はじめての聖書
はじめに
聖書系Vtuberの足袋田クミです。この記事では「聖書を読みたいけど、何をどうしたらいいかわからない」という人向けの案内を用意します。私はプロテスタントの教会に通っていますので、そちらの情報への偏りがあることをご了承ください。
聖書が読める電子媒体
いきなり聖書買うのはハードル高いと思うので無料で読めるネット上のものやアプリを紹介します。
YouVersion
無料で読める聖書本文のサイトです。スマホアプリも存在します。手軽にとりあえず読むにはこのサイトが便利です。後述の口語訳、新共同訳がおすすめです。
日本聖書協会
聖書を出版している協会の公式ホームページで本文検索ができます。本のようには読めませんが最新の訳が無料で読めます。口語訳、新共同訳、聖書協会共同訳が読めます。
新日本聖書刊行会
こちらは別の聖書出版の公式ホームページです。新改訳2017などが読めます。
聴くドラマ聖書
こちらは音声版の無料本文です。新改訳2017の訳が採用されています。PC版とアプリがあります。
紙の聖書
自分のペースでたくさん読むにはやっぱり紙の本がいいと思います。特に聖書は分厚いので他の電子書籍と違って大量のページ移動が紙の方が圧倒的にしやすいです。
Amazonで買う
アマゾンにはなんでも売ってます。聖書って検索して後述の基準を参照に選んでください。
書店に行く
だいたい「宗教」とか「哲学」「思想」あたりの「キリスト教」のコーナーにあります。古本屋でも同じです。
どれを買ったらいいの?
聖書、めっちゃいっぱい種類があります。順に説明していきます。
翻訳の違い
聖書はギリシャ語やヘブライ語から翻訳されたものですが、古今東西さまざまな言語に、またさまざまな目的で翻訳されてきました。それだけで一冊の本が書かれるくらいの歴史がありますが、今現在よく使われている日本語訳を紹介しましょう。
聖書協会共同訳 2018年に出ました。日本聖書協会が作っています。
新改訳2017 2017年に出ました。新日本聖書刊行会が作成、いのちのことば社が出版をになっています。福音派(ある種の伝統派、保守派)の教会でよく使われています。
新共同訳 1987年に日本聖書協会から出ました。
口語訳 1955年に日本聖書協会から出ました。
新改訳 1970年に新日本聖書刊行会から出ました。2003年に第3版が改訂版として出ています。
フランシスコ会訳 カトリック教会でよく使われています。
いろいろありますが、もしあなたがどこかの教会に通っている、あるいは親しいキリスト教徒の知り合いがいる場合、その教会(人)が使っている訳というのが存在するはずですから、それを聞いて買うのが良いでしょう。
そうでなくて、自分の興味で聖書を読んでいる場合は、ご自由にお好みのものを買うのがいいと思いますが、敢えておすすめを言うなら聖書協会共同訳をおすすめします。
新約・旧約・旧約続編
新約聖書、旧約聖書がバラバラで売っていることがありますが、基本的に新約・旧約が揃っているものを買うと良いでしょう。また日本聖書協会系の翻訳において旧約続編と呼ばれているのは、大雑把にいうとカトリックで正典とされているけれどもプロテスタントでは正典に含んでいない書物群のことです。
あなたがカトリック教会または正教会に興味を持っているなら、旧約続編を含んでいるものを買うと良いでしょう。プロテスタント教会での生活だけを考えているのであればなくても構いません。
しかし、非常に興味深い書物群ですから、クミのおすすめは、どの立場の人も続編付きのものを買うことです。
引照
ある単語が聖書の他の箇所のどこに出てくるかを示したものです。なくても読めますが、詳しく読んでいきたい人には重宝します。
脚注
しばしば写本による違いや意訳と直訳、また他の解釈の可能性などを脚注に載せることがあります。なくても読めますが、詳しく読んでいきたい人には重宝します。
カバー・装丁・サイズなど
もうこの辺は趣味の範疇なのでお好きなものを、と言っておきますが、一応コメントを。聖書のページはとても薄い紙でできているので、そのままカバンに入れるとかなり傷みやすいです。ハードカバーがおすすめです。また、全体をひとまわりぐるっと閉じることのできるカバーを別途購入するとかなり役立ちます。それから、聖書はあちこちに持ち運ぶことになりやすい書物ですので、自分の視力が許す限りコンパクトなものを買うのをおすすめします。
どれか一つだけリンクを貼るなら
クミは聖書協会共同訳が出た瞬間に下のものを買いました。
どこから読めばいいの?
聖書は目次を見れば分かるとおり、たくさんの書物群が一つにまとまったものです。一気に最初から読むことができる人はそれが一番いいのですが、とっつきやすいところから行くのがいいと思います。
まず、聖書の目次を聖書協会共同訳のもの(カッコ内に別の訳での名前)で貼っておきます。
旧約
創世記
出エジプト記
レビ記
民数記
申命記
ヨシュア記
士師記
ルツ記
サムエル記上
サムエル記下
列王記上
列王記下
歴代誌上
歴代誌下
エズラ記
ネヘミヤ記
エステル記
ヨブ記
詩編
箴言
コヘレトの言葉(伝道の書、伝道者の書)
雅歌
イザヤ書
エレミヤ書
哀歌
エゼキエル書
ダニエル書
ホセア書
ヨエル書
アモス書
オバデヤ書
ヨナ書
ミカ書
ナホム書
ハバクク書
ゼファニヤ書
ハガイ書
ゼカリヤ書
マラキ書
旧約続編
トビト記
ユディト記
エステル記(ギリシア語)
マカバイ記一
マカバイ記二
知恵の書
シラ書〔集会の書〕
バルク書
エレミヤの手紙
ダニエル書補遺 アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌
ダニエル書補遺 スザンナ
ダニエル書補遺 ベルと竜
エズラ記(ギリシア語)
エズラ記(ラテン語)
マナセの祈り
新約
マタイによる福音書
マルコによる福音書
ルカによる福音書
ヨハネによる福音書
使徒言行録(使徒行伝、使徒の働き)
ローマの信徒への手紙
コリントの信徒への手紙一
コリントの信徒への手紙二
ガラテヤの信徒への手紙
エフェソの信徒への手紙
フィリピの信徒への手紙
コロサイの信徒への手紙
テサロニケの信徒への手紙一
テサロニケの信徒への手紙二
テモテへの手紙一
テモテへの手紙二
テトスへの手紙
フィレモンへの手紙
ヘブライ人への手紙
ヤコブの手紙
ペトロの手紙一
ペトロの手紙二
ヨハネの手紙一
ヨハネの手紙二
ヨハネの手紙三
ユダの手紙
ヨハネの黙示録
最初にイエスの話を
やっぱりイエスの生涯が一番有名だと思うので、福音書と呼ばれる四つの書物を読みましょう。最初の三つ(マタイ・マルコ・ルカ)は内容がかなりかぶっています。ヨハネはちょっと別のノリです。迷ったらルカを読んでください。
なぜかというと、その後パウロのことを知りたい場合には使徒言行録を読む必要があるのですが、これはルカによる福音書との二巻本の後半だからです。
次にパウロの話を
パウロの話を読みたければとりあえず使徒言行録を読むのはありです。イエスが昇天した後の弟子たちの奮闘、そしてパウロの地中海世界でのキリスト教伝道旅行の内容が描かれます。
思想内容から入りたければ、ローマの信徒への手紙を読みましょう。一番内容がまとまっています。他の手紙も含めてですが、ものによって個々の宛先の教会の事情に沿った話が進んでいてそれだけ読んでもよくわからないことがあるので注意してください。ローマ人への手紙からピレモンへの手紙までが伝統的にパウロの書いた手紙とされているものです。
黙示録好き?
はっきり言って初見泣かせだと思うけど自分は厨二病罹患者でどうしても読まなければならないというなら初心者の時でもヨハネの黙示録を読んでみてください。ヨハネが見た終末世界に関する幻です。
天地創造・アブラハム・イサク・ヤコブ・ヨセフ
世界の創造からイスラエルの古代史を語るのが創世記です。昔の人たちの故事だと思ってください。割と有名なエピソード多いと思います。教養として聖書のエピソード知っておきたいなら福音書読んでからこっちに飛んでもいいかも。
エクソダス!
モーセが率いたエジプトからのイスラエル民族脱出劇は出エジプト記に書いてあります。話の流れ的に行けそうならその後レビ記、民数記、申命記とどんどん読み進めてください。
ダビデとかソロモンとか
イスラエルの統一王朝について興味があればサムエル記、列王記あたりをどうぞ。だんだん南北朝とかドロドロしてきますが、そっちも楽しいと思えれば歴代誌やイザヤ書あたりの預言書も読んでみましょう。
ユダヤ人の知恵
意外と人気なのが、旧約聖書の知恵文学と呼ばれるものたちです。ヨブ記は人間世界の不条理、あるいは苦悩と神の正しさ、悪の存在との対話劇です。また箴言は金言集。そしてコヘレトの言葉は無常観とそれを覆すための神への求めが書いてあるとか無いとか。
歌はいい
詩編はイスラエルの歌集です。神への賛美、嘆き、祈り、悔い改め、なんでもありです。雅歌は男女の愛の歌です。
まとめ
福音書をどれか一つからの使徒言行録、その後ローマの信徒への手紙とヨハネの黙示録はオプションで興味関心次第。創世記はぜひ読みたい。出エジプト記まで行ければグッド。その後は興味の湧いたトピックに行ったらいいと思うけど、詩編やコヘレトの言葉はいつでもつまみ食いできる。
忙しい人のための聖書シリーズ
手前味噌ではありますが、「羊たちの夕べ」チャンネルでは聖書のそれぞれの書物につき一回ずつ配信をして解説をしています。興味があればぜひご視聴ください。
おわりに
この記事が聖書を読みたい人の助けになれば幸いです。質問、要望など随時受け付けておりますので、ぜひコメントなどどうぞ。
神様の祝福がありますように。
vtuber活動の継続のためにサポートをお願いいたします。おもにクミの書籍代になります。