感覚は、得に行かないと心まで届かない。│ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!⑩
第二巻 観念について
第九章 知覚について
身体にどんな変更が加えられようと心にとどかなければ、外の部分にどんな印銘がなされようと内部で覚知されなければ、知覚はないのである。
五感を通して得た感覚は、「知覚」することで心まで届きます。
つまり、視界に入ったものを、
「見た!」
と自覚することで、見たものが記憶に残るのです。
「そんなの当たり前じゃないか!ナメてんのか!」
と言われそうですが、ちょっと待ってください。
例えば、スマホを見ているとき、スマホの周りの景色も視界には入っています。
しかし、我々が知覚するのはスマホに映るものだけで、周りの景色なんて全く記憶にありません。
そう。
視界に入っているだけでは、「見ている」とは言えないのです。
意識的に見に行くことで、初めて知覚することができます。
なので、相手のフォーム全体を見るためには、
「相手のフォーム全体を見るぞ!」
と意識して、しっかり全体を視野に入れに行く必要があります。
なんとなく相手の方を見ているだけでは、それは何も見ていないのと同じなのです。
「相手のラケットを見る!」
「ボールをよく見る!」
など、特定の部分を見てしまうのも、スマホ画面と同様に、それ以外の部分が見えなくなってしまいます。
多くの感覚が、知覚できなくなってしまうのです。
相手のフォーム全体を、しっかり見に行く。
相手の打球を見て、しっかり答え合わせをしに行く。
打球感をしっかり感じに行く。
このように、能動的にアンテナを張って、できるだけ多くの感覚を知覚しましょう。
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