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「あの時教科書で見た建造物(写真はありません…) in アテネ」

世界一周384日目(7/17)

最近ますますどこでも寝られるようになった気がする。

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(あっ、時計ぶっ壊れました。ミャンマーで買った僕の相棒…。現在安く修理してくれる時計屋さんを探しています)


朝方7時には自分がいかに外から丸見えな場所で寝ていたのかが分かる。迎えの家の二階の窓が開いて、住んでいる人と目が合う。こちらもホームレスのさらに上を行く爽やかスマイルで返す。向こうも心なしかかすかに口元が緩んでいる(気がする)。そんな一日の始まりだった。

ここはギリシャ。アテネ。僕はパルテノン神殿を見にここまでやって来た。


このアテネの街にはいくつか考古遺跡を見ることができるようだ。

だけど、その全てと言わず自分の見たいものだけをバックパックを背負ってまわるのはかなり骨が折れる。どうにかならないものか…?

近くのツーリスト・インフォメーションが開くまで、近くのベンチで時間をつぶした。

観光地ということもあって、お店のいたるところからWi-Fiが流れて来る。ただしそのどれもがパスワードが必要で、ファストフード店なんかは繋げなかったりもしやがる。

僕はもう旅の日記をブログにして毎日更新するのを諦めた。アップできる時にアップできればいいや。日記は毎日分書くようにするけどね。トルコから始まった野宿生活。Wi-Fiに当然のようにありつけるわけではないからだ。


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ツーリスト・インフォメーションのおねーさんによると、遺跡をまわるチケットはなんと12ユーロ(1,648yen)もするらしい。まぁパルテノン神殿以外も訪れるお得チケットらしい。チケットはどこの遺跡(もしくは美術館)でも購入可能とのこと。

僕が最初に向かったのは広い敷地内に大きな神殿の跡だった。

うん。パルテノン神殿とアクロポリスくらいしか知らないよね。名前なんつーの?てか写真ねーんだわ(その話はあとで)

ただ、デカいものにはそれなりに惹き付けられるものがある。倒れた柱はパイナップルの輪切りみたいになっていた。中には骨組のようなものはなにも入っていなさそうだ。大昔のギリシャ人たちは一体どうやってこの建造物を造ったのだろうか?そんなことが気になった神殿。なんかこういうのってミステリーだなあって思った。

ちょうどツアーの団体客がチケット売り場に流れこんできた。僕は団体客にまぎれてバックパックをそのままチケット売り場に預けていくことに。まぁ、数時間なら預かってくれるっしょ!

身軽になり、サブバッグだけ背負ってアテネの街をスタスタと歩く。やっぱりヨーロッパの街並はなんだかお洒落だ。



次に向かったのはアテネの街が見下ろせる山の上。

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いくらサブバッグだけになったとはいえ、急斜面を登るとTシャツが汗が滲んだ。山の頂上まで登り切ると、アツさにバててしまって景色どころじゃない。すぐに日陰に避難して、残ったペットボトルの水を飲んだ。

やっぱりヨーロッパは物価が高くて気軽に買い物できないし、安いものを買って節約したつもりでもあっというまに1日の食費が1000円を超えてしまう。

高台から海が見えた。「そうか。ここはギリシャのはじっこなんだな」そう思った。

ギリシャという国はここで終わり。海はまた別の国のはじっこへと続いている。や、ギリシャは海に囲まれた国なんだからそんな感覚自体がおかしいんだけど、海を見るとそんなことを考えたのだ。

海は終わりと始まり。僕の旅も鳥取県の境港からフェリーで始まったのだ。飛行機ではなく、海を渡って世界一周の旅が始まった。美味しいものは最後にとっておく。



ギリシャはすっ飛ばすつもりだけど、雑貨は何かしら仕入れておきたいと僕は考えた。

でもね、なんだかここにはほんとベタな雑貨しかないんだよ。

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きっと島とかリゾート地にもっとちゃんとしたハンドメイドみたいな雑貨が売っているのかもしれないね。でも今回はそこまで行く時間も金銭的な余裕も無いのだ!仕入れるならここ!ここしかない!

アテネの街にはちゃんとお土産屋さんが密集した通りみたいなのがある。さっきも言ったが、ここにはほんとうにありきたりな雑貨しかないのだ。雑貨というよりお土産に近いかもしれない。だって、パルテノン神殿の置物なんて、日本に持っていったところで一体誰が買ってくれるだろうか?

ようするに「思い出」にしかならなそうなものばかり。せいぜい家の玄関の先で埃をかぶってしまうのがオチだ。買ってくれた人が長く使ってくれて、そこにストーリーが生まれるようなもの。そんな雑貨を探している。


そこで見つけたのはハンドメイドのオリーブの木を使った製品を作るお店。ギリシャってオリーブが有名ってイメージがある。

オリーブの木でできた商品は他の国でも仕入れられるけど、ギリシャで買うことに意味がありそうだ。まぁ、個人的な思い込みです。


店内にはキッチン用品からアクセサリー、もちろん置物だってある。

個人的にはブタさんの置物が好きだった。ツヤツヤしている表面。持ってみるとずっしりと重みを感じる。気になるお値段は18ユーロ(2,455yen)。さ、殺人価格だ。

そんな中で僕が手を出せたのはオリーブのバングルとブレスレット。これなら長く使ってもらえるだろう。長く使い込むことによってオリーブはきっといい味が出るはずだ。お店の人の感じもよかった。

できたらあとひとつくらい雑貨が欲しいところだ。いくらオリジナリティのある雑貨でも僕はバックパックを背負って旅をしている。いくら素晴らしい雑貨だったとしても、大きくて重いようなものは仕入れることができない。そんな制約の中で雑貨を仕入れている。

青い陶器を扱うお店を見つけて、何か仕入れようか迷ったが、かさばりそうだったのでやめた。残念。マジで四次元ポケット欲しい。


ギリシャ2つ目の仕入れはルームシューズだった。

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こちらはアテネの至るところで売られている。ギリシャの定番商品みたいなもの。本物靴の裏の作りがしっかりしていて、これなら日本でも長く使ってもらえるんじゃないかと思ったのだ。ギリシャの伝統的な模様であるカコカコした渦巻き模様がポイントだ。この模様は「長寿」を表しているそうだ。なんかそういう意味が込められてるっていいよね。

お店のおっちゃんに写真を撮ってもらったのだが、指は映り込んでるし、ブレてしまっている。高齢の方が写真を撮るのが下手くそというのは全世界共通なのかもしれないな。

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僕はこれまでに何足かルームシューズを仕入れて来ている。グルジアでも2足買ったな。なんでルームシューズが好きかっていうと、清水家が寒いからだ。や、寒いのは他の人の家でもそうなのか?

冷えは足下からくるんだよ!だからこういうモフモフしたものを見ると、『あぁ…、おうちにあったらあったかいだろうな…』と考えてしまうのだ。「マッチ売りの少女の気持ちが清水家に来れば分かります!!!」うちの冬期のキャッチコピーはこんなん。



最後のシメはもちろんパルテノン神殿だ。

ワクワクするよ。だって誰でも一度は歴史の教科書やら資料集で見たことがあるんじゃないかな?そして今僕はその実物を見にいくわけだ。ワクワクしないわけがない!

一日歩き回ってヘトヘトになった脚を引きずって、アクロポリスを目指した。

この街のメインの観光地ということで観光客の多さと来たら。そして残念なことが修復中だったってこと。ヤー…、保存状態を保つのも大事っすよねぇ。

近くの石段に座ってパルテノン神殿を見ながら考える。『一体何が違うんだろう?』と。

教科書と実物が異なるから?
画像処理で盛られてる?いやそんなことあるもんか。だって教科書だぜ?

年代が違うから?
それもあるな。だって、きっと写真は何十年も前だろう。そうか。


観光客の多さだ。


写真を撮ろうとすると、否が応でもフレームにツーリストたちの姿が映り込む。僕の記憶の中のパルテノン神殿では周りに誰もいなかった。時の試練に耐え、丘の上に立つ偉大なる神殿。パルテノン。オーケー。そういうことだよな。楽しかったぜ。



残った時間は静かなカフェバーでコーヒーをすすりながら日記を書いた。Wi-Fiは使えなかったが、お店の雰囲気とスタッフさんがよかった。

店内を覗いているとお店のマスターが「どうぞどうぞ!座って!」とウェルカムな様子だったからだ。「それじゃあ..」とい感じでコンセントのある席で充電を確保した。深夜3時までやってるってのもよかった。ここで髪もちゃっかり洗っていたのは内緒。

お店のモザイクランプがとても綺麗だった。

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深夜2時になると、パルテノン神殿から少し離れた住宅街のベンチに横になった。深夜でもカップルや犬の散歩をしている人の姿があった。

そんなアテネ。明日は別の街に行こう。


現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。