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「街にも好き嫌い」

世界一周196日目(1/10)

ぜんっぜん眠れなかった…!!!

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ベンチの間の微妙な段差のせいでどうしてもうまく眠りに就くことができなかった。何度も何度も寝返りを繰り返し、外から入ってくる冷気を少しでも低減させようと寝袋を体に密着させた。

睡眠と呼べるような眠りができたのは明け方5時~6時の1時間だけ。始発が走り出す頃には駅のアナウンスが途切れることなく繰り返され、殺意を覚えた。あと、一時間だけ寝かせてくれてもいいではないか!

ここはバンガロール駅。

今まで降りた駅の中でもワーストの印象だ。トイレは高いし、ドミトリーはない。昨日の21時過ぎに駅に到着したのだが、構内で眠ることは駅員が許さなかった。僕は仕方なしにプラットフォームのベンチで一晩を過ごしたのだ。いい点を挙げるとするならば24時間営業の飲食店があることと、駅が綺麗なことくらいだろう。

体調は相変わらずだ。
熱はないけど、体の温度を感知する機関の調子がおかしい。体の中に炭酸が入ってるみたいだ。寒さを感じると体の中が「しゅわしゅわ~っ…」となる。ただでさえ体の調子が良くないってのにここで更なる負荷をかけてしまったな…。

7時半にバンガロール駅を出発した。
外から駅の写真を撮ろうとしたら荷積みのあんちゃんに止められた。こっちもそれに従うことはなかったのだが、「写真を撮るくらいいいじゃないか!他の駅はそんなこと一切言われなかったぞ!」と僕が抗議すると、「これがバンガロールさ!」とジャイアニズムを発揮してきた。わけわからねぇ…。

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絶え間なく突っ走ってくるトゥクトゥクやバスや自動車にちっとも道路を横断することができない。体調も戻ってないので歩調もゆっくりだ。早く歩こうなんて、そんな気力は一切湧いて来ない。

宿の集まっている場所へ辿り着き、いつものように宿の値段を訊いていった。だいたい500ルピー(844yen)以上。こういう町の物価が高そうな街ってさー、宿も示し合わせた様に高くなるんだよねー。ほんと嫌になっちゃうよ。安宿はどこいった!!?

そんな中、「Delux」と書かれたいつもなら絶対素通りしてしまう様な宿にシングルルームの値段を尋ねてみると衝撃の返答が。

「ACなし、共有トイレ/シャワーで275(464yen)だけど、それでいいか?」

安宿あったし!

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宿の屋上にホテルのレセプションからは想像できない簡易な部屋がいくつかあった。それでも不潔な感じはなかったし、この寒さと体調では水シャワーも浴びたくない。そなえつけの毛布がありがたかった。一泊分だけの料金を支払い、洗濯を済ませ、頭だけは洗っておいた。

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9時になるとバンガロールの街も他のインドの街同様にどんどん温かくなっていった。

ここへの滞在は1日の予定。明日には次の街に行く細美武士流強行軍な移動プラン。寝不足でフラフラの頭を抱えて、街に繰り出した。

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食欲も全然ない。100%の生絞りオレンジジュースとバナナがこの日の朝食だ。確実に痩せてるな。こりゃ。むしろ食べなさ過ぎて自分の体が心配なくらいだ。

この街を楽しむぞぉ~…!おぉ~…!

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いつもの様にパシャパシャ写真を撮りながら大きな公園で一休み。

緑の中で喧噪から引き離されると嫌でも落ち着ける。

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マジで動く気がしねえ。

そして辿り着いたのがマクドナルド。

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とりあえず何か喰わなくちゃと思った。きっとインド的な物以外だったら食べられる!今の僕にはエネルギーが必要なんだ!そしてWi-Fi!
頼んだ151ルピー(255yen)のマックチキンにはポテトとコーラがついてきた。そしてどういうわけだかこれはペロリと完食することができた。いちおう従業員に「Wi-Fiは使えますか?」と尋ねてみる。従業員の返答は「使えません」。Wi-Fi検索画面にはマクドナルドのWi-Fiが。はっ?従業員の言う通り、Wi-Fiはあるのにネットには繋げなかった。やれやれ。

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この街は確かに大きい。
割としっかりしたアパレル店や電化製品店やその他にも沢山のお店がある。交通量も多くて市バスも何台も走っている。僕がこの街で感じたのはその「不便性」だ。

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街を歩くとなると本当に不便なのだ。横断歩道なんてどこにあるのだというくらい歩行者のことが考えられていない。自動車優先。イライラさせられる。列車もどういうわけかこの街では遅れてやってくる。

街は大きくてもたとえ自然公園があっても、道路の脇にはいつものように砂やらごみやらが積み重なっているし、舗装されていないボコボコした場所や、コンンクリートが砕けて放置されている道もある。

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そのくせバンガロールから他都市へ行き、再びバンガロールに帰ってくる往復のツアーバスが何本も出ている。何を好き好んでこの街に帰って来にゃならんのだ?この街は特に歩いていてワクワクするような街ではないことは確かだ。

僕が寝不足だってこともあるんだけど、いつも通りのコンディションだったとしても、そこまでこの街に魅力を感じなかったんじゃないか?移動の連続は大変だけど、バンガロールの滞在は一日で十分だ。


宿に戻ると干した七部袖のロンTが見当たらなかった。4階から下を覗くと電線に上手い具合にひっかかっている。2階からうまいことモップの柄を使って回収してもらった。


う~む…。この街、好きくねえな…。

この街のいいところ?
あっ、メシは安かった!

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。