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「中国のおばちゃん大量。踊る」

世界一周56日目(8/23)

ラオジャイのユースホステルで節約生活に励んだ僕は(なんてったって朝昼晩とも1元のインスタント麺とユースの1元のライスだったんだから!)

前回の失敗を活かして15元でミニバスを捕まえ新街(xinjie)に戻ってきた。

ここからベトナム国境の町河口(hekou)へ向かう。河口へ向かうバスは朝方7:00、7:30と11:00の三本。

僕は窓口で明日のチケットを買おうとした。

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「ニーハオ!
I want to go "Hekou"!
can I buy tomorrow's ticket?

挨拶以外は中学生英語で筆談用に書いた日付と行き先を書いた紙を見せる。だが、窓口のお姉さんは困った顔をして首を横に振る。売り切れてしまったということだろうか?

僕はお姉さんに「メイヨー?(無いの?)」と尋ねると、
「ヨー…(あるっちゃ、あるんだけど…)」と答えるお姉さん。
「じゃあ、売ってくれないかな?」と僕は英語で尋ねる。

それでも、お姉さんは僕にチケットを発行してはくれなかった。中国語で何か説明してくるのだが、何をいってるかさっぱり分からない。5回くらい同じやり取りを繰り返した後、お姉さんは業を煮やして英語の話せる人に電話をつないでくれた。


「Can you speak english?」僕は電話越しに尋ねると、電話の相手はけっこう英語が喋れる人だった。

今度は僕のリスニング能力がおっつかなくなった。相手が何言ってるか分からない。それに周囲の音がうるさくて僕は左耳に小指を突っ込んでいなければ相手の英語に集中できないくらいだった。どこかで「電話で英語を聴き取るのはさらに難しい」って言ってたっけ?まさにそうだ。何言ってるか分かんねぇ。

かろうじて「not enough」というワードが聴き取れた僕は、乗客がある程度集まらないとバスは出発しないことを理解した。電話の相手が言うには明日になればチケットが買えるらしい。


僕は彼と窓口のお姉さんにお礼を告げ、新街に着いた時にミニバス乗り場を教えてくれた英語の喋れるお姉さんの宿に向かうことにした。ドミトリーで35元。Wi-Fiもついているらしい。

中国を半月ばかり旅してきて思ったのは意外と泊まる場所があるんだなということだ。僕はHostelworldやらYHA(中国のユースホステルのサイト)やらを利用して宿を見つけてきたわけだけど、それらに紹介されていない宿も沢山あることを知った。

中国は僕が思っていたよりも旅がしやすい。



新街のバスターミナルから歩いて7分のところにお姉さんの宿があった。

案内されたドミトリーに他の宿泊客の姿はなく、僕ひとりの個室状態で、嬉しいことに漫画を描くのにぴったしの机があった。

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東莞のサイゼリヤで下描きを完成させたのはよかったが、桂林に入ってからは雨に降られ、湿気で紙が濡れせんべいみたいになってしまい、ペン入れが思うように進まなかった。

どこでも漫画が描けるわけじゃない。意外と環境に左右されてしまうのだ。


ドミトリーに他の客がいないおかげで僕は誰にも邪魔されず漫画製作に取り組むことができた。息抜きにギターを弾いても誰も気にしない。ドミトリーの占有ほど旅人にとっての贅沢はない。

西日に照りつけられながらも根性で3ページの背景まで描き上げ、残すところはベタのみ。

ちょうどその頃になると日が落ちてきた。ドミトリーをまるごと使わせてもらっているのはいいのが、照明が薄暗いのがこの宿の難点だった。

ベタを塗るための筆ペンの穂先がよく見えなくなってきたところで僕は一旦切り上げることにした。

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19:00過ぎに外に出ると外から低音の効いた音楽が聴こえた。

こいう野外の音楽を聴くと大学二年生の時にフジロックなどでボランティアスタッフをしたことを思い出す。

音に誘われるまま広場に行くとそこでは大量の中年女性が踊っていた。

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ここまでおばちゃんが集結すると見応えがあるな。日本の盆踊りのようなものかな?

一曲、一曲の振り付けをみんなマスターしているのにも驚いた。よく見ると小さな子供も混ざってる笑。

僕はおばちゃんたちのダンスをしばらく眺めた後、ご飯を食べに行った。


お昼ご飯に食べたぶっかけメシ的なご飯の量もすごかったんだけど、ここで食べた麺の量も凄かった。7元(116円)にしてこのボリュームだ。

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他の都市なら「大」とランク付けされてもいいくらいの量が普通に出てくる。

棚田が観光資源となり観光地化が進む元陽だが、まだまだ田舎的な雰囲気を残す新街。安くて量が多いメシ。それだけでも貧乏バックパッカーは来る価値があるんじゃないだろいか?(まぁ、交通費がそれなりにするんだけどね)

この町には小学校、中学校もあるみたいで学生さんたちもご飯を食べに来る。

いつもの様に「韓国人?」「日本人だっつーの!」とお馴染みのやり取りを
居合わせた女の子たちとした後、僕は宿に戻りKELTYのライトで手元を照らしながらベタ塗りを終えた。

明日は早い。もう寝るとしよう。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。