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「水着で来るべきパムッカレ in トルコ」

世界一周367日目(6/30)

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目覚めると僕の足下に首輪をしていない犬がいた。

ソイツは頭を持ち上げ「あ、起きたの?」
とでも言うように頭を上げて目と目を合わせると、

「ふうっ...」という感じで
再び組んだ前足の上に頭を置いた。
時々群がるハエを食べようと口をパクつかせていた。

黒いゴールデンレトリバーみたいなヤツで、
大人しく優しそうな目をした犬だった。

「そっかぁ…
僕のこと守ってくれたんだ。ありがとな」

そう言って犬の頭を撫でた。

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ここはコイツの寝床なのかもしれない。

人と一緒にいるのが好きなのかもしれない。

以前アルメニアでベンチで寝ている
ホームレスの足下に野良犬がいたのを思い出した。

僕も今そんな感じなんだけど、
犬がいてくれるとどこか心が温かくなる。

やっぱり犬が好きだ♪

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荷物をまとめた。

昨日公衆トイレで選択して干しておいた
下着やジーンズはまだまだ湿っていた。

パンツはバックパックにとりつけ、
ジーンズはそのまま穿いてしまった。

ここは暑い濡れたまま着ていても乾くだろう。

近くに僕と同じように寝ているおっちゃんがいた。

上半身裸で、首から金のアクセサリーをしているけど、
たぶんニセモノだろう。


「なぁ、悪いんだけど、5リラくれないか?」

「悪いね。僕もイスタンブールに行くのに
お金が必要なんだ」

「メシ喰う金がないんだよ」

「どっちも同じさ。
おっちゃんの5リラは僕の5リラでもあるんだ。
おっちゃんのメシは僕のメシだよね?悪いね」

お金をせびってくる上裸のおっちゃんに
爽やかに別れを告げて僕は近くの売店で
しっかり朝ご飯を食べるとトラムの切符を買った。

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マップアプリで確認するとトラムに乗れば
街の端っこまで行くことが出来るみたいだ。

値段は5リラ(239yen)。
磁気カード分のお金も含まれているんだろう。

街によってトラムのカードが変わる。

おっちゃんの5リラは僕のトラム代だったんだな。

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トラムは滑らかにアンタルヤの街を走った。

窓ガラスは少し水色で涼しげな印象を与えてくれた。

海の街にふさわしい乗り物だ。

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そのまま僕はトラムで町外れまで行き、
幹線道路で親指を立てた。

止まってくれたのはトラックだ。

いつものように自己紹介を済ませ
「カワサキに住んでるんすよ~!ブルゥン!」
なんて冗談を言ってドライバーのおっちゃんと笑い合った。

バイバイ。今日もありがと。

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そこからデニズリまでの幹線道路で降ろしてもらい、
近くにあったガソリンスタンドで
景気付けのジュースを飲み干す。

や、いつもジュース飲んでるんすけど笑。

ガソリンスタンドの脇に僕と同じように
ヒッチハイクをしている
トルコ人のお兄さんの姿が目に入った。
日陰でやる気なさそうに親指を立てている。

「メルハバ~!お互いがんばりましょ~ね~!」
と笑顔でお兄さんの前を通り過ぎる。

『はっ!あんな日陰で
無表情で親指立ててるヤツに
俺が負けるわけなかろう!
アイツよりも先に
車ゲットしてやるんわっ!』

よくわからい対抗心むき出しで、
15メートル離れて荷物をおろした。振り返ると


お兄さんの姿がない。


えっ~~~…

荷物を置いて目をはなしている隙に
車ゲットしたってんですか~…。
瞬殺じゃないっすか…。

な、なろう!
僕も負けてられるかってんだ!


元気よく親指を立てた。

次の目的地のデニズリまでは
ハイウェイが一直線に続いている。
車もいい感じで流れてるぞ!

だが、車はなかなか止まってくれなかった。

あれー…?

いつものようにスマイル100%で、
時にはコミカルにダンスしてまで
親指を立ててるってのになぜだぁああああ!!!



「ォォォォ….ン」



あっ、止まった。テシュケレ~♪

乗せてくれたのは無口なドライバーさんだった。

そこからデニズリまで。
(途中のヒッチハイクポイントで降ろされ
そうになった時は焦ったけど)

いいヒッチハイクだ♪

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目的地は
デニズリじゃない。

そこから少し離れた
パムッカレという場所に行きたいのだ。
そこへアクセスするためにデニズリに来た。

パムッカレは旅のブログに
かなりの確立で出て来る観光地だ。

僕も旅の資金集めをしている時に読んだブログで
ここの存在を知った。



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デニズリからパムッカレへと続く道で
すぐにミニバスに乗ることができた。

バックパックを背負った僕の姿を見て、
ミニバスが止まってくれたのだ。

「パムッカッレっしょ?」みたいに(笑)。
3.5リラ(167yen)。安いね!



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町の中心地につくと、目の前のカフェから
「待ってました!」とばかりに駆け寄って来る
お兄さんの姿が見えた。
ふふふ。なんか微笑ましいな。

「日本人?どこいく?宿あるの?安いよ!」

お、おれかっっっ??!!

「荷物置くだけだったら
そこのバス会社使ってもいいよ。
宿はどうする?」

「え~どうしよっかな?
日帰りのつもりなんだよ。
このあとデニズリ戻るんだ」

「デニズリどこ泊まる?」

「や、公園でキャンプしょうかなって」

「ソレ、ヨクナイヨォ。ホテルテープ。
20リラ(956yen)デイイヨ!
ブレックファストツイテルヨ!」

安っっっ!

カッパドキアでもドミ25リラだったぞ!
それよりも安い。と、泊まっちまうか?

日本語の喋れる客引きは時にボってくる場合がある。

様子を探るお兄さんの車ですぐ近くのホテルに向かった。

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「ホテル・ギョレメ」
というのがホテルの名前だった。

てかパムッカレなのにギョレメ???意味分からない。

名前は置いておいて、その設備に僕はやられてしまった。

なんと中庭にプールがあるのだ。

あとから知ったが、
パムッカレのホテルには必ずと言っていいほど
屋外プールがついている。

しかも今は夏真っ盛りと言っていい気温。

ここ泊まっちゃえ!

すぐに20リラ支払った。





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部屋が片付くまで待って欲しいとのことだったので、
そのままお兄さんたちの車で目当ての観光地へ。

ここには石灰棚があるのだ。

入り口の前で青いタオルを買った。

キャンプ生活に必要なんだよねー。

体を拭ったりする時に役に立つ。
それに多少汚れてもそこまで気にならない色だ。

いつもより高いドンドルマを食べ、
僕は石灰棚へと向かって行った。

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入場料25リラ(1,194yen)だった。

たかっ!!!!
なんだよその料金設定!
宿代以上もするなんて信じられん!

だが、これを見るためにここに来たんだ。
素直に入場料を支払う。

土足禁止でサンダルを手に持って石灰棚を登っていく。

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白い地面は思ったよりもすべすべしており、
足下には温かい水が流れていた。

まわりには水着を着た観光客の姿。

僕ジーンズ。

そうかー…

ここは水着で来るべきだったな…。

写真撮るくらいしかできねえ。

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敷地内を一通り歩き、
「うわぁ~すげ~!」って言って
元来た道を引き返した。

楽しかったけどね。
水着着てくりゃよかった…。

しかも奥にあるヒエラポリスを
観て来なかったのも痛い。

ローマ劇場の遺跡行ってみたかったな~。

なんで引き返したんだろ?

もう『宿のプールでいいや~♪』って思ったんだよね。

悔しかったので上裸で自撮り。

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最近喰いまくってるからななぁ~、
体重意識しないと…。



暑さにフラフラしながら宿に戻った。

髪を結わえないで泳ぐと、
水面から顔を上げるだけで、
長い前髪が顔にワカメみたいにかかった。

懐かしい泳ぐという感覚。

宿のいたずら少年は夏休みらしく、
一緒にプールで遊んだ。

プールから上がると、軽い疲労感があった。

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軽食をとりに宿の外へ。

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今朝までいたアンタルヤも暑かったけど、
ここはもっと暑い。そりゃプールも必要だわな。

町の中心地でお兄さんたちに囲まれて
ギターを弾いて宿に戻った。

時には宿をとるのもありだ。
野宿ばかりしているから宿のありがたみを感じる。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。