見出し画像

まちのワークスペース『studio00』

株式会社TABは岐阜県大垣市にある設計事務所です。
ARCHITECTURE AND AROUND とあるように、建築設計のみならずメンバーそれぞれ様々な活動してますが、今回はTABも参加してます大垣のまちづくり会社が運営するまちのワークスペース『studio00』(スタジオゼロ)について書きます。

『studio00』は大垣駅南口から徒歩5分くらいの場所にあるビルの2階、70㎡程度の広さのキッチン付き会員制コワーキングスペースです。本来は4月にサービス開始予定でしたが、新型コロナウイルス感染症対策にともなう岐阜県の緊急事態宣言の発表によりオープンの延期を余儀なくされました。ですが、これをいい機会にちょっとバージョンアップ(動画撮影用ブース追加)&クラウドファンディングからませつつ6月にサービス開始することになりました。

基本的には木製ブースで仕切られた占有スペース(下の写真)有の契約で37500円/月、フリーアクセス契約で14500円/月になってます。詳細についての確認・ご利用希望・内覧希望の方はこちらの申し込みフォームからお問い合わせお願いします。

画像2


内部空間について

画像1

程よく仕切られた3帖程度の木製ブース×3を空間の中央に置いて、回遊できる動線に接してフリーアクセス用のオープンスペース、キッチン、共用本棚が配置されるプランです。

画像3

TABの案件ではよくあることですが、自主事業に近いものでもあったので初期コストをなるべく節約すべくインテリアについては、ほぼDIYでの工事になりました。

DIYでの場所づくりのためのキット

ここで登場するのが『Kiosk』という組み立て式木製ブース。
こちらはTABメンバーの冨田くんも参加してます『LAP』というデザインチームの素敵なプロダクトになります。

Kiosk
角材とジョイントパーツを組み合わせ、フレーム状の簡易スペースを構成するシステム。ベースとなるフレームにパーテーションや棚板などのオプションパーツを取り付けていくことで用途に合った空間を構成でき、またスペースの大きさにおいてもジョイントパーツの組み合わせにより、「スペースの拡張」「スペース同士の接続」と用途の規模に則し可変的に設置が可能となっている。
このKioskを設置することにより、既存の空間の中に小規模なスペースを新たにつくり、popupstoreや展示ブースなどのコンテンツに対応した一つの場を作り出すことができる。

上記のLAPウェブサイトからの引用にある通り、建築から切り離した状態でフレキシブルに仕切りをつくることができるので、最近のTABのお仕事でもちょくちょく活用させてもらっております。

特徴として、今後設計という行為において普通になっていくとは思いますが、Rhinoceros + Grasshopperによる設計プロセスと切り出し加工用データ出力の効率化があります。そして施工部分についてもいろんな意味での効率化も実現されております。角材を接合する機能と組み立てるうえでの治具機能がいっしょくたになったような、CNCで切り出すベニヤ製のジョイントパーツがそれを担っておりまして、このジョイントパーツがあれば、インパクトドライバー使える人が2人で、朝ホームセンターで材料購入とカットをすませば、規模にもよりますが1日で大体施工できてしまいます。

こちら『studio00』の施工風景動画になります。

もうひとつ空間を構成する要素として『LOHA』シリーズの組み立て式の家具があります。(最近TABのsnsでしつこいくらいに宣伝してますが...)こちらもDIYでの空間づくりに適したキットかと思います。

画像4

コスト的な部分だけでなく、つくる行為の共有がもたらすコミュニティ形成への+効果は絶大です。自分の経験上ですが...。詳細は以前のnote記事読んでいただけたらと思います。

こういうキットとか使ってDIYでほしいものや場所をつくってく事例が今後増えていくはずと考えておりまして、個人的には、ものづくり・場所づくりの民主化の現時点でのひとつの方向性みたいな感じで認識してます。

まあこうやってDIYだの自主施工的なことをやってますと、『よくやるね』だの『お金になるの?』だの『自分はデザインだけでいい』みたいなことよく言われたりしますが、事業やる立場になったらそういうの吹っ飛びますからね。特にお金の部分。事業成立させるためにやれることはやっていこうって誰もが思います。

今後、事業やる側に立ったうえで設計行為できることが評価される機会が増えていくと思います。それに自主事業やってるからこそ、そこで行った設計が評価され、次の仕事につながることになっていくだろうなと。まあ事業失敗したらダメなんですが...。『こんな空間が欲しいです』っていうお客様を対象にした受け身な設計行為のみでお金をもらう仕事は単なる下請けの仕事&なくなっていくものと思ってます。

地方都市に拠点を持つメリット

以前から大垣みたいな地方都市のメリットみたいなものはいっぱいありました。交通の便とか、ちょっと移動すればアウトドア系充実とか、子育てしやすいとか...。

ただ大都市でのメリットと比べるとかすんでしまうものも多く、観光資産とか、特殊な特徴とかないとなかなか移住とか拠点の候補みたいなものにはなりづらいのかなーと考えてましたが、今回の新型コロナのことで地方都市メリットはかなり見えやすくなったなと思います。

地方都市の中心部の役割みたいなものが単なる商業で成立しなくなってるなかで、『studio00』みたいなまちのワークスペースをを整備していくのは、まちの更新という観点でも、地方都市に拠点を持つことのメリットをさらに際立たせるという観点においても有効的なことになっていくのではと考えて今回のコワーキングスペースも準備してましたが、コロナ以前ではなんかこう長い目で見ないといろいろ難しいよねって思ってました。

ところがここにきて物理的な変化の方がはじまってしまったことで、以前よりやってることがクリアになったなと感じています。

ただ実際どうなっていくかはよくわかりませんが...。

実践してみる

今後まちのなかで、ワークスペースを含めた生活していく上で必要な空間とかコミュニティがどうなっていくかっていうのはなかなか予測がつかなくて、実際にオルタナティブなスペースを運営し、アップデートしていくことでしか実現できないだろうと考えてます。

そして地方都市の魅力がわかりやすくなったとしても、それが実現できる仕組みを準備することなしで、多拠点の候補のひとつとして岐阜・大垣を選んでくれるはずもないです。

ということなので、『studio00』は場所のつくりかたも含めた、まちの機能の更新・アップデートのある種の実験場にしたいと思います。小さな場所ではありますが、いろんなことをここで実践していって、つぎの場所づくりに生かしていこうと思います。

そんなこんなで、6月初旬からクラウドファンディングが開始されまる予定です。空間はできてますので、追加機能である動画撮影ブースだったり、新型コロナウイルス感染症対策のための費用を集めています。公開前の限定リンクになりますが、チェックしていただけたらと思います。

リターンには『LOHA』スツール(リモートDIYサポート付き!)、高額ですが『Kiosk』を活用したブースもあります。それ以外にもTAB周辺の愉快な仲間たちや大垣の老舗企業からの素敵なリターンもりだくさんですので興味のある方はご支援の方よろしくお願いいたします!『studio00』利用に関するお問い合わせもお待ちしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?