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夜勤組に朗報

(中高科のクリスマス会のお話の原稿)

今日はクリスマスの話をします。今日言いたいことは、福音が最初に届いたのは夜勤組にだった、ということです。

一旦、聖書を読みます。

 さて、その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が現れ、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。私は、すべての民に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町に、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、産着にくるまって飼い葉桶に寝ている乳飲み子を見つける。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、天の大軍が現れ、この天使と共に神を賛美して言った。
「いと高き所には栄光、神にあれ
地には平和、御心に適う人にあれ。」

聖書協会共同訳 ルカによる福音書 第2章8-14節

天使が羊飼いたちに福音を告げます。キリストが生まれた、という知らせです。

嬉しい、結構大きめのお知らせなんですけど、その割りには聞いてる人の人数が少ない気がします。全ての民のために、と言ってるくせにです。

私としては、この羊飼いたちが、配慮してもらって優先的に聞かされたんだと思うんですね。つまり、救いってものがあるとしたら、それはやっぱり羊飼いたちに最初に聞かせないといけないだろう、という感じ。

コロナが流行ってから、エッセンシャルワーカーって言葉が使われるようになりました。要はみんな不要不急の外出を避けろって言ってもそういうわけにはいかない職業が結構あるわけで、そのことですね。病院で人の世話するとか電車を走らすとか。家畜の世話もそうですよね。羊飼いはいわばエッセンシャルワーカーです。

私も呑気に日曜日はお休みだーとか言って教会の礼拝出てますけど、まあそれは平日土日かかわらず病院とか駅とかで働いてる人のおかげで時間取れてるわけですね。日曜休めない友人もいます。彼らに感謝。代わりに神に祈るべきでしょう。彼らを助けてください。

1世紀のユダヤ教の神殿祭儀も羊飼いなしでは成り立ちません。祭司が羊育ててるわけじゃないですからね。だいいち、羊は都市部では育てちゃいけないみたいです。だから、祭司やらパリサイ派やらの本人たちは律法を厳密に守る生活してたらどのみち羊育てられないでしょうね。羊飼いのおかげで神殿で献げる羊を用意できます。羊飼いに感謝。

それで、ここの聖書の話、夜勤ですね。お疲れ様です。交代で夜通しです。何人で交代できるんでしょうか。でも生き物相手ですからね。気は抜けません。夜勤の理由はわかりませんが、もしかしたら出産間近の羊がいたのかもしれませんし、囲いの外でしばらく過ごしていたのかもしれません。

あなたがたのために救い主が生まれた、という言葉は、どれだけ彼らの慰めになったでしょうか。

そして、天使の大合唱。なんて神秘的な光景。これ聞いてるの俺らだけじゃない?ってなりますよね。街から外れたところだし、こんな真夜中で、みんな寝てますよ。いいのかな。贅沢な話だ。でも首都の祭司階級しか贅沢しちゃダメなんて法律はないですからね。

今夜は羊飼いに贅沢を。福音を最初にお届けします。全ての民のための救い主が生まれた。でも最初にあなたたちにお知らせします。

なら、と私は思います。もし私が救いに入るとして、私の代わりに働いてくれている、病院の職員、鉄道の運転士、その他数多くのインフラを担っている人々、私が知りもしない欠かすことのできない仕事を負っている人々、彼らよりも先に私が救いに入ることはないだろう、と。

もし、伝えるべき人がいれば伝えてあげてください。クリスマスおめでとう。地に平和がありますように。

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