- 運営しているクリエイター
#3行日記
「今日からお仕事を始めますか?」と君は尋ねる。
「うまく読めるかどうか、まだわからないけれど、少しずつでも慣れていかなくてはならないから」
「どこかで君に会ったことはなかったかな?」と私は思わず尋ねてしまう。
「いいえ、お会いしたことはないと思います」と君は答える。5-31
「お待たせしてごめんなさい。…」
「ところで御用向きは?」と君は尋ねる。
私が求めるのは古い夢だ。
「古い夢に手を触れるのは夢読みに限られています」
…、瞼を上げて君に見せる。見違えようのない夢読みの眼だ。
「わかりました。あなたにはその資格があります」5-30
亀仙人の還暦の祝いを交流センターで行いました、プロレスの仲間と久し振りの再会を楽しみました。宴会の中で亀仙人は、中国の龍の話をしました。弟子である牛魔王が山東省に行くなら、娘が住んでいるので御世話しましょうと言いました。ブルマも航空券の手配と宿泊場所を探していたので助かりました。
ドアの奥には五メートル四方ほどの、やはり真四角な部屋があった。
…薪ストーブが据えられ、赤々と火が燃え、…大きな薬罐が湯気を立てている。
カウンターの奥には、書庫に通じていると思える暗い色合いのドアがあった。
私は重いコートを脱いで…誰かが姿を見せるのを待った。5-29
その建物の扉を押したのは、街に入って三日目の夕刻だった。
特徴のない石造りの古い建物だ。
…それが図書館だとはわからないようになっていた。
…、奥には薄暗い正方形の部屋があった。
部屋の正面の突き当たりにドアがあった。
ドアを軽く二度ノックしてみたが返事はない。5-28
初めから旅行したのも夫との関係を整理したかったのかも知れない。偶然、貴方と出会った事がきっかけになったけど、40才を迎える前にもう一度、私の人生と向き合いたかったのだ。仕事も転職しようと思っている。心機一転、本人の為に努力出来る環境に身を置きたいと考えている。楽に生きるつもりだ。
次男の弁当を作りながら、コミュニティラジオを聴いている。貴方の真っ直ぐな話し方を聞いていると旅行先での対話を思い出した。公園で息子と遊んでいると君と偶然再会する機会が何度かあった、その時にする会話も自分の想いに嘘をつかないので私の今の状況を見直すきっかけになった。夫のことである。
「きみの書いた文章をもっと読みたいんだ」とぼくは言う。
「わたしも、あなたの書いた手紙をぜひ読みたい」
きみの手紙は1週間後にぼくの元に届く。
ぼくらは恋人同士だったのだろうか?
ぼくらは二人だけの、…分かち合うようになる、高い壁に囲まれた不思議な街を。4-27
人生の運命を変えてしまったのは、旅先で貴方とであったこと。観光を目的に乗ったフェリーの船上できみと話し込んでしまった。近所のコミュニティFMのDJと分かり意気投合した。そんな出会いもあるんだなって思ったよ。都の子育て支援で大学の無償化をして欲しい、選択機会を増やしてと感じていた。
きみはとても美しい少女だ。
ぼくら五人の入賞者は順番に壇上に上がり、表彰状と記念メダルを恭しく授与される。
ぼくは手帳のメモ部分に自分の住所と名前をボールペンで書き付け、…こっそりきみに手渡す。
「もしよかったら、ぼくにいつか手紙を書いてくれないかな」ときみに言う。4-26
プロレスの巡業場所で、書道イベントが開かれて、ブルマも呼ばれる事が多かったです。ブルマも身体を動かすのがすきだったので、試合を観るのが楽しみでした。亀仙人も性格が明るかったので、2人は気が合いました。ある日、那覇市での仕事を亀仙人にお願いされて、この人とは縁があるなと思いました。
エッセイ・コンクールのテーマはわたしの友だちというものだった。
ぼくはうちで飼っている猫について書いた。
きみは毋方の祖母について書いた。
ぼくの書いたものなんかより数倍優れている。
わたしは逆に、あなたの書いたものの方が数倍優れていると思うと言う。4-25