見出し画像

魔女が跋扈する?「ワルプルギスの夜」の舞台 ドイツ・ハルツ山地の旅

4/30の夜から翌朝にかけて、「ワルプルギスの夜」と言って、ヨーロッパでも地域によっては、祝祭を挙げる地域があります。

古代ケルトの暦だと、寒季と暖季とに分けられ、その切り替わる日が、(今の太陽暦の)4月の末日の夜だと言われています。
ケルト語ではBealtaine(ベルテイン)と呼ばれていました。

この寒季と暖季の変わり目の夜には、この世と死者の世界の境目が曖昧になり、幽霊やら精霊やらがウロウロすると信じられていました。

そのため、ドイツでも一部地域では、かがり火を炊いたり、いたずらをしたり…という風習が残っています。

暦上、4/30の真裏にあたる、10/31は時期としては、暖季から寒季に変わる時期で、「ハロウィン」がありますが、これもケルトの祝祭が起こりです。

この霊が跳梁跋扈するという話から、4/30の夜にはドイツのある地域に魔女が集会を開いているという伝承が出てくる訳です。それが、魔女の「ワルプルギスの夜 (ヴァルプルギスの夜/Walpurgisnacht)」という話です。

ドイツの文豪のゲーテの「ファウスト」の中でも、描かれています。

その場所ですが、ドイツのちょうど真ん中あたりに「ハルツ山地」がその舞台だと言われています。

ドイツの森は、木々がとても密に茂り、昼なお暗い場所です。それだけに、昔であれば、どんな化け物が出てきても不思議ではない場所だと思われていました。

そのハルツ山地でも有名な山が、ブロッケン山。
現代であれば、麓のヴェルニゲローデ(Wernigerode)の町から鉄道で来ることもできます。

雲の中に虹が見えてその真ん中に巨人の影が見えたという、「ブロッケン現象」で知られている山なのです。

ハルツ山地の北側は北ドイツ平原と南側の山地を隔てている場所。
北側に雲が立ち込めていて、南側が晴れている状況であれば見られるものなのです。
それは科学を知っている我々であれば分かる話で、そんなことを知らない昔の人にとっては、「魔物の棲む山」だと思ったとしても不思議ではありません。

ハルツ山地へと登るハルツ狭軌鉄道(HSB)

観光路線の意味合いが強いですが、ブロッケン山の麓にあるヴェルニゲローデ(Wernigerode)やクヴェトリンブルク(Quedlinburg)などから汽車が出ています。

この通り蒸気機関車も走っています。
ヴェルニゲローデの町からであれば、1時間半余りかけてブロッケン山の山頂まで行けます。

山中の狭い所を通って行くのもあり、線路の軌間が相当狭いです。
それもあって、かなりゆっくりと山中を登って行きます。

一般的な日本人はあまり行かない場所かとは思いますが、ハルツ山地の麓から二時間もしないうちに別世界に行けるのもあって、ドイツに行った中でも推したい穴場ではあります。

2022年現在、往復チケットで51ユーロ。
それを払う価値はあるかと、私は思います。

ただ、ヴェルニゲローデ(Wernigerode)の町へ行くだけでも、アクセスが相当大変です。

  • 空港のあるフランクフルト(Frrankfurt/M)から列車を乗り継いで4時間半

  • 最寄りの空港があるハノーファー(Hannover)から2時間

しかも、途中のローカル線の区間が2時間に1本程度しかありません。


完全にドイツマニア向けの場所ですので、行きたい方は、徹底的に調べて行ってみてはいかがでしょうか。


【イベント参加予定】
2022/5/22(日) 関西コミティア
場所:インテックス大阪 2号館
時刻:11時~15時
ブース:H-14「タビシリ」で参加しています
※入場の際にイベントカタログ(1000円程度)の購入が必要です。

【ツイッターやっています】
旅行関係・歴史関係のことをつぶやいています。
よかったらこちらのフォローもどうぞ。
@kazutraveler

【電子書籍 書いています】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?