人の意見を鵜呑みにしているうちは、あなたは何も知らない。│ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!㊳
第四巻 真知と臆見について
第一八章 信仰と理知ならびにその別個な領域について
どんな事物も、この啓示という資格のもとで、だれにもわかる真知を動揺させたり圧例したりすることはできず、あるいは、ある人間を理知的に説き伏せて、その人自身の知性の明晰な明証に端的に矛盾しながら真だと許容させることはできない。
「百聞は一見にしかず」
ということわざがあるように、人は、他人の意見より自分の経験を優先します。
例えば、あなたは「リンゴは赤い」ということを知っています。
そこで誰かが、
「リンゴって本当は黒いんだよ!」
と言ったところで、あなたは自分の経験を優先して、「リンゴは赤い」という知識を維持します。
一方で、誰かが、
「シュガーアップルって赤いんだよ!」
と、あなたが知らない物に関することを言ったらどうでしょう。
これを言った人がオオカミ少年でもない限り、とりあえず信じると思います。
そして、シュガーアップルをググって、初めてシュガーアップルを見ます。
「なんだよ、薄緑じゃねえか!」
と言いながら、自分の経験を優先して、知識を変更します。
このように、人は経験が無いときだけ、他人の意見を鵜呑みにします。
卓球でも同じです。
自分自身に確固たる感覚があれば、他人のアドバイスがあっても、自分の感覚を優先します。
これくらい自分に自信が持てると良いですよね。
一方で、自分自身に感覚が無い場合は、他人のアドバイスを求めます。
新しいことに取り組むときは、感覚が無いのは当然なので、まずアドバイスを求めるのも当然の行動です。
問題は、もう長く取り組んでいるのに、未だに同じレベルのアドバイスを求め続けている状態です。
アドバイスを鵜呑みにし、上手くいかなかったら新たなアドバイスを求める。
貪欲にアドバイスを求める姿は熱心に見えるんですが、実は自分の頭を使っていない、他人任せなだけの状態です。
本当に大切なのは、自分の感覚を磨くことです。
シュガーアップルをググったように、感覚を探しに行くのです。
アドバイスを元に、
「もうちょっと前に振った方が良いか」
「もうちょっと打点が早い方が良いか」
などと、微調整を繰り返して感覚を掴みに行きます。
この、「感じ、考える作業」こそが、確固たる感覚にたどり着くために必要です。
卓球のコツは、最終的には体の内側で掴むものです。
外側でだけ頑張っても、上手くはいかないのです。
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