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3種の「感覚」を一致させることで、上手く返せるようになる。│ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!⑨

第二巻 観念について
第八章  感覚の単純観念にかんする若干の補論

これらのうち、第一は(中略)一次性質と呼んで、通切であろうと思う。
(中略)
他の二つは、他の事物へさまざまに働く力能にすぎず、その力能は、それら一次性質のさまざな変容の結果なのである。

前回、3種類の感覚を解説しました。

1つ目は、相手のフォームそのものです。
2つ目は、相手の打球です。
3つ目は、こちらが打ち返したことで得た「感触」です。



これらのうち、1つ目は相手の動き自体なので「一次性質」と言います。

あとの2つは、相手の動きが及ぼした結果なので「二次性質」と言います。

(これは、僕による卓球用の解釈です。)



さて、いよいよ本題です。



練習とは、

「一次性質から、二次性質をイメージするトレーニング」

のことです。



つまり、

「相手の動きを見て、どんなボールが来るかを予測できるようになりましょう!」

ということです。



ちょっと練習をイメージしてみます。



まず、相手のフォーム(一次性質)を見ます。

このとき、特定の1ヶ所を見る必要はありません。

そうしてしまうと、他の部分が見えなくなってしまうので。

なんとなく全体の雰囲気を見てください。



そして、相手が打った瞬間には、どんなボールが来るか(二次性質)をイメージしておいてください。



その結果、イメージ通りのボールが来れば、上手く返せるでしょう。

「あのフォームに対しては、このイメージで良いんだ!」

と内省して、イメージを採用しましょう。



結果、イメージと違うボールが来れば、ミスをするでしょう。

このときは、イメージのどこがズレていたのかを内省します。

「思ったより球が速かった」
「思ったコースと違った」
(感覚の2つ目)

「思った回転と違った」
「思ったより威力があった」
(感覚の3つ目)

など、ズレを見つけ出した上で、

「あのフォームに対しては、もうちょっとこういうイメージで行こう!」

と、イメージを修正しましょう。



これを繰り返すことで、一次性質に対して、二次性質のイメージを結びつけていきます。



これが練習なのです!



そして、イメージをたくさん持つことで、

「このフォームには、このイメージ!」

「このフォームは初めて見るけど、あのフォームよりちょっと威力を抑えそうな雰囲気だから、あのイメージよりちょっと強く振ろう!」

など、あらゆるフォームに対してイメージを持てるようになります。



これによって、

「相手が打つ前に何が来るか分かる」

という境地に達することができるのです。



よく、

「ボールをよく見ろ」

と言う人を見かけますが、これは完全に間違いです。



これってつまり、

「二次性質をよく見ろ!」

ということですが、これだと、相手の打球がネットを越えたぐらいでようやく動き出せることになります。

そんなんじゃ絶対に間に合いません。



本当に見るべきは一次性質であり、そこから二次性質を予測して、先に動き出すことで、卓球はやっと間に合うのです。



二次性質は、あくまで「答え合わせ」として見るに過ぎません。

「二次性質を見ろ!」

と言うのは、

「答えを見ろ!」

と言うのと同じことです。



問題も見ずに答えを見たところで、学力が上がる訳がありません。

卓球も同じということです。



相手のフォーム(一次性質)を見て、球質(二次性質)をイメージする。

そして、実際の打球の球質を見て答え合わせをする。



これを強く意識して、練習するようにしてください。


⑧「感覚」には3種類あります。
⑩感覚は、得に行かないと心まで届かない。

ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!

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