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「ふらつく体」

世界一周192日目(1/6)

額が熱い。まだ熱がある。
宿の人には8時くらいにはチェックアウトするからと言っておいたが、ちょっと無理そうだ。とりあえず踏ん張ってパッキングを済ませると体から大量の汗が出た。そして両手が痺れる。

うわぁ~…これってあんましよろしくない状況なのでは!?

10時過ぎまでベッドにボクサー・ブリーフ一枚で横になり、体調の回復するのを待った。ここにもう一日泊まってしまおうか?

いやいや!こんな安くもなく、部屋のクオリィティの低い宿にもう一泊だなんてありえん!

バックパックがいつもよりも重く感じられる。
ふららつく足。体に力が入らない。

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10時過ぎに宿をチェックアウトした。

そういえば昨日まともなもの喰ってなかったな…。どこかでエネルギーを補給しないと。だが、この町ではいつも露店で売っているプーリーなんかがどこにも見当たらないのだ。いっちょまえにお店を構えたレストランで2~3倍くらいの値段で売ってるんだから喰う気がしない。

1リットルの水だけ買い求め、コチ行きのバスを探した。何人もの人に「コチ行きのバスはどこから乗れるの?」と尋ねて進んでいく。

「おいおい!バスステーションまでは1キロもあるぜ!」
トゥクトゥク・ドライバーがネガティヴな情報を吹き込んでくる。けど、だいたいすぐ行ける距離の時は「1キロ」って言うんだ。彼らは。
「あ~。はいはい。」と軽くあしらってバス停の看板もないところに辿り着いた。


インド人が自分の乗り込むバスをソワソワした様子で待っていた。近くにいたあんちゃんに「コチ行き?」と訊く。

さっきから何台もバスが通過するが、コチ行きはなかなか現れない。どうやら本数が少ないみたいだ。肩に食い込むバックパック。おろしたい…。けど、いつバスが来るか分からないしなぁ…。

「おぉ!アレだよ!あのバス!」
やって来たバスの乗車率は80%ぐらい。バックパックと共に乗車するのはひじょぉ~~~にためらわれる。

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でも、そんなこと言ってられない。
体中から気合いとふてぶてしさを振り絞ってバスに乗り込む僕。

「おい!そのバッグを降ろさないか!」
後ろに立っていたおっちゃんが少し怒った様な口調で言う。
こっちだって降ろせるもんなら降ろしたいわ!ガタガタ揺れるバスとこの乗車率でどうやってバックパックを降ろせっていうんだ!!?

バスが停車したのを見計らって「よいせっ」とバックパックを降ろす。ちなみにバス代は10ルピー(17yen)。あぁ…ローカルのバスは安いね…。





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いくつか橋を渡り宿の集まる地区でバスを降りた。

島のような立地のコチ。
インドにしてみたら交通量も少なく、町も小綺麗な印象を受ける。観光地化が程よく進んでいて。宿は沢山あるのだがー…

近くにあった宿に2軒ほど当たってみたが、400だとか900だとか貧乏バックパッカーからしてみたらありえない価格。宿から出てきた欧米人ツーリストは「500ルピー(840yen)?安いよね」とでも言わんばかりに余裕をかましている。そりゃ、君たちの国では安いだろう!だがここはインドなんだぜ?

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マジか…。どうやらここはお金を持った観光客向け用の土地みたいだ…。

でも、またあのアーナクラムの街まで引き返すのも骨だしなぁ…。
重たいバックパックがますます重たく感じられる。

宿探しは自分の足で行くのがいいんだけど、今回は仕方ないトゥクトゥクのドライバーに頼んでみるとしよう。

「250くらいの宿知ってる?」
「あぁ!もちろんだとも!乗った乗った!」

連れて行かれた宿には確かに250ルピー(420yen)のシングルがあった。

だが満室!


案内された他の部屋は400ルピー(672yen)という値段には決して見合わない牢獄のような部屋だった。これで400もすんのかよ…。

その後も2軒ほど彼が知っている安宿に行ってもらったのだが、シングルは満室。

ドミトリーに至っては400ルピーとかふざけたことを抜かす宿さえあった。

おいおい、さっきまでいた街のドミトリーは150ルピー以下で泊まれたんだぜ?どんだけボってるんだよ…。

しまいには運転手はしつこくツアーや胡散臭いビジネスの話を持ちかけてきたので僕は事前交渉通り20ルピー支払って彼とバイバイした。あ~…無駄な出費だよ。結局安宿は自分で探す羽目に。

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どうやら宿の密集する辺りは比較的高い価格らしい。

ちょっと離れれば安宿があるんじゃないか?

「ハウマッチ?」
「まぁまぁ、部屋見ていきなさんな」
「僕の予算250ルピーなんですよ」
「400でどう?」
「300(504yen)じゃダメっすか?」
「あぁ、いいよいいよ。」

当たった一件目で安宿ラインにはひっかからないまでも、そこそこの宿にありつくことができた。

体調を元に戻すために3泊分の宿代を払い込んでベッドに倒れ込んだ。

か、体に力が入らない…。
それと肩がすげえ痛ぇ…。




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昼寝から目覚め、インディアン・ビーチを歩く。

目先に浮かぶ小さな島に向かってフェリーが行き来する。

貨物船のような大型の船も見かけた。

大きな魚を獲るための網がゆっくりと引き上げられる。

木陰でヒマそうにするおっちゃんたち。

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そんなこの街のネット屋の値段は1時間50ルピー(84yen)。他の街だったら15とか20だったのに…。やはり観光地価格か…。

しかたがないのでWi-Fiの入るカフェで90ルピー(151yen)のアメリカーノをすすりながらネットした。久しぶりのWi-Fiタイムだ。

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次に行こうとしている国はネパールなんだけど、今年の始めからオンライン・フォームの申請が必要になったらしい。それにカトマンズでもう一回インドビザ申請するんだけど、それもめんどくさそうだなぁ…。

そのあと必要になってくるドバイ経由イランの格安航空券とか調べてくると、旅がやっていけるのか心配だ…。

弱った体が不安な気持ちを大きくさせる。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。