PPG

忘れたくない事を、書きたいな。

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最近の記事

「君たちはどう生きるか」を見て思ったこと。(本編に関するネタバレは無し。)

トトロって優しかったよな。 子供の頃、「となりのトトロ」を何度も見た。 テープが擦り切れるほど何度も見た。 振り返ると、あの映画は子供の味方をしてくれてたのだなと思う。 私にとってトトロは、「大人は子供の事を全然わかってくれないよね?」という消極的な共感ではなく、「子供にしか見えない世界があるのだ!」という積極的な肯定をしてくれた。 大人に軽くあしらわれがちな子供は、 この映画を見る度、優しく励まされるような気持ちになったはずである。 子供は、自分が触れるコンテンツを能動

    • インドで出会った聖人。

      ヒンドゥー教の聖地、バラナシに向かう列車の中だった。 走行中にもかかわらず開け放たれた乗り降り口から、足をぶらぶらさせながらタバコをふかし、流れゆく異国の風景を眺める私の肩を不意に叩いたのは、見知らぬ外国人だった。 「タバコを一本くれないか。」 そう言った彼の風貌は、キリストをイメージさせた。 30代後半くらいの、ひげもじゃのナイスガイ。 ハイライトのメンソール一本渡すと、妙に気に入られてしまったようで、一緒にバラナシを観光しようと言う。 明らかに警戒するべき場面では

      • 何とかならなかった人生について。

        「人間生きてりゃなんとかなるさ。」 落ち込んだ人を元気づけるために、よくこんなセリフが言われる。 その度僕は、なんとかならなかった人の事を考えてしまう。 ================================================== その人は、飲食店のオーナーだった。 そして当時バイトしていた居酒屋によく一人で飲みに来ていた。 茶色く染め上げた長髪、タイトなパンツに派手な上着を羽織っていた。 おそらく付き合っているのであろう、ミステリアスな雰囲気な女

        • どんな顔をして、働けばよかったのか。

          がんばっても報われない。 たぶんほとんどの人がそう感じていると思う。 みんな自分の事で精いっぱいで、 言いたい事を言いやすい所にぶつけ、 文句を言いながらなんとか今日をやり過ごす。 働き始めた20代の頃、私が一番避けたかった状況だった。 今、30歳を超えてまんまとなりたくなったおじさんになりつつある。 最初に得た仕事は、輸出入される貨物の配送や通関を手配する会社の事務だった。 グローバルで専門的な知識もつきそうで楽しそうだと思ったのが、選んだきっかけだ。 「どうせ死ぬ

        「君たちはどう生きるか」を見て思ったこと。(本編に関するネタバレは無し。)