が近いことに繋がっているのかもしれません。
ー業務面でMekariとマネーフォワードとの交流はありますか?
田中:両社とも法人向けの業務システムを開発している共通点があるので、お互いに学べることはたくさんあります。プロダクト開発、セールス/マーケティングなど幅広いテーマで、マネーフォワードとMekariのメンバーがディスカッションする場は、大体月に1回程度あります。僕が提案することもありますが、多くはMekariのメンバーからのリクエストがきっかけです。
前例にとらわれない「攻め」のチャレンジが今後の目標
ー田中さんはMekariでこれから先どんなことを目指していますか?
田中:MekariがインドネシアのSaaS業界において圧倒的なポジショニングを築くことを目指しています。経営企画、事業戦略と業務範囲は幅広くなっていますが、Mekariメンバー全員がフルスイングできるように、会社として登っていく山を明確にし、どうすればその山に速く登れるかを皆で作り固めていくことが、僕のミッションだと思っています。当面はインドネシアでと考えていますが、いつかは他の国でもチャレンジしてみたいですね。
ー現在、Mekariでは営業メンバーを募集中されているそうですね。
田中:はい。Mekariでは製品開発が進み、中堅・大企業様にもご利用いただけるようになってきました。そのため、在インドネシアの日系中堅・大企業へのソリューション提案を行っていただくメンバーを現在募集しております。インドネシアのSaaS企業で働くことに興味のある方はぜひTwitter(@TanakaHarutoshi)のDMへご連絡ください。
<Mekariの募集要項はこのnoteの最後に記載しています>
ー最後に、マネーフォワードに興味を持ってくださった方へメッセージをいただけますか?
田中:マネーフォワードにはチャレンジできる機会がたくさんありますし、挑戦を応援するカルチャーもあります。実際に僕も海外の出資先への出向という、社内で前例が無いチャレンジをさせてもらいました。新卒数年目で海外開発拠点に出向経験したメンバーもいますし、投資先という文脈以外でもグローバルにチャレンジできる機会はあります。
もし関心のある領域があれば、とことん取り組み挑戦できる環境が整っています!
あとがき
本文では田中さんが働く上で大切にしていることとして、「Respect」と「丁寧に伝える」という2点を紹介しましたが、実はインタビューではもう1点仕事上での工夫を教えてくれていました。なるべくメンバーの本音を引き出せるように、1on1で話す機会を意識して作るようにしているそうです。
もともとMekariへの出向も、田中さんとMekari経営陣との地道かつ丁寧なコミュニケーションで築かれた信頼関係によって決まったものでした。この、田中さんの一貫した丁寧さが強みとなり、異なる文化での現在の仕事にも活きているのだと感じることができました。
<Mekariではセールス担当者を募集しています(1名限定)>
人事労務SaaS「Talenta」、顧客コミュニケーション管理SaaS「Qontak」の新規開拓営業を担うポジションです。在インドネシアの日系中堅・大企業を対象に、潜在顧客の開拓から、課題ヒアリング、ソリューション提案まで一気通貫で担当いただきます。
ご興味のある方は田中さんのTwitter(@TanakaHarutoshi)のDMへご連絡ください。
写真・文章:田淵 志津香(広報部)
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