「毎日がうまく行くわけじゃないよな」
世界一周199日目(1/13)
体の痒さで全然眠りにつくことができなかった。夜中何度も痒さで目が覚めて、ウトウトしてほんのちょっと眠る。それの繰り返し。
『アイツらを呪ってやるぅぅぅ…』
あまりの痒さに宿のスタッフたちに殺意まで湧いた。藁人形と五寸釘があったのなら、すぐさま僕は近くのヒンドゥー寺院にかけこんで僕は丑の刻参りをすることだろう!
ブルーシートをベッドにかけて寝袋まで使って寝ているのに虫に刺されるなんてことがあるだろうか?そりゃたしかに体に何カ所かは刺された痕があるんだけど、そんなにたいした数じゃない。だけど、皮膚にじんましんのような無数の赤いポツポツが出ているのだ。ここへ来た時からずっと気になってたんだけど、もしかしてこの部屋自体に原因があるんじゃないのか?この部屋から発せられる薬品の臭いのもとに(たぶん壁の塗料だと思うんだよね)体がアレルギー反応的なものを起こしているんじゃないか?だとしたらこの宿けっこうヤバくねえか!!?
そんな仮説を立てた今日の3:00AM。起きたのは6:30。もっと眠ってたいけど、寝袋に入るとまた痒みを覚える。
仕方がないのでパッキングを済ませ宿のスタッフに文句を言っておいた。
「この部屋にはベッドバグがいる!もう耐えられない!3日分の宿代を払ったが、残りの1日分は返してもらうからな!」
「これから殺虫剤をまくから、部屋を替えればいいんじゃないか?」
「いや!おれはここから一刻も早く出て行く!」
とは言ったものの、他の宿が営業を開始するのは8時過ぎ。まだ1時間以上もある。近くの広場で朝食のバナナを食べながら朝日に照らされぼおっとした。自分の好きな時に移動できないのも難儀だなぁ…。
8時をまわると僕はさっそく次の宿を探し始めた。
メインの通りを挟んだ反対側にある200ルピーのシングルはすぐに見つかった。
うん!シングルとはこういう部屋のことを言うんだよ!50ルピー余分に払っただけでさっきまでいた独房みたいな部屋とは大違い。
無事部屋を移った僕は漫画製作道具一式を持っていつもの「Cafe Coffee Day」へ。その前に旅行代理店に行っていくつか先のルートまで列車のチケットを買っておこうと思ったのだがー…
お店の女のコは「ボスが3時になったらくるから、その時また来て」とよくわからないことを言ってきた。「それならしょうがない」とその時は素直に旅行代理店を後にしたのだが、列車のチケットを手配をできる人物が3時にならないとやって来ないってどういうことだ?そういうテキトーさがインドにはあるよね。まったく。
カフェで漫画の下書きをして『おっ、そろそろ時間だな』と旅行代理店へと再び向かったのだが、ボスは時間になっても現れなかった。女のコはチケットの情報は調べてくれたので自分のルートの列車を調べてもらったのだが、ここでもほとんどの列車がWL(ウェイト・リスト)。
自分でチケットの手配もできるんだけど、時々、「旅行代理店だったらチケットが取れる」ということがある。今回はそれを頼りに旅行代理店へとやって来たのだ。僕もネット屋で事前に調べてみたのだがWLにはかわりなかった。
先日チケットをここの旅行代理店で買ってみてマージンが少なかったから、じゃあもう一度お世話になろうじゃないかと再びここに足を運んだのだがー…ボスの使えなさといったらなんの。
「えっ?いつの列車のチケットが欲しいんだい?何日?あ~、ダメだね。この日はWLだ。次は?あ~、この日もWL。次は?」
僕の出したスケジュール通りのことしか調べてくれない。
WLなのは分かってるの!そこをどうしたらチケットがうまく手配できるのか?たとえば2~3日予定をずらしてみればWLじゃないよとかそういう代案が欲しかったのに!前回のチケットはたまたまだったんだな。旅行代理店としての仕事はお粗末過ぎて話にならない。
WLを旅行代理店のうんたらかんたらで正規チケットにしてくれるという話もあったのだが、200ルピーのマージンが発生するという。もうダメだこの店。
提示されたバスの金額はやっぱり高かった。インドの移動で千円を超えてしまうと躊躇してしまう。列車で移動する方がよっぽど安いからだ。
旅はうまくいかない時もある。
うまくいかないと『果たして自分は何をやっているのだろうか?』と自分に自信が持てなくなってきてしまう。僕はこの街に何をしに来たんだろう?
漫画道具を入れた手提げバッグを片手にフラフラと行ったことのない方へ。
マイソールにはいくつかある大学のまわりをテクテク歩いたり、ぼへっとタバコを吸ったり。
そしてたまたま見つけた町外れのネット屋は一時間15ルピー。
久しぶりの最安値。それになぜかジュース屋も同時に営業していた。
僕がブログを編集したり、Facebookを見ていると店員は興味津々に何度も僕のパソコンの画面を覗きにやって来た。あまりのしつこさに最終的には「プライバシー!」と手で追いやって店員を撃退した。国や文化や生活習慣の違いだとかそーいうのもわかるんだけどさ、最低限のラインはあってもよかろうに。
この日の終わりに食べたフライドライスだけが僕を裏切らなかった。
現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。