これまでの観察を基に、次のボールを予測することができる。│ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!⑰
第二巻 観念について
第二一章 力能について
これまで行なわれてきたとまったく絶えず観察してきたところから、将来も同じ事物に似よった変化が似よった作用者によって似よった仕方で行なわれようと推断する。そこで、心は、ある事物にその単純観念のどれかが変化させられる可能性を考え、いま一つの事物にこの変化をさせる可能性を考える。こうして、心は、私たちが力能と呼ぶ観念をえるのである。
人は、これまでの経験を基に、将来を予測することができます。
例えば、あなたの前を、二人組が歩いています。
二人は、おしゃべりに夢中になっています。
そして、道の前方にポールが立っています。
このときあなたは、
「あの人、ポールにぶつかるな。」
と予測することができます。
二人の様子から、二人は前方不注意であり、ポールに気付かないだろうと推測したわけです。
このように、目の前の現状から、この先どういった運動が行われるかは、予測できるのです。
卓球も一緒です。
相手のフォームから、どういうボールを打ってくるのかを、予測します。
バックスイングが大きければ、強いボールが来ると予測できます。
バックスイングが小さければ、弱いボールが来ると予測できます。
バックスイングを後ろに取れば、強打が来ると予測できます。
バックスイングを下に取れば、ループドライブが来ると予測できます。
今、バックスイングを例に出しましたが、これは決して、
「バックスイングをよく見ろ!」
ということではありません。
バックスイングは、ほんの一例に過ぎません。
ラケットの角度、肩の入り具合、前腕の力の入れ具合、腰のひねり具合、膝の曲げ具合、右足親指の踏ん張り具合…
など、挙げ出したらキリがありません。
なので、相手全体を見て、総合的な判断で予測をする必要があります。
どこか特定の1ヶ所を見ても、正しい予測はできないのです。
AIの画像認識と同じです。
AIに「リンゴ」というものを教えるのに、
「赤くて、丸くて…」
という特徴を教え込むことはしません。
とにかくリンゴが映った画像を見せまくり、AI自身にリンゴの特徴を見つけてもらいます。
「とにかく見る」という方法で、AIはリンゴを知るのです。
卓球も、同じ方法で予測ができるようにしていきます。
「相手があんな感じだと、バックに深くて回転の強いループドライブが来る。」
「相手があんな感じだと、ミドルに甘めのツッツキが来る。」
など、相手のフォームとその結果をとにかく見ます。
これをとにかく経験し、反復することで、似たようなフォームで相手が打ってきたときに、
「あっ、あの感じは、ミドルに甘めのツッツキが来る!」
と予測でき、強打の準備ができるようになります。
さぁ、AIを見習って、とにかく相手をよく見るように心掛けましょう。
⑯絶望して悲しそうにしてますけど、本当は「絶望したかった」んじゃないですか?
⑱辞めようが続けようがモヤモヤは続く。抜け出すには、成功するまで続けるしか無い。
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