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「世界一周の旅を始めて四ヶ月 in ラオス」

世界一周120日目(10/26)

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朝6時に目覚めた。思った以上に快適に寝られた。

ここはルアンナムサの中心地にあるローカルなバスターミナル。辺りはうっすらと明るくなっていた。野宿をすると人間の防衛本能がいつもよりも働くのだろうか?

2時間おきぐらいに「はっ...!!!」と目を覚まし、辺りをきょろきょろしてとりあえず問題がないと再び寝るっていうよくわからないサイクルができていたが、ちゃんと睡眠をとれていた感覚はある。人に見つかる前にここを出よう。

ここから昨日の明け方到着したメインのバスターミナルまで戻らなくちゃならない。そこから朝9時にタイへの国境の町HOUAYXAY(ホァイサイ)へのバスが出るらしい。

野良犬よけのバリケードにした洗濯紐やPenny Board、ギター、パックサーフを手早く回収した。

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パッキングを済ませると運良く目の前にトゥクトゥクが停まった。運転手は他の乗客を乗せるのに付き合ってくれるのなら10,000KIP(123yen)でいいとのことなのでバスの出発まで時間のあることだし僕を乗せたトゥクトゥクはマーケットに向かった。

朝だというのにマーケットは地元の人たちでにぎわっていた。マーケットの向かいにトゥクトゥクを停めておっちゃんと僕はバスターミナル方面へ行くお客さん待つ。だが、15分くらい待っても他の乗客を確保できる気配はなかった。周りにもマーケット帰りの人を狙った他のトゥクトゥクがあったのだが、みんなヒマそうにお客を待っている。

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僕はタバコをおっちゃんに勧めてみたが、おっちゃんは喉をさするジェスチャーで受け取らなかった。ふーん。タバコを吸わないトゥクトゥクの運転手もいるんだなぁ。

タバコの代わりに僕はマーケットでひとつ1,000KIP(12yen)のミカンを4つ買いおっちゃんに「いる?」かと訊いてみた。だが、手を振って受け取らないおっちゃん。「いいから!いいから!」とちょっと強引に進めるとおっちゃんは「それじゃあ...」と小振りなミカンを選んだ。遠慮しているのだろうか?それともー、僕がご機嫌取りに走っていることを見抜いているのだろうか!?だってさ、あとでふっかけられたりすんの嫌じゃん!こういうジャブが後々効いてくんのさ!

お客が乗る見込みが今はないと見切りをつけたおっちゃんは僕一人だけを乗せてメインのバスターミナルまでトゥクトゥクを走らせてくれた。ほらね。効いたでしょ?おっちゃんにお礼を言ってお金を支払い(ふっかけられることはもちろんなかった!)


バスターミナルに到着した僕は時間までの間、ホォアイサイ行きのバスの中で日記を書いた。ターミナルにはバックパッカーの姿もチラホラ見かける。彼らはここへ何しに来たのだろうか?9時になり、乗客を乗せたバスはホァイサイへと走り出した。

出だしは好調だ。

バスの中で半強制的に運転手のチョイスのラオ・ミュージックを聴かされるのにももう慣れた。僕はイヤホンを耳につっこみ流れる外の景色を見ていた。

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バスは山道を走る。朝食は軽めに取っていたので酔うことはなかったが、途中休憩で停まった際道端でヴォミットしてるラオス人女子を見て『あぁ、この山道は
ラオス人でもキツイんだな...』と妙に親近感を覚えた。

バスでの移動は考え事をするのに丁度良い。やることがないから。
大学一年生の冬休みに「自分探し!」とか言って青春18切符片手に小田原から深夜特急と普通列車を乗り継いで鹿児島まで行ったときもずっと列車の中で考え事してたなぁ...
『おれってなんなんだ?』って笑。
人生の中で一度しか見ないであろう外の風景に自分の思考を溶け込ませる。

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尊敬すべき友人が世界一周に旅立つ前にFacebookにメッセージをくれた。

「おれは最近、Facebookやブログで全く会っていない人が投稿しているのを見るとどうもその人たちを最近会ったことの様に感じてしまうんだ。それは嬉しいことの様にも感じるけどおれは少し寂しい気持ちになる。
だから、お前が帰ってきたら応援してくれた人たちのところへ行って自分の口から直接自分が何を見て、何を感じたのか伝えて欲しい。あっ、別に帰ってこなくてもいいんだぞ。屋台で物売って現地で暮らすってのも選択のひとつだぞ笑」

まぁ、覚えているだけでこんな感じのメッセージだった。
自分の口から今、僕が味わっているこの世界一周という旅を伝える事ができるだろうか?

自分の中に「旅」という体験を落とし込んでいかないとそれはきっと無理だ。「楽しかった!」で語れちゃう旅なんてもったいない!

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ホァイサイのバスターミナルは中心地から離れたところにあった。

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このパターンも慣れた。そうだな。きっと現地の雇用創出とトゥクトゥクの需要を生み出すためにわざと離れたところにバスターミナルを作ったんじゃないかな?

バスを降りるといつものようにトゥクトゥクの運転手たちが乗客に群がった。中心地まで10,000KIPで行けるらしい。それなら乗ってもいいかな?乗客が確保できるときの相場だとは思うけど。
僕はバスに乗っていた他の旅行者たちと一緒について行こうかと思ったのだが、トゥクトゥクは6人までしか乗れない(バックパックありで)と言う。

「は〜い!じゃあ中心地一緒にいくひと〜?」(いや、こんなノリじゃなかったよ。でもシチュエーションとしてはこんなだ)
「は〜い!×7」
「ひとりー...、多いね...」

次々と他の乗客を乗せたトゥクトゥクがターミナルを出発していく。途端口数が少なくなるみんな。残されたトゥクトゥクはあと一台。

「あっー...おれ、やっぱりいいよ。歩いて行くよ」

おわかりでしょう。それが日本人の僕です。朝、マーケットで買ったミカンの残りをほおばりながら、重たいバックパックにヒーコラ言って歩いた。その距離6キロ。総重量約30キロの荷物と一緒に。

途中に見つけた小さなレストランで食べた10,000KIPのカオ・ソーイ(ラオスのうどん)が美味しかった。

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中心地へ続く川沿いの道。この川の向こうがタイだ。
僕はまたタイに戻るのだ。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。