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「伊佐知美」という生き方から学ぶ。旅からはじめた豊かな暮らし【POOLO OPEN SEMINARレポート】

TABIPPOが運営している、自分と世界の豊かさをつくるニューノーマルトラベラーが育つ学校「POOLO(ポーロ)」。2022年1月から待望の第3期が始まります。

それに伴い2021年11月9日に、POOLO3期の講師である、編集者・フォトグラファーの伊佐知美さんをゲストに迎え、POOLOの講義を体験できるOPEN SEMINARを開催しました。

伊佐さんのこれまでのキャリアを振り返る講義と、質疑応答の様子をお届けします。

POOLO(ポーロ)とは?

POOLOとは、「旅」を共通項に持つ現代のミレニアルズの起業家・事業者・実践者たちの知恵や力、経験等を結集させた、次世代を形成するニューノーマルトラベラーが育つ新しい学校です。

「自分と世界の豊かさをつくる手段を形にする」をゴールに、100人の仲間と9カ月間ともに学び、価値観や社会をアップデートしていくプログラムです。

2019年から始まり、350名以上の生徒が卒業しました。現在、2022年1月からスタートする3期生のメンバーを募集中です。詳しくはこちら

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ゲスト紹介

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伊佐知美(編集者・フォトグラファー)

1986年、新潟県生まれ。幼少期の中国在住経験から、海外に興味を持つ。三井住友VISAカード、講談社、Waseiを経てライター・フォトグラファーとして独立し、世界二周しながらの「旅×仕事」の移動暮らしの後、沖縄・読谷村に移住。現在は東京・清澄白河との二拠点居住。
三度の飯より旅が好きで、日本一周、カナダ・イギリス・マルタ・フィリピンの4カ国語学留学、海外70カ国訪問など。
オンラインコミュニティ「旅と写真と文章と」、英語を学ぶ「English Challenge」主宰。これからの暮らしを考える『灯台もと暮らし』創刊編集長、移住体験者の声をまとめた『移住女子(日本語・韓国語出版)』の著者でもある。GENICにて「伊佐知美の旅するように移住」連載中。

好きなことで、生きていきたい

伊佐さんは現在、編集者・フォトグラファーという“肩書き”でお仕事をされていますが、それだけでなく本当に“肩書き”が多いんです。

「ライター・執筆」ということで雑誌に連載を持っていたり、書籍を執筆したり、「フォトグラファー」として雑誌やカタログに掲載するための写真撮影をしたり。

また、「編集・ディレクター」としてTABIPPO編集部の仕事を、「オンランインコミュニティ主宰」として〈旅と写真と文章と〉と〈#EnglishCahleenge〉いう2つのコミュニティを運営しているほか、商品開発、コンサルティング、講演、英語を使った海外取材対応などもしているそう。

そんな活躍されている伊佐さんは、言います。

長い旅をしてみたいです。けど、とくに何もせずにいたら20代半ばになりました。そんな人生でした。

新潟県の片田舎で育って、関東の大学に進学して、そのまま大企業に総合職として就職して、なんなら結婚もしたーー。けど、心の中でいつも「このままでいいのかな」と思っていた、と。

今日も明日も明後日も、同じ時間、同じ電車、同じデスク、同じ同僚。
1年後も3年後も5年後も、もしかしたら10年後も、この場所にいるの?

土曜日が一番楽しみで、日曜日の夜は憂鬱で。月曜から木曜日は金曜日を楽しみに生きて、「早く時間が過ぎればいいのに」と思っている時間が長かった。

そんな風に日々を過ごしているのは、豊かじゃないし、私が望んでいる生き方じゃない。

そんなもやもやした気持ちを抱えていた伊佐さんですが、休暇を利用して旅には行っていたそう。

その中で、ハワイを旅した時に、海沿いで夕暮れを見ている人たちのように、「美しさ」や「ここちよさ」を大切に、「軽やかに」「豊かに」生きている人たちに憧れや羨ましさを感じたといいます。

好きなことで、生きていきたい。

月曜日がしんどいんじゃなくて、月曜日も、いつだって楽しいと思える瞬間の積み重ねで生きていきたい。

そうはいっても、フリーランスとして生きていくことや、敷かれたレールをはずれることは怖い。私の好きなことってなんだろう。

とにかく長い旅がしたい。世界をこの目で、若い感性のうちに、無期限で。
そして、書くことを仕事にしたい。場所を問わずに働きたい。

そして、新卒の就活では全部落ちた出版社で働くことを諦めきれず、派遣社員として講談社に“潜り込んだ”そう。

ただ、配属先は営業部署。編集部の仕事は任されることはなかった。そこで、はじめたのは「兼業ライター」。1本500円の報酬からのスタートでした。

今だったら1本500円からのスタートって怖気付いちゃうかもだけど、日本人ならほとんどの人が扱える日本語の記事を書いて、報酬が発生することにまず感動しちゃって(笑)

自分の書いた記事でお金が発生することが嬉しくて楽しくて、フルタイムで働きながら、副業として月100本ぐらい書いた時期もありました。

媒体側からも評価があがり、報酬も1本2万円の原稿料(40倍!)になって、「もしかしたら、会社を辞めても、暮らしていけるかも」と思った伊佐さん(ちなみに今の原稿料は●●●倍だそう!)。

講談社を辞めたあと、鳥井弘文さんが代表を務めるWasei株式会社が運営する「灯台もと暮らし」というメディアの編集長になります。

でも、どうしても長い旅に生きたかった。300万円を貯めていたけれど、それを使い切る旅ではなくて、旅をしながらも生産活動ができる“持続可能性のある旅”をしたい。

ライターとしての生計が立てられるようになってから、伊佐さんは世界へ旅立ちます。

片道切符の旅がしたくて。世界のベストシーズンに、好きな街に好きなだけいたいと思った。

伊佐知美さんが考える「豊かさ」とは

文章を書くのと同じくらい、カメラで写真を撮ることも好きだった伊佐さん。世界一周中に一時帰国した際、一眼レフを買い、カメラと一緒に旅するようになると、さらに世界が広がったそう。

世界を切り撮るうち、文章と写真がセットになったお仕事や、写真単体のお仕事へつながったといいます(ちなみに“動画”にも挑戦したそうですが、自分の視点でものを残したいということで、写真をメインにしたそう)。

撮りためた写真がカレンダーになったり、文房具の付箋になったり、写真を撮り歩くツアーの企画者になったり。「伊佐知美」らしい生き方が積み重なっていきます。

旅をすればするほど、自由度が増していく。

「場所を問わずに仕事をするスタイル」から「旅をすること自体が仕事」への変化。「行きたい場所はどこですか」と聞いてもらえるようになった。

私は、豊かに生きるために、違和感を取り除いていく作業を丁寧に行い続けてきたつもり。

そして、「好き」にも純度の違いはある。「好き」をどんどんふるいにいかけていくために、行動と発信を怠らないようにすることが大切。「好きなことで生きていく」と、「やりたい放題、自由です」はちょっと違う。
私にとっての豊かさとは「私が選んだ」と思えること。

たとえ同じ場所に戻ったとしても「これは私が選んだ」と思えるだけで。
納得感が異なってくる。納得感のある人生を歩みたい。

いまは、いまがずっと続いたらいいと思えている。

素敵な生き方をしている伊佐さんですが「突然、自分の環境すべてをガラリと変える必要はない。今すぐに会社を辞めろ、とか全然思わないし、フリーランスが最高!なんて言ったことない」とも。

「スライドでいいんじゃないかな。私はそうやって生きてきました。自分を変えるためには《時間配分、暮らす場所、付き合う人》を変えることです」。

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POOLOに興味がある人へ

ーー環境を変えるための最初の一歩はとても勇気がいる。なぜ伊佐さんはそれができたのか。なぜライターになれたのか。

伊佐さん:一番大きかったのは出版業界に身を置いたこと。金融業界にいた時は、旅をコンテンツにしてお金を稼ぐ世界とは無縁だったので、自分がやりたい世界が現実味がないものとして存在していたんです。

でも出版業界にいって、それを実現可能なものとして見れるようになったし、自分の中でのハードルも下がった。「自分を変えるためには《時間配分、暮らす場所、付き合う人》を変えること」に通ずることだけれど、環境を変えることが一番早い気がします。

ーーとはいえ、いきなり大きく変えるわけではなく、伊佐さんも最初は兼業ライターとして平日の夜と土日を使っていた。

伊佐さん:プラスオンから始めるのはとてもいいと思います。ライターの時もそうですが、カメラマンとしてもいきなり30万円の投資をしたわけではなくて。すでに持っている機材から始めたんです。

「0→1」のハードルを下げていって、すぐにできることから始める。「1」ができたら、それを世の中にポンっと投げてみる。投げてしまえば、意外に無反応だったりとか、意外に反響があったりとかが分かる。そのステップを全力投球ではなく、余力でやってあげる。そうすると、失敗したときに自分で言い訳しやすい(笑)。

例えば、カメラマンだったら、アシスタントから始めるという道もありますよね。そういう傍らで生きることから近づいていくのは、いい手段だなと私は思います。

ーー自分が好きなことを仕事にした伊佐さん。好きなことを仕事にしないという選択肢もあると思うが、伊佐さんにとって「仕事」をする基準や軸は?

私の場合は、旅と写真と文章が好きだったけれど、世界一周に出たのが29歳のとき。もう「好き」をふるいにかけ切っていて、自分の人生で好きなものは、旅と写真と文章だと分かりきっていたから。

それに、仕事はお金を稼ぐ手段とはあまり思っていなくて。人生で長い時間関わっていく時間が仕事。その関わる時間が増せば増すほど、ハッピーだと思っています。

肌感覚として、自分が好きなことを仕事にすると、そこで出会う人たちは通じ合える人たちが多い。自分の好きを軸にして仕事にすればするほど、純度も高まっていく気がする。好きを突き詰めた先で出会えた人にも惹かれていますね。

ーー伊佐さん自身、世の中から求められてなくて困った経験は。マーケティングはどうしている。

SNSで助けてもらった感覚はあって。世界一周中毎日100枚くらい撮っていたけど、その中でSNSにあげる写真を4〜8枚選んで、編集をして、その日のうちにあげるという活動をしていました。

こちらは「伊佐知美っぽい」と言ってくれるけど、こちらはそんなに反響がない。そんなことを毎日やっていました。自分が出したものを色分けしていた気はしますね。

自分が思っていたことは頭にしかないけど、それを外に出して、発信すると、思っていたことに対して「こういうことやりたかったんですよ。ジョインしません?」と言ってもらえることもあって。人に助けてもらったなと思います。

ーー(スライドにちょっとあった)「夢組」と「叶える組」という話が聞きたい。

これはサクちゃんが書いた話で、私が好きな話。世界は「夢組」と「叶え組」の2つがあって、そこが組み合わさるといい時間が起きるのでは?という話です。

私は「0→1」が得意だけれど「1→10」はめちゃくちゃ下手。新しいことを始められるけれど、それを水をやって育てていくことはあまり得意ではない。例えば、《旅と写真と文章と》というコミュニティはもうすぐ丸5年を迎えるけれど、一人では絶対できなかったけれど、支えてくれる人(=叶え組)がいたから続いているんです。

好きで生きていくといいつつ、夢がなくてはいけないとは全く思わなくて。好きがたくさんあって悩む人はいるけれど、それはもしかしたら、「好きなことが強い人をそばで支えること」が一番好きという可能性もあります。そういう「叶え組」も素晴らしいことですよ。

好きを突き詰めるのもいいけれど、誰かが差し伸べてくれた手をつかめるかどうかも大きな運の境目。そういう人に出会える場にいるかどうかも大切だと思います。私も新潟から出てきたときは「田舎暮らしが嫌!」と思っていたけれど、今はご縁あって、沖縄に移住して染め物したりしていますからね(笑)

ーー最後にメッセージお願いします!

最初の一歩を踏み出すって、すごく怖いんだけど、一歩を踏み出すと決めた時は一人のはず。何か大きい決断をするときは、きっと一人じゃないと決められない。私は一人になりたくて旅に出た節がある。

勇気を持って踏み出した人は、きっと同じように一歩を踏み出した人と手を携えることができるし、踏み出した先には誰かが待ってくれているはずだから。

小さく小さく始めて、芽が出たものの中から始めていくこと。POOLOがそういうきっかけになればいいなと思うし、今回のOPEN SEMINARでも「ちょっと楽しく生きられるかも」と思える瞬間があったら嬉しいです。

【次回は11月30日】POOLOからのお知らせ

今回のOPEN SEMINARでPOOLOに興味を持ってくださった方は、LINE登録&説明会動画を視聴をしてください。詳細はこちらから。

また、次回のOPEN SEMINARの詳細は以下のとおりです。こちらもぜひご参加ください!

▼講義詳細
日時:11月30日(火)19:30〜21:00
参加費:無料

▼申し込み方法
①TABIPPO公式LINEへの登録する

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②【OPEN SEMINARに参加する】というボタンを押す
③当日のイベント参加用URLが送られてきます。これにてイベント参加申し込みは完了なので、当日、時間になりましたらそちらからご参加ください。

みなさんのご参加をお待ちしております。