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「インド最南端で見る初日の出」

世界一周189日目(1/3)

『さ、サナトリウムか!!?ここは!!?』

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宮崎駿監督の最後の作品「風立ちぬ」にサナトリウムの描写が出てくるがまさかインドで同じ光景を目にするとは思わなかった。

ここはインド最南端の駅。カーニャクマリ。

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列車が到着したのは深夜3時55分。

日が昇るまで人々は自前の毛布にくるまって海から吹き抜ける風をしのぐ。周りのインド人ように床に横になって眠る気にはどうしてもなれない。荷物のことともあるしね。駅のベンチに座って読みかけの本を読む。

中国で見つけたジョン・アーヴィング作「Hotel New Hampdhire」も5ヶ月以上経った今でも読み終えていない。ほんとに気の向いた時にしか開かないし、なにより400ページ以上の英文なんだよね。時々何言ってるのかさっぱりプンですよ。それでも物語のアウトラインはかろうじて辿ることができている。
ちなみに今家族がウィーンに引っ越したとこ。
(これ日訳とか出てるのかなぁ?)

それと「風立ちぬ」ですが、さも観た様なことを書いておきつつも
日本を出発した後の公開だったので観れていません。予告編を何回も観ただけです。しったかしてゴメンなすって!ノルウェイの森のワタナベくんの好きな「魔の山」の方がよかった!!?あれにもサナトリウム出てくるよね!大学の時読んだけどさっぱり分からなかったYO!



駅の構内に見所マップのようなものがあった。
日の出が見れるポイントもそこには記されていた。

どうやら駅から海までの距離は1キロちょっとしかないようだ。それなら歩いて行けるかな。

野良犬が怖いので辺りが明るくなりだした6時に駅を出発した。

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バックパックを背負って、ジーンズのポケットには野良犬に投げつけるための小石を3つ入れた。

トゥクトゥクの運転手は「50ルピーでサンライズ・ポイントまで連れてってやるぞ!」と持ちかけてきたが、笑顔で断った。歩いて行けるから大丈夫っす。

道路の脇には浜辺から風で運ばれてきた砂があった。

シューズで砂浜独特の「サモッ」という感触を感じながら進んでいく。

東の空がどんどん明るくなっていく。

そして見えたのはインド最南端から見える海。

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そこには多くのインド人たちが僕より先に朝日を待っている。

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海からやって来る風が心地よい。

だんだんと明るくなっていく空。

太陽は水平線の上に重なった雲の隙間から徐々に顔を出す。

朝日はいつ見ても綺麗だ。

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自分の名前「陽介」に太陽の意味が込められているのがちょっと嬉しい。

年が明けて初めての朝日をインドで見た。

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朝日が昇りきると思わず唄いたくなった。
バックパックからすぐにギターケースをはずし、ギターを取り出す。なんだ?なんだ?と興味津々の周りのインド人たち。
旅をしながら彼の曲を唄うと旅に馴染んでいいった。

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海をに向かって拝む人を見た。
どうか僕の旅も無事に進みますように。

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さてと!宿探し行きますか!

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最高の朝日を見て僕ははりきって安宿を探し始めた。
海までの道に何軒かホテルも見かけたし安い宿もあるだろう!

だが、そんな期待は脆くも崩れ去る。
どこも予算外の400ルピー(664yen)以上。

ここまでほとんど250ルピー(415yen)以下でやってきたんだ!そりゃねよぅ...

何軒も何軒も「LODGE」や「HOTEL」の文字が書いてある場所を「ハウマッチ?」と訊いてまわった。年始の旅行シーズンなのか「Full(満室)!」と言われる宿もたくさんあった。

ど、どうしよう…?ここには安宿はないのか?ちょっと離れたところにナーガコイルという町まで10ルピー(17yen)でバスで行けるらしい。朝日も見たし、さっさと抜けてしまおうか?

念のため、海とは反対方向に向かって安宿を尋ね歩いた。

ここもだめ。

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ここもだめ…。

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ここもー、

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ここも。

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町の端っこにさも高そうな宿。

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トイレを借りる目的で一応値段も訊いてみた。

「ハウマッチ?」
「おー!おー!部屋なら用意できるよ!」
「あのぉ、一泊おいくらなんですか?」
「大丈夫大丈夫!」
「僕の予算250なんですよ?」
「わかった!わかった!いいから!いいから!」
「マジっすか!!!」

じゃあとりあえず2泊で!とお金を支払らうと「やっぱり350でいいか?」と訊いてきた。

「なら帰ります」
「オーケー!250でいいよ」

か、簡単に折れた!


ここまでどこも満員か予算以上だったのに最後の最後で安宿にありつけた!てか目の前にYMCAの看板見つけたけど、今はそんなことどうだっていい!町の端っこにあるからお客さんが来ないのかなぁ?

案内された部屋にはベッドが2つとシャワルーム、テレビにファンがついていた。

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部屋のドアを開けてくれたスタッフは僕にバスタオルとホテルオリジナルのハーブ成分配合の石けんを渡してくれた。これぜってー500ルピーとかするだろうな…。

ラッキーだ。

洗濯とシャワーを済ませ、少し昼寝をした。

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目を覚ますと描きかけた漫画の下描きを終わらせ、僕は夕日を見に行く。

人でいっぱいのサンセット・ポイント。

世界中どこにいたって朝日と夕日は人を惹き付けるのかもしれないな。

今日も一日が終わる。

僕は一日の始まりと終わりを見た。

ハロー・グッバイ。

また明日。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。