なんの技術か分からないことをやると、相手は混乱する。│ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!㉖
第二巻 観念について
第二九章 明晰な観念と不明瞭な観念、判明な観念と混乱した観念について
その絵では、いろいろな色が画筆で画板に塗られているが、そうしたいろいろな色はたいへん奇妙で日ごろ見ない形を標示し、位置になんの秩序も識別できないのである。
(中略)
絵を混乱したと思わせるものは、絵をある名まえに、すなわち、他の名まえよりこの名に属すると識別されないようなある名まえに、当てはめることなのである。
人は、タイトルの分からない物を見ると、混乱します。
例えば、水平線とオレンジ色の太陽が描かれている絵に、
「朝日」
というタイトルがつけられていると、混乱は生じません。
紫色の線がぐちゃぐちゃに描かれている絵に、
「朝日」
というタイトルがつけられていると、混乱します。
太陽の紫外線を表現してるのかもしれないし、でもしっくりはこないし、だからといって、他に妥当なタイトルも見当たらないからです。
卓球でも、同じ混乱を生むことができます。
例えば、しっかり上回転をかけた山なりのボールを打てば、相手は、
「ループドライブだ!」
と思い、別に混乱しません。
もし、弱い上回転で山なりのボールを打てば、相手は、
「ループドライブ…でもない!
でも乗っけ打ちでもなさそうだし、何だこれは!?」
と混乱します。
つまり、既存の技術のある要素を変えて、どの技術にも該当しないボールを打てば、相手を混乱させることができます。
「ツッツキ…にしては回転がかかってない!」
「フリック…にしては横回転がかかってる!」
「逆チキータ…にしては短い!」
「カウンター…にしては山なりだ!」
など、何でもアリです。
常識にとらわれず、既存の技術にアレンジを加えてみましょう。
㉕ループドライブとスピードドライブの区別が意外とついていない。
㉗他人の悪いところはよく見えるが、自分の悪いところはなかなか見えない。
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