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迷路のような中国の街。そして僕は方向音痴

世界一周34日目(8/1)


町全体が世界遺産の平遥(ピンヤオ)。

僕はフフホトでたまたま一緒だったセルビア人からこの町のことを聞いてここまでやってきたのである。


ピンヤオの駅に到着すると僕はiPhoneのアップアプリを開いた。駅から町にあるホステルまでの距離はGoogleマップ先生によると徒歩26分。『これなら全然歩ける距離だ』と余裕ぶっこいていたのがそもそもの間違いだった。

自分が方向音痴であることを忘れていた。



駅から出発してものの5分でルートとは逆走し、

たびたび曲がる道を間違え、

ショートカットのつもりがめちゃくちゃ大回りするなんてことはザラにある。

方向音痴の自覚のある君。
慣れない道でショートカットしない方がいい。


原因は僕だけにあるわけじゃない。Google先生をもってしても現実には道が存在しなかったりするのだ。左に曲がりたくても道がないとかしょっちゅうある。
(そんな地図にも漏れてしまうような道をずんずん進んで行った僕も僕だが)

一体全体どーなってんだいピンヤオ!?

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それに僕はまたここでも犬に吠えられることになった。モンゴルから犬運がない。

アホみたいにデカいバックパックを背負って、彼らのテリトリーに足を踏み入れてしまったのは分かる。通常日本だったら吠えてくる犬はリードに繋がれている場合がほとんどだ。だがここは違う。ヤツラは放し飼いにされているので僕のことを追ってくるのだ!

中国の野良犬(たぶん犬種がどの家も一緒だから野良猫を餌付けるみたいになつかせて飼ってしまうのだろう)は小型犬がほとんどで、モンゴルの野良犬のような威圧感はないのだが、

そんな一見可愛いわんちゃんたちが僕を吠えたててくるのだ!

僕は「ほえぁっ!はあっっっっ!!!」とヤツらに舐められないように奇声を出して威嚇し、一眼レフで殴りつける素振りで徐々に後ずさりをしてその場から去ろうとするのだが、ヤツらも番犬としての義務感からだろうか?僕の威嚇にもビビりながらもじわりじわりと追ってくる。

後ろを向いて逃げたら絶対にふくらはぎを噛んでくるだろう。

僕と小型犬との威嚇が数回ループした後、ようやく飼い主が家から出てきて仲裁に入ったてくれた。

ハイエラキーを重んじる彼らは飼い主の前では弱っちいわんころになっていた。





僕は町中のひとに聞きまくってようやくホステルに辿り着き、チェックインを済ませ荷物をベッドの上に置くと、貴重品だけ持って外に出ることにした。町歩きも旅の醍醐味だ。

「ホステルで地図ももらった。Googleマップにホステルの場所にピンも打った。これで僕はどこへでも行ける」そう思っていた。これだけ準備すれば道に迷わないだろうと。



それが甘かった。

慣れない町をどんどんどんどん進んでいった。

あっちへ曲がって、こっちに進んで、

面白そうなものを見つけるとすぐに進路を変えた。

気づいた時にはもう迷子。

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この町には目印となるような建物はない。観光地ということもあり、至る所にお土産屋さんや飲食店が立ち並び、雑貨なら同じ雑貨。食べ物なら似たような食べ物。売店なら同じ商品を取り扱った売店。

差別化といものがない。

いくら生活のためとは言え、果たしてこれで生活がなりたつのだろうか?観光地だから一定のお金は手にはいるかもしれないが、こっちからしてみたらどこも同じだ。

「たまたま入ったお店でたまたま何かを買った」そんな偶然性にこの町は頼っているのだ。

ある日突然世界遺産になった町の人たちは、一体何を感じて生きているのだろうか?


僕の他にもカメラを首からぶら下げて懸命に写真をとる人たち。

そしてそんな中で暮らす人たち。

ここは動物園か何かか?


メインの大通りは識別しやすいが、方向音痴の僕が迷い込んだ町はどこを曲がっても同じに見え、

最終的にはGoogleマップに頼って宿まで戻った。



夜になると歴史の重みのある建物に装飾のライトが灯った。

世界遺産のこの町が少しだけチープに思えた。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。