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「日本にいる友達は僕をホームレス呼ばわりするけれど in トルコ」

世界一周344日目(6/8)

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「ホームレスじゃん」

今日のキャンプ写真を友達にLINEで送ると
そんなセリフが返ってきた。

いややいやいや!
逞しくトラブゾンの街で
サバイヴしてるんじゃありませんか!!!
ホームレスだとは失礼な!
僕にはブルーシートという素敵なうちがある!

や、ホームレスか。

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僕はワイルドな男のなので、
水場でTシャツを脱いで
上半身をサササーッと洗うことはできる。

と言っても石けんで洗うことなんて
できないので、水でぬぐうだけだ。

ここが海辺でよかった。

別に上裸でいてもなんも不自然じゃないもん。

や、不自然か笑。

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だが、洗濯物には困った物だ。
洗濯はできても宿に洗濯物が乾くまで
干しっぱなしということができないからだ。

でも、そこはあえてチャレンジしていこう。

日に日に何ができるのか?
どう快適に暮らすことができるのか
考えるようになる日々だ。


持ってきてよかったもの!

「Scrubba(スクラバ)」!

これはネットで見つけた便利商品なのだけど、防水バッグの内側にシリコン製のボツボツがついていてそれが洗濯板がわりになる。このバッグの中に洗剤と水を入れてもみ洗いができるっていう商品なのだ!

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洗濯を済ませてベンチに干してみた。

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日光はいい感じで照ってるし、
3時間もあれば乾くだろう。

こういう時にポリエステルの入った衣類は
乾きが早いので助かるーんだけど…。

洗濯物がごみ扱いされて持って
かれちゃうんじゃないか気になって
ベンチ周辺から離れることができない。


トラブゾンの街で頻繁に清掃員の姿を見ることができる。

ごみ箱も至る所にあるし、
街を綺麗にしようと心がけているのがわかる。
市政がしっかりしているんだろう。

夜中でも街では警察が見回りをしているし、
若い子たちが普通に出歩いている。

僕が外でキャンプしていることを
ここに住む人たちに言うと、
「大丈夫♪大丈夫♪トラブゾンは安全だから」
と現地に住むトルコ人も
ここの治安の良さは感じているらしい。

「バトゥミ(グルジア)<トラブゾン(トルコ)」
が彼らの治安のイメージらしい。
僕、そこでもキャンプしてたんだけどね笑。

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洗濯物を気にかけながら
ベンチでギターの練習をしていると、
汗まみれのガタイのいいおっちゃんが
僕にジェスチャーをまじえて話かけてきた。

「お前さん、昨日ギター弾いてただろ?」

「ああ。そうだよ」

「なぁ、おれに金くれないか?」

時刻も9時前で周りに何人か人がいたから、
手をあげるようなことにはならないと確信があったが、
めんどくさい絡み方だ。

おっちゃんの姿はグレーのスウェット・パンツに
ネイビーのTシャツ。背中の部分は破れた跡があり、
大雑把に縫ってあった。

「や~、悪いんだけどさ、おれも金ないんだよ。
イスタンブールに行かなくちゃいけないんだ。
バスにお金かかるだろ?」

こっちもお金がない(必要)ことをアピール。
徐々におっちゃんから距離を離す。

むこうも割と下手に出ていたし、
こっちもフレンドリーにごねていたので、
おっちゃんは諦めてどこかに去って行った。

こんな朝からおっちゃんにお金をせびられるなんて…。

洗濯物が乾くのを待つためだけに
ここにいるのはなんだかもったいない気がするな。

どーしよ?



バックパックは世界を放浪するために作られたバックではない。
そのことを時々考える。

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むしろ山登りなんかの
アウトドアスポーツのために作られたバッグだろう。

僕の使っているのはドイターのエア・コンタクト。
75+15リットルというドイツ製の大型のバックパックで
何もいれていないだけでも3kgくらいある。
サイドポケットには水筒を入れてチューブを出す穴がついてる。

デザインはともかく、作りもシンプルでとりあえず物が入る。
日本のネット通販で23,000円くらいで買ったものだ。

バックパックには山登りのポールや
マットを括り付けるループのようなものがついている。
僕はこれを利用することをついに発見した。

生乾きの靴下や下着をループに括り付ける。
ボクサーパンツくらいならひっかていれば
下着に見えないだろう(たぶん)。

今の僕の生活リズムは四六時中
このバックパックと一緒にいることになる。

日中の移動でバックパックに括り付けておけば、
洗濯物も乾くんじゃないか???



そして僕はEdward Cafeへと出かけた。

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昨日と同じ席についてカプチーノを注文する。

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この充電しながら作業できる特等席。

お店のおっちゃんたちスタッフは
今日も僕にフレンドリーだ。

それがすごいありがたい。
見た目で僕を煙たがるようなことはしない。

だってね…
ホームレスですもん。

いや、これはひとえに僕の
天性の演技力の賜物なのかもしれない。

こちらも自分の身なり以上の爽やかさをもって
おっちゃんたちに接する。

「やあ!今日もいい天気だね!」
とでも言うように。

日記を書いたり、情報収集をしたり、
長い時間テーブルを使わせてもらっているので
追加注文も忘れない。

次に頼んだのは5リラ(246yen)のトルコ・コーヒーだ。

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てかこんなにちっさいんだ…。

支払いの段階でも、どういうわけだか
7リラのはずのカプチーノが5リラになっていた。

伝票を見て「あれ?これ7リラですよね?」と尋ねると、
オーナーは「いいんだよ♪」とオマケまでしてくれたのだ。

いやぁ、行きつけのカフェってこういう場所だよな。

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そして後半戦が幕を開けた。

飲食店で行ったら今日を終えれば
また通常営業でちょっと楽になれる踏ん張りどころ。

今日は日曜日。

とりあえず今日まで
バスキングやってみようじゃないの!

レスポンスは昨日ほどではなかったが
よかったと思う。

聴いてくれる人の数は今日の方が多いかもしれない。
人垣できてパノラマのように
僕の後ろにまで人が立っていた。

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だが、悪ノリするヤツ
もひどかった。

もう演奏を聴くっているか
僕をネタに笑ってるって感じ。

『ピエロやってやろうじゃないの!』と
僕はしばらくヤツらにつき合ってたが、
レスポンスはぱったり途絶えてしまった。

後ろの方の通行人が人垣を分けて
ギターケースの中にコインを入れて
くれるとかその程度。

僕が場所を移ろうとしたのだが、
この悪ノリのヤツらがここから去って行くことはない。

悪ノリするヤツらは暇なのだ(僕が言うのもなんだけど)
彼らにターゲットにされた以上、僕が彼らの目の
届かない場所に移動するしかない。

荷物をまとめだすと聴いていてくれた他の人たちから
「え~~~!!!行かないでくれよ!」
とまさかのリクエストをいただいた。
ここでやらなかったら完全に冷めたヤツだ。

唄とか演奏の善し悪しに関係なく、
聴きたいと思っている人がいるんだ。

やれやれ。
そこまで言われちゃやるしかねえな。

「ってもねぇ、
聴く気がないのに
演奏を邪魔するヤツがいるんだよ?
どーにかなんない?」

そうジェスチャーで伝えると、
周りの人たちが悪ノリの野郎どもに注意してくれて、
こっちもくらか演奏しやすくはなった。

頃合いを見て切り上げた。
ここでずっと唄っているよりかは場所を代えた方がいい。

「それではこの辺でお開きにしま~す!」

とバックパックを背負って
移ってきたのはちょっと静かな路地だ。

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自分のパフォーマンスが
どこで一番いい演奏ができるのかは場所による。

悪ノリするヤツもいないし、
気持ちよく唄えれば、レスポンスなんて
どうでもよくなったし、
良いパフォーマンスにはレスポンスが入る。

シメはもちろん広場だった。

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3日間いつもより喉に
負荷をかけたせいで声が枯れていく。

ヘトヘトになって
トラブゾンの三日目のバスキングを終えた。

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キングバーガーでご飯と集計、
そしてシャンプーを済ませ、
日記を一本書くと僕は今日の寝床に向かった。

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どういうわけだか、昨日のベストポジションには
タバコをくわえて行ったり来たりするおっちゃんがいた。

設営しているところにバッティングしてまい
(たぶんおっちゃんは立ちションしに来たんだろう)、
フレンドリーに握手を交わしたまではいいが、
おっちゃんがそこから離れることはなかった。

僕はブツブツ文句を言いながら、
初日で設営した場所に簡易テントを立てた。

暗がりでこちらの様子はあまり見えないはずだが、
やはり、周りが気になる。

ウトウト仕掛けた時に近くから
犬の鳴き声で僕は飛び上がった!

すぐに立ち上がり、寝袋を盾代わりに構える。
こちらも威嚇のために大声を出した。

7メートル離れた場所にいたのはシェパード。
首輪はついていたがつながれていない。

その向こうに飼い主が「シッ!」と言って
シェパードに吠えるのを止めさせた。

もう一人別のシェパードを連れた男がいる。

臨戦態勢は解かれたものの、
シェパードを放し飼いにした彼らが
遠くに行くまで僕はその場で突っ立ったままだった。

腕時計に目をやると深夜2時過ぎ。

おいおい…。

なんでったってこんな夜遅くに
犬の散歩なんかしてんだよ???

トルコは日が昇るのが早い。
あと数時間もしたら夜が明ける。
ったく、眠れないったりゃありゃしないぜ。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。