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「城壁の町ディヤルバクル in トルコ」

世界一周348日目(6/12)

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ハッと目を覚ますと目の前に気の良さそうなお兄さんがいた。

話してくるのはトルコ語なのでよく分からないが、ジェスチャーで
「ここは寒いから、眠れるところへ連れて行ってあげるよ」
と言ってくれていることが分かる。

そんな、ありがたいんすけど、
ここでしばらく寝かせおいてもらえませんか…。

だが、お兄さんはその場から動こうとしなかった。
僕のすぐ隣りのベンチに座ってしきりに
僕を気にかけてくれている。


時刻は朝の4時。

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でももう太陽は地平線から頭を出したのだろう。空が明るい。

お兄さんがあまりにもしつこく誘うものだから、
ついて行ってみることにした。

きっと開店前のキオスクなんかを
あてがってくれるのであろう。僕はそう予想していた。

お兄さんはどんどん人気のない場所へ入っていく。

そこで僕の警戒レベルの針が一気にふれた。

「ごめん…やっぱいいや」

本当に町で野宿しているアジア人を
気にかけてくれた優しい人なのかもしれない。

しかし、悲しいことにその保証はどこにもないのだ。
どこで身を退くかは自分しだい。

僕は再びベンチに戻った。

一緒についてくるお兄さん。


な、なんなの??!!

また同じように
「ほら、ここは寒いからさ、僕について来なよ。
ちゃんと寝れる場所に案内して挙げるよ?さっ?」

とジェスチャーしてくる。

こういう時に事態が好転することはない。
自分からその場を去るのが一番だ。くっそ…。

僕は寝袋を無造作にバックパックにぶちこんで
その場を後にした。
お兄さんは今度ばかしは僕の後についてくることはなかった。


日が昇っていても、町はゴーストタウンのようだった。

そりゃそうだ。だって5時前だもん。

一部の朝の早い人を覗いて、
まだベッドでぐっすり眠っている時間だ。

見つけた公園のベンチで再び横になる。
石でできたベンチはひんやりとしていた。


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外で寝るのにゴールデン・タイムなる
安眠タイムがある。と思う。

たぶん、危険なのは深夜1時~3時。
まぁ、トルコは安全だけどね。

その後はさすがに誰も出歩かなくなるし、
日の出の4時、人が出歩き始める5時、6時
は安心して寝れる時間だ。

てか、変なところで起こされたな。

まったく。おかげで全然眠りにつくことができなかったよ。

7時前には公園内にはジョギングをする人の姿を
多く見かけるようになった。
同じおばちゃんの姿を何回も見るもの。

諦めて寝袋をたたんだ。


そんな僕に声をかけてきたのはクルド人の学校の先生。
イサさんとい名前のおじいちゃんだった。
物理を教えているらしい。

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そんなイサさんと一緒に向かった先は
この町の見所でもある城壁だ。

気のいいおじいちゃんで一緒に話していて、
寝不足の僕の心を潤してくれた。

日曜日に干した布団みたな雰囲気のおじいちゃんだ。
たぶんイサさんの授業だったら間違いなく安眠できるな。
そんな考えが僕の頭に浮かんだ。

高校の物理の授業なんてまさにそうだった。
優しい先生だったんだけどな…。
爆睡でしたよ!

「万里の長城」は世界一の城壁なのみんな知ってる。

だが、ここに世界二位がある。。

密度だか高さは世界一らしい。
イサさんはそう自慢していた。

城壁の入り口でイサさんとお別れし、
僕はバックパックを背負ったまま城壁に沿って歩いた。

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城壁はディヤルバクルの町に溶け込んでいた。

城壁のある日常だ。

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城壁の内側には人々が身を寄せ合うようにして暮らしていた。
小さくて簡素な建物が密集している。

この町で通過してきた町の風景とは一変した。
路地に入り込むとなかなか抜け出せなかった。



城壁を楽しんだ僕はモスクの水飲み場で髪の毛を洗った。

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ついでにTシャツも水ですすで、
しぼって着てしまう。

においくらいだったら余裕でとれるし、
清潔さもずっと同じ物を着続けるよりかは遥かにマシだ。

濡れたTシャツはひんやりとして気持ちがよかった。

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そのまま町を歩いた。

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町のみんなが活動をし始める。
そこを歩く一人のバックパッカー。

いつものようにおっちゃんたちが
僕を呼び止めチャイを振る舞ってくれた。

僕は吸い込まれるようにして路地に入っていった。

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どうしてここまで路地に惹かれてしまうだろう?

マジで「世界の路地裏から」って本を作った人は偉大だ(僕は「2」を持ってる)

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突然の来訪者に地元の人たちは興味津々。

ただのツアー客じゃなくて、
後ろにバックパック、前にサブバッグ、
手にはギター持ってるからね。
宇宙人かエリアンのように彼らの目には映っていただろう。

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路地裏探索を楽しんで僕は表の通りに出た。

そこで見つけた。美味しそうな濃厚ジュース。
1.5リットルのペットボトルに入れられ、
おっちゃんが小さな鐘を鳴らしている。

1リラコインをすぐに渡して、ガラスのコップについでもらう。

下先に触れ、喉を通過する黒い液体ー…

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「ってまず!なにこれ??!!クソ不味っ!!!」

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近くにいた英語が女のコが、
これが「メーアンキュキュ」という樹液から作られた
飲み物だということを教えてくれた。
健康飲料らしい。味が全然甘くないけどね!
しかも彼女は飲まないらしい。

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後からやってきたお兄さん二人は
すずしい顔をして飲んでた。

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一体どんなシチュエーションで
このマズいドリンクを飲むのだろう?

ムスリムゆえの髪を隠した女のコとのお喋りの中で
興味深かったのは、シリアの内戦の影響で
この街にシリアの人々が流れてきたということだった。
ここで物乞いをやっているのはシリア人らしい。

そっか…ここでい生きていくのも大変そうだなぁと
ぼんやりそんなことを考える。

だって物乞いって、思ったよりお金入らないもん。
でも、仕事したくても簡単に就労できないんだろうな…。

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Wi-Fiのあるカフェで
たっぷりネットをやった僕は、 
そのあとバスキングをして(全然稼げなかった)、

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時間消化のために再びカフェに戻って、

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閉店時間になると寝床を探しに公園へ行き、

『メジャーな公園は人が多くて寝れねえな』

と城壁の外側のベンチで寝た。そんくらいだ。

それではみなさん、また明日。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。