チームが生まれ変わる「OKR」
明日から社会人になるのですが、会社で「OKR」を採用しているという話を聞いていたので、この本を読みました。
1年ほど前に一回読んでいたのですが、そのころはアウトプットをする習慣が特になく、内容を忘れている部分もあったので、再度読むことにしました。
OKRは「会社として」「チームとして」結果を出すための方法なのですが、個人的な目標を達成するためにもすごく重要な内容だなと思いました。また、最近取り入れたタスク管理方法である「GTD」とも似通った部分があり、成功する会社やチーム、人は本質的に似ている部分を持っているのだなと実感しました。
今回も、本を読んで学びになった部分を3つの視点でまとめましたので、ぜひ読んでみてください!
■そもそもOKRとは
学びを説明する前に簡単に「OKR」について、紹介します。
「O」と「KR」はそれぞれ以下のことを意味します。
O(Objective):成し遂げたいこと
KR(Key Results):それを実現できたかどうかを判断する指標
「O」は数字に拘らない人を鼓舞して動かすための定性的な目標を表し、「KR」は数字にこだわる人に対してOの現実味を示すための定量的な目標を表しています。
それでは、3つの学びを説明していきますね。
■3つの学び
ーやり遂げることができない原因
①ゴールに優先順位をつけていない
何もかも重要というのは、どれも重要ではないのと一緒
と、いう話はよく聞くのですが、「いつも重要なことを一つに絞ることなんてできないよ...」と思っていました。
この本では、さらに
どれか一つを選ぶのではなく、優先順位ならつけられるだろう
というところまで述べられており、ここで「スッ」と腑に落ちました。一つだけに絞る必要がなくて、今は何を優先すべきなのか、その優先順位をつければいいのだということです。
優先順位をつけることで、「これもあれもやらなきゃ」という心配事を一回追い出すことができ、そして一つ一つの処理に集中すれば成功する可能性は上がりますよね。
②熱意を持ってもれなくゴールを伝えられていない
1回口頭で伝えるだけでは不十分なのです。1回伝えたからといって、伝えたつもりになってはいけません。
そうは言っても、毎回いうのは骨が折れますよね。だからこそ、職場生活のあらゆる側面にリマインダーを織り込むことで、この問題を解決することができます。(詳しくは後のシステム構築にて)
③やり遂げるためのプランがない
意志力は有限の資源である
これはここに限らず、あらゆる面で言えることなのですが、目標に対して常に意志力を消費して、行動をしていたら、そのうちエネルギー切れを起こしてしまいます。
そのため、意志力に頼らない仕組みが必要なのです。
また、意志力は有限である故に、やりたいくないことを無理やりやらせて、意志力を消耗させてはいけません。やるべき仕事に意味を持たせ、疲れていても脱線しないようにするプロセスが必要なのです。
つまり、重要なのは「リマインダー機能」と「仕事の意味づけ」です。
④重要事項のための時間を空けていない
やらなければならないことのスケジュールを立てる人はどれだけいるのでしょうか?...
毎週月曜日に優先すべき仕事を決めれば、その週にやらなければいけないといいう意志が生まれます。それによって、重要事項を必ず達成することができるのです。
⑤繰り返さずにやめてしまう
最もよくある失敗は、フォローをしないというものです。何事も初めは完璧ではありません。更新・改善が必要なのです。
成功する会社には同じ特徴があるそうです。
「再挑戦」をする
という特徴だそうです。
<学び>
「やり遂げることができない原因」を理解すれば、自分が途中で投げ出してしまったことがなぜそうなったのか、を理解することができるようになります。その点、納得いく内容でしたし、改めて意識する機会にもなったので、勉強になりました。
こういった「失敗する原因」を踏まえた上で、OKRというものを知ってもらえれば、なぜうまくいくのかがわかってもらえると思います。私も「これがシステムとして機能すれば、うまくいくだろうな...」と想像できました。
ーOKRの本質は「継続的な向上と学習のサイクル」
今の社会で、新しいアイデアなんか滅多になく、本当に難しいのは、
アイデアを現実に落とし込む方法
なのだそうです。これがあまりに難しいので、大抵はチームが必要で、それをうまく動かす仕組みが必要なのです。
その仕組みとして、OKRがあるとのことでした。OKRは、シンプルなシステムでその本質は
「継続的な向上と学習のサイクル」
です。これだけだとわかりにくいので、OKRの3つの原則を以下にまとめ、それぞれについてポイントをまとめていきますね。
①人を鼓舞し効果を測定できるようなゴール設定
②自分とチームが常に望ましい最終形態に向けて実行
③メンバーが目標を忘れず、かつ責任を自覚できるようなシステム構築
①人を鼓舞し効果を測定できるようなゴール設定
OKRは「ブレないゴール」です。人を鼓舞し続けるためには、絶対にブレないものにしましょう。途中で変えてしまうと、OKRは真面目に取り組まなくてもいいという印象を与えてしまいますから。
また、失敗を恐れず設定してください。
もし失敗したとしても、失敗は高い目標に向かって挑戦しているというポジティブな指標ですので、心配は入りません。むしろOKRを達成ばかりしている方が問題です。
以上のことを前提に、「O」と「KR」が満たすべき条件をまとめておきます。
<Oが満たすべき条件>
①定性的で人を鼓舞する内容
②時間的な縛りを作る
③各チームが独立して実行できるようにする
┗①定性的で人を鼓舞する内容
普通の人は「仕事の意義と進歩を実感した時にワクワクする」ため、仕事の意義が感じられるに内容にする。
┗②時間的な縛りを作る
1ヶ月や四半期で達成できるものにする。長すぎるものはOではなく、ミッションや戦略になります。
┗③各チームが独立して実行できるようにする
期間が短いため、他社との関わりなく達成できなければいけません。
<KRが満たすべき条件>
①定量化する
②言葉の曖昧さをなくし、明確に定義する
③測定可能なものにする
④ポジティブな表現に直す
┗①定量化する
どうやってOを満たしたとわかるのか、シンプルな問いを立てます。
┗②言葉の曖昧さをなくし、明確に定義する
曖昧な部分があると、各部門で認識の違いが生まれてしまいます。そのため、部門を超えて整合性をとるようにする。
┗③測定可能なものにする
タスクではなく結果にフォーカスするために、ゴール達成時に想定される結果を考えます。そして、それが測定可能なものにします。
そして、成功と失敗の境界条件を明確にし、ゴールを調整していきます。
┗④ポジティブな表現に直す
人は「見たものが全て」の生き物です。
つまり、目標が「再契約しない率が10%以上」というネガティブな面を見るのではなく、「再契約率90%以上」とポジティブな面を見るようにしましょう。
②自分とチームが常に望ましい最終形態に向けて実行
スタートアップのライバルは時間です。そして、時宜を得た実行のライバルは”脱線”なのです。目先の利益に囚われずに、立てた目標に対して実行し続けることが大事です。
そのために、3つ目のシステム構築が重要になってきます。
③メンバーが目標を忘れず、かつ責任を自覚できるようなシステム構築
OKRを忘れるのは簡単なことなのです。メンバーにとって、面白いことは毎日起きるからです。忘れてしまうというのが、一番大きな失敗する原因だそうです。
だからこそ、目標を忘れないようにするリマインダーが必要となります。
目標を忘れないようなリマインド機能を持ち、かつ自分の責任を自覚することができるものとして、
コミットメントとお祝いのリズムを作り
を行うのが推奨されていました。
非常にシンプルなシステムで、
・毎週月曜日に”コミット”する
・毎週金曜日には”お祝い”を行う
というものです。
<毎週月曜日に”コミット”する>
ここでは、
・ゴールに向けた3つ(MAX5つ)のタスク設定
・自信度レベルの調整
をします。
毎週設定する優先事項は、ゴールを達成すべきだと思い出させてくれます。まさに「継続するためのリマインダー」ですね。
このとき、ポイントなのはみんなで考えるという事です。人は「みんなで作り上げたものに価値を感じる」ものです。(これはOKRを考えるときにも当てはまりますね)
優先事項の数が多すぎると、覚えることすらできないので、本当に厳選して少なめ偽ってしましょう。そして、更新頻度は多めにして、リマインドとしての機能を果たせるようにしましょう。
また、自信度レベルの調整は、始めに立てたKRが達成に近づいているのかを確かめる材料になります。もし、自信度レベルが落ちることがあれば、その原因と対策について議論しましょう。
人の特性として、「言うのに疲れた頃になって、人はようやく聞いてくれる」というものがあります。というものがあります。そのため、心からわかるまで言い続けないといけないのです。しかし、これを指導するような形や叱るような形で続けるのは難しいと思います。だからこそ、この定期的な”コミット”が、達成すべきゴールや優先すべきことを、分からせる機能も果たしていると考えられます。
<毎週金曜日には”お祝い”を行う>
まず意識して欲しいことは、
厳しい話はここでは絶対にしない
ということです。この場では、達成した仕事を祝うことにフォーカスしましょう。
それによって、メンバーが勝者のチームに属しているような気分になり、モチベーションが維持されます。また、達成したことにしかフォーカスしないということが、メンバーの楽しみへと繋がるのではないか、と思います。
つまり、共有できるものを作ることがチームにとっての楽しみになります。要は、達成したことを作るために、勝利を求めるようになっていくのです。
これらとは別の観点で、参加しているメンバーが各部門の仕事を理解するようになります。そして、お互いの仕事を尊敬し、いいチームが出来上がっていくのです。
始めに、OKRの本質は「継続的な向上と学習のサイクル」ということを書きました。これまで説明してきた通り、OKRを正しく設定し、それを実行し続けるためのシステムを整えて、そして毎週振り返りを行っていくことが、この本質である「継続」と「学習」、そして「向上」を達成させてくれますね。
ーOKRを実行するポイント
①ミッションを設定する
ミッションさえあれば、四半期ごとのOを決めるのは容易になります。なので、会社としての、あるいは事業としてのミッションは必ず設定しておきましょう。
良いミッションは全社員が覚えていられるぐらい短いものだ
とありました。ミッションを作るときは、非常にシンプルでそこから何か伝わるものを設定しましょう。
②会社の「O」はピラミッドの頂点
2つも3つも設定したら、何もいっていないのと同じです。なので、会社の「O」はまず一つにします。
そして次に、会社のゴールに結びついたOKRをグループごとに設定し、最後に個人OKRを設定します。
個人の「OKR」を設定するのは、仕事のスキルを上げるとともに、より良いプロダクトを生み出す助けになるツールになるからです。
③KRの自信度は5/10
あまり高すぎるゴールにしてもモチベーションは上がらないですし、簡単すぎるゴールにしてもいい成果が得られません。全てストレッチゴールにしましょう。
「これを達成するためには、あらゆる面でベストを尽くさねば..」.と思えたら、十分です。
④4つのマトリックスシートの活用
1つのシートを4分割して、以下の内容をかきこみます。
「右上:OKRで推進すべきゴール」
「右下:健康健全性で維持すべきゴール」
「左上:OKRに影響を与えるためにやるべきこと(MAX5つ):P1、P2」
「左下:予告で来月に起こって欲しいと思う重要事項のパイプライン」
これによって、チームとしてやるべきことや、今の状況が一目で判断できるようになります。これを毎週月曜日の”コミット”に持ち込むと、話がしやすくなります。
■最後に
今回は、OKRが優れている理由、OKRとは何か、OKRを成功させるためのポイント、といった内容になりました。学びとしては、人の性質を捉えたシステムを作り上げているというところが、特に勉強になりました。
4月からOKRを活用していくことになると思いますので、「なぜOKRを使うのか」という背景を押さえながら、活用していきたいと思います。
また、「GTD」というタスク管理システムも「OKR」を活用してアップデートしていければと思います。今のところ、
週次レビューの機会に「達成したことの確認」を行い「自分を祝う」
ということを取り入れようかなと思っています。
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