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note78: ロスアンゼルス(2011.10.29)

【連載小説 78/100】

各地を旅しながらも僕はいわゆる「観光ツアー」に参加することはあまりないのだが、日本人ツーリストに人気のバスツアーがあると聞いて参加してきた。
ビバリーヒルズに建ち並ぶ映画スターの豪邸や名作映画のロケ舞台をめぐる約5時間のツアーで、日本語ガイド付き料金は90ドル。
せっかく映画の都へ来たのだから、こういったツアーを体験するのも悪くはない。

ジョニー・デップやトム・クルーズ、キャメロン・ディアスといったスター達の屋敷は当然車窓から眺めるだけだが、ガイドの解説は面白く、彼らの新作映画の紹介もあったりして楽しめる。

また『プリティウーマン』や『ビバリーヒルズ・コップ』、『ボディーガード』といった作品のロケ地を訪ねたが、実際の舞台に立つことでそれらをもう一度見たくなるから、映画業界にとっては効果的なプロモーション企画でもある。

国際社会におけるアメリカのイメージと影響力を考える時、銀幕のスターほど強力な“コンテンツ”はないだろう。
ムービースターは作品が公開される国数と興行成績に比例して世界レベルでのメディア価値が高まり、文化的・政治的メッセンジャーの役割を担う。

そんなハリウッドスターに関して最近注目を集めているのがプライベート面における社会貢献活動のようである。
前回、環境問題がドキュメンタリー映画市場におけるメインストリームとなっていることをレポートしたが、ハリッッドスター自身の活動が良質なドキュメンタリーに値する事例が少なくないのだ。

たとえばジョージ・クルーニー。
既に次回のアカデミー主演男優賞の最有力候補ともいわれている彼は、スーダン西部のダルフール紛争をめぐる平和運動に取り組み、国連の平和大使に任命されている。

その影響を受けたのがマット・ディモン。
『オーシャンズ11』での共演がきっかけとなり途上国の衛生問題に取り組んだ彼は「water.org」というNPOを立ち上げ、アフリカやハイチなどにおいて安全な飲料水を提供し続けている。

これらの他にもハリケーン「カトリーナ」被害を機にエコ建築の研究と普及活動を手掛けたブラッド・ピットや、自らエコサイト(www.leonardodicaprio.org)を開設して10年以上にわたり地球温暖化対策に取り組むレオナルド・ディカプリオなど、数々のスターが社会貢献活動に携わっている。

身分の高い者にはそれに応じて果たすべき社会的責任と義務があるとする「ノブレスオブリージュ」の道徳観がハリウッドセレブの中に根付いているところにもアメリカのパワーを見直すべきはないだろう。

さて「SUGO6」の旅はいよいよ次週、南米大陸に移動する。
僕にとっては初めて足を踏み入れる大陸である。

10/26の「DICE ROLL」デーで出た目は「2」。
送られてきたメールは以下のような内容だった。

>>>>> Dice Roll ⑰/2011.10.26-20:00<<<<<

Los Angeles → Lima
【リマ Lima】

南米大陸最初の訪問地はペルーのリマ。
11/3にリマに入り世界遺産の街並みやナスカの地上絵を訪ねた後、インカ帝国ゆかりの地クスコを経て世界遺産マチュピチュを目指す。

マチュピチュからクスコへ戻った後は陸路でボリビアに入り、チチカカ湖を経てラパスへ。
数日の滞在後ウユニ塩湖を訪問。

※リマから先の行程は現地に滞在するATJスタッフが同行しますので、現地にてご確認ください。
※ラパス到着日が次回の「DICE ROLL」デーとなります。

ロスアンゼルス−リマ間のフライトは明日決定する予定です。

>>>>>SUGO6 Support Desk<<<<<

出た目の先で「○升進む」というスゴロクゲームのような旅のパターンは、これまでにも[ボルネ島→シンガポール]間のエコツーリズムの旅と[プノンペン→シェムリアップ]のアンドレ・マルローの『王道』を追う旅で体験済みだが、一連のテーマで都市を繋ぐという組み合わせでいけば今度は「インカ帝国の旅」ということになり期待が高まる。

また、ペルーのマチュピチュとボリビアのウユニ塩湖は今や若い世代の日本人バックパッカーにとって聖地のような場所になっているらしいから、久しぶりにATJスタッフと交流できるのも楽しみである。

映画の都の先には『インディ・ジョーンズ』シリーズのごとき「インカ帝国への冒険旅行」が待っているのだろうか?


>> to be continued

※この作品はネット小説として2011年10月29日にアップされたものです。

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